岡崎京子による

引用・言及事例集

岡崎京子は他の作品の引用や言及が多い作家です。
その範囲も、コミックはもちろん、音楽、映画、文学、現代思想と、多くの分野に跨っています。

ここではそうした引用・言及例のごく一部を抜き出してまとめてみました。

「海岸で砂粒を三粒ほどつまみあげてるようなもの」(©晄晏)ですが、それでもじっと眺めていれば、あなたがまだ知らなかった岡崎のもう一つの側面が見えてきて、そこから更に豊穣な「岡崎ワールド」が広がって行くかもしれません。

また、興味深い引用例や言及例が新たに見つかった場合は、順次追加させていただきたいと思います。皆さんからも掲示板メール等で情報をお寄せいただければ幸いです。

作成開始:1999.07.14
最新更新情報はこちら
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謝辞
このページは他の多くの方々のご指摘に基づいて作成したページです。 順不同で、渋谷義人さん、中山"ラミ"貴弘さん、晄晏隆幸さん、枡野浩一さん、南G太さん、Korosukeさん、quizさん等々。(詳しくは下の「ご協力頂いた方々」をご参照下さい) 予めお断りしておくと共に、この場を借りて、皆さんにお礼申し上げておきたいと思います。 ありがとうございました。 尚、各項目最後のカッコ内はご指摘いただいた皆さんの略称(敬称略)です。
使用上の注意
以下の事例集はあくまで私(tach)が作成した「まとめ」であり、その内容に関する責任は tach が負うものです。従って、誤り等のご指摘・苦情等は tach の方(掲示板またはメール)へお願いします。尚、ご指摘いただいた方々の言葉をそのまま引用した部分は青色の文字で表示していますが、それでもカット&ペーストを行った以上はオリジナルの真意がゆがめられている可能性がありますのでご留意下さい。可能な場合には、出来る限り、各項目の末尾にある指摘者の名前からオリジナルの発言へとリンクを張っておきました。
重要なお知らせ
なお、音楽関係の引用・言及に関しては、池田さんが「岡崎京子の音楽趣味を解析する試み」と題する素晴らしいターム集をご自身のサイトで公開なさっているので、是非、そちらもご参照ください。簡潔にして要点を押さえたコメントが光る労作です。必読! なお、本引用集とダブる項目については「bbiw」印をつけてリンクを張っておきました。(20010102追記)
重要なお知らせ その2
「東京ガールズブラボー」に絞った詳細な引用事例集がネット上に公開されました。hitomisiringさんの「東京ガールズブラボー引用元リスト」です。いや、もう、その詳しいこと! 是非、ご参照下さい。(20031104追記)

索引

▼コミック・絵画
大島弓子
長谷川町子
高野文子
きいちのぬり絵
望月峰太郎
金子國義
丸尾末広
藤子不二雄
ジョージ秋山
山松ゆうきち
赤塚不二夫
つげ義春
吉沢やすみ
みつはしちかこ
貝塚ひろし
大友克洋
手塚治虫
山田えいじ
楳図かずお
ぐりとぐら
山岸凉子
岩館真理子
コンタロウ
川崎のぼる
魔夜峰央
桜沢エリカ
萩尾望都
奥平イラ
吉田秋生
杉浦茂
漫☆画太郎
小林よしのり
クレパックス
風呂上がりの夜空に
▼音楽
フリッパーズギター
カステラ
A.K.I.
ビッケ
ハルメンズ
さいとうみわこ
矢口博康
蓮実重臣
戸川純
スネークマンショー
Sonic Youth
モーマス
近田春男
藤圭子
僕は特急の機関手で
お座敷小唄
守屋浩
ウサギのダンス
ローザルクセンブルク
江戸アケミ
矢野顕子
スチャダラパー
少年ナイフ
スロッビング・グリスル
THE VELVET UNDERGROUND & NICO
Lou Reed
トーキングヘッズ
PiL
北原ミレイ
ムーンライダーズ
ピチカート・ファイヴ
大槻ケンヂ
岸野雄一
phew
薬師丸ひろ子
浪花節だよ人生は
美空ひばり
ウィークエンド
ディー・ライト
野坂昭如
さくらと一郎
山寺の和尚さん
レベッカ
シショーネン
ボ・ガンボス
シーナ&ロケット
アルバート・キング
▼文学
村上龍
村上春樹
糸井重里
高橋源一郎
金井美恵子
ギブスン
バラード
ランボー
坂口安吾
矢田津世子
サリンジャー
ファウルズ
武田百合子
リラダン
沼 正三
フローベール
ヴィアン
ダンテ
橋本治
石川啄木
ケストナー
ピンチョン
向田邦子
カポーティ
バロウズ
谷川俊太郎
マザーグース
夢野久作
▼映画・写真
ゴダール
「リバーズ・エッジ」
アニエス・ヴェルダ
「Back to the future」
「初恋地獄篇」
「兄いもうと」
「唇からナイフ」
ヴェンダース
ブニュエル
ジョン・ウィリー
ベティ・ペイジ
「ロッキーホラーショウ」
笠智衆
小津安二郎
ナン・ゴールディン
ホークス
荒木経惟
セダ・バラ
ヘルムート・ニュートン
ロバート・フランク
エドワード・ホッパー
デヴィット・リンチ
レオス・カラックス
「ピクニックアットハンギングロック」
「ローマの休日」
「ひなぎく」
「パーマネント・バケイション」
「ボーイ・ミーツ・ガール」
「狩人の夜」
鈴木清順
サリーマン
ウディ・アレン「アニー・ホール」
フェリーニ
「百万長者と結婚する方法」
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
「バベットの晩餐会」
デニス・ホッパー
「レット・ゲット・ロス」
「ヘアースプレー」
▼思想
ゾンバルト
グルジェフ
出口王仁三郎
ソシュール
R・D・レイン
伊藤俊治
ドゥルーズ/ガタリ
柄谷行人
浅田彰
植島啓司
バタイユ
蓮実重彦
フロイト・ユング
▼その他
津田沼「パルコ」
実在の人物
椎名桜子
SMスナイパー
伊東四朗
牧野富太郎
香山リカ
ロシアの山
横浜
兼田さかえ
島崎夏美
甲田美益子
死ぬにはうってつけの日
ウゴウゴルーガ
小学館のマーク
せっかちくん


大島弓子

岡崎が引用・言及する作家のベスト・スリーに間違いなく入る。それも、「ジオラマボーイ、パノラマガール」辺りから以降、ずっと引用し続けているし、その比重は年と共にますます重くなっていったのではないかとすら思う。岡崎と大島を結ぶ線は「フェミニズム」だと思うのだが、それはまた場を改めて。
「バナナブレッドのプディング」その1
「ジオラマボーイ、パノラマガール」Scene 5 の60ページで津田沼春子は神奈川建一の空の布団に潜り込む。「バナナブレッド」では御茶屋さえ子が、教授とのホモSMプレイで疲れ果て昏々と眠る奥上大地(男色家)の傍らに潜り込む。(単行本71ページ)このシーンに関しては、設定のクレージーさに置いて大島弓子の方が勝ってると思う。(晄晏

「バナナブレッドのプディング」その2
「3つ数えろ」(短編集「私は貴兄のオモチャなの」142ページ)。ヒロシの帰りを待つ洋子のエプロン姿。「バナナブレッド」では(単行本100ページで)御茶屋峠の帰りを待つ三浦衣良のエプロン姿。構図からネームまで全て同じ。よく見るとページ全体のコマ割りも同じなので爆笑。快楽殺人者洋子と永遠の純潔の象徴三浦衣良を対比させる辺り、岡崎の引用の手つきは際立っている。(quiz
今気がついたんだけど、洋子の旧姓永田洋子って、ひょっとして、連合赤軍のリンチ殺人事件で有名な永田洋子? ひゃ〜、ちょっとやばいんじゃないの。(tach)
そう言えば永田洋子の「少女趣味」を論じた大塚英志の「『彼女たち』の連合赤軍」って本もありました。まさか読んでいたとか? でも、出版時期から考えてちょっと無理かな?(tach)(2002.06.11追記)

「バナナブレッドのプディング」その3
「ジオラマボーイ、パノラマガール」Scene 18 の184ページ。津田沼春子は寝る前に「バナナブレッド」を読んでいる。(quiz

「バナナブレッドのプディング」その4(冒頭の三浦衣良の台詞「今日が明日の前日だから、だからこわくてしかたがないんですわ」)
1.「ロシアの山」(短編集「UNTITLED」224ページ)ボーイフレンドとの初体験を放課後に控えた主人公がダンテの「神曲」を手に心の中でつぶやく。(tach)
尚、このコマは同時にゴダールの引用でもあるという指摘を Korosuke さんや pooh さんから頂いてます。まとめると、このコマは三重の引用ということになります。構図としては「アルファビル」で、ただしポール・エリュアールの詩集の代わりにダンテの「神曲」を手に持ち、大島弓子の台詞をしゃべる。(tach)(19991119追記)
2.「ローマン・ホリデーズ」で、結婚式を明日に控えた主人公が「今日が明日の前日だから、こんなことしてんのよ」(赤背版では165ページ)(tach)

「バナナブレッドのプディング」その5
Part5 「お酒の力をかりて・・・」の冒頭、衣良が教授の墓をつくる場面、「きたるべき食糧難のときのため貯蔵です」のコマは、岡崎「コレクター」の175ページ、トシミに溺死させられた(それとも絞殺?)カナが埋葬されたコマと、構図がそっくりです。(pooh)(19991019追加)

「四月怪談」その1(設定一般)
「恋愛依存症 KARTE.2」 主人公の霊が肉体を抜け出てさまよい歩くという設定。(tach)

「四月怪談」その2(お花畑のエピソード)
「チョコレートマーブルちゃん」 子供の頃に好きだったすてきなお花畑を思い出して行ってみたら、「四月怪談」では地面が剥き出しの更地(団地用地)になっていて、「チョコレートマーブルちゃん」ではそこに立派な団地が建っていた。この引用は大島弓子ファンにとっては堪らない。泣かせる。(tach)

「秋日子かく語りき」
「ジオラマボーイ、パノラマガール」で、主人公が死にかけたお祖母ちゃんに憑依され「青春」のやり残しの実行を強制されるというエピソード。秋日子はよそのおばさんに憑依されて同じようなことをやらされた。(tach)

「草冠の姫」その1
「pink」の「目をつぶると ウルトラQのイントロみたく ぐるぐるするのは 熱がある証拠」というハルヲ君の台詞(単行本57ページ)。「草冠の姫」の貴船君の台詞「部屋が とてつもなく 大きく感じたり 自分がものすごく 小さく感じたり するのは 熱がある証拠」(単行本30ページ)(中山)

「草冠の姫」その2
家に一人でいるときに好きなことをする描写と、「カトゥーンズ」第19話の同じ状況の時の描写は似てますね。とみた)(19991111追加)
と言うか、もろに意識的な引用だと思います。(tach)(19991111追加)

「草冠の姫」その3(最後から2頁目)
「さらば愛しき人よ」(p36)、「聞いたか新緑よ」…これって、すでに「マンガ夜話 Vol.2」(p246)の「岡崎京子を読み解くための46のキーワード」に指摘があります。北川たけしさんによる執筆です。(pooh)(19991116追加)
蛇足ですが、すばらしいセンスの岡崎ページを運営しているquizさんが、即ち、北川たけしさんのようです。(tach)(19991116追加)

「さようなら女達」
「ジオラマボーイ、パノラマガール」Scene 9 の「キスしたあと転校していく女のコ」(晄晏tach

「綿の国星」その1
「ジオラマボーイ、パノラマガール」Scene 12 の扉絵に「猫を触っても平気なように防空頭巾をかぶって」時夫の母登場。(晄晏

「綿の国星」その2 Part 20「ギャザー」
「ドッペルゲンガー」(短編集「ボーイフレンド is ベター」収録)。この双子の姿は大島弓子描くところの双子の猫のパクりのような気がしてならない。ちなみに大島の初出は85年の「ララ」2月号で、岡崎の方は85年の「漫画ブリッコ」10月号。時期的にも辻褄は合う。(tach)(19990901追加)
異説有り→村上春樹「1973年のピンボール」

「綿の国星」その3
「東京ガールズブラボー」下巻 p5、新書版(?)「綿の国星」と、そのマネしてちびねこが落書きされたノートが、描かれてます。pooh)(19991028追加)

「赤すいか黄すいか」
「カトゥーンズ」第17話「シキューテキシュチュ大作戦」。“生理がつらくていっそ猫のように手術してしまうことを望む少女”ってのは大島弓子「赤すいか黄すいか」の主人公と同じです。(Korosuke)

「赤すいか黄すいか」その2
「水の中の小さいな太陽」P125で主人公(ミーナでしたっけ)が朝、母親のボロい服や父親が買った一戸建ての住宅に対して疑問を持つシーンが大島弓子「赤すいか黄すいか」(花とゆめCOMICS版「綿の国星」第3巻P177)千草が母親のお茶漬けをすする光景に抱く不問・「ハリコのなんとか」と表現された一戸建ての住宅への思いと同じような感じでこれも大島弓子引用でしょうか?koko)(20001229追加)

「ロングロングケーキ」
「エイリアン」(短編集「好き好き大嫌い」)。直接の引用ではないけど、大島弓子「ロングロングケーキ」に出てくる宇宙人の宇さんが同じく大島弓子「夏の夜の貘」の家庭に登場したらこうなるであろーというような短編だなーとおもいます。(Korosuke)

「ほうせんか・ぱん」
「ほうせんか・ぱん」(『大島弓子選集 第4巻』に収録)にある、「熱があるときにはモモの缶詰を食べると治る」というエピソード…(中略)…岡崎さんは結構このエピソードが気に入っていたようで、「pink」(59〜62頁)ではハルヲ君に、「東京ガールズブラボー」(下巻42頁)ではのび太君にモモの缶詰を食べさせています。(渡邊)(19990807星野氏の岡崎掲示板より転載)

「パスカルの群」
「リバーズ・エッジ」
60ページから63ページ…山田君のせりふ「何かこの死体をみるとほッとするんだ」云々というシーン。(「パスカルの群」の)結のセリフ「失敗したり自信がなくなりそうになるとこの葦の中にはいるんだって。」
135ページ、「あの人がいて/ぼくがいて/あの人を見つめることが/出来る」、ここも対応箇所があります。大島作品の中盤あたり、「みてりゃいいんだ(中略)それでいいよ」です。
引用箇所を指摘するなら、これら二個所でよいとおもいます。
ただ、箇所を特定することのむつかしいモチーフやプロットもろとも、引用していると考えることができるようですね。具体的には、「自然」、「性(と)愛」、「青春の日び(大島)」。これらの<大島−岡崎>という連関は、「リバーズ・エッジ」巻頭の、ふたつのくまのぬいぐるみの描かれようのうちに、(岡崎によって)自己言及されているかのようにも感じられます。
pooh)(19991005追加)

「ジィジィ」
大島作品(アスカコミックス版)の113ページからの、スイカの盗み食いのシーンは、岡崎「夏の思い出」の40ページ以降に、反映されているような気がします。(ところで、岡崎作品のスイカって畑のスイカですよね。ヨーコとセーコはいったいなんだとおもっているのでしょう?)
もう一個所、大島135ページ、主人公の女の子が夢の中で、車道を眺めるシーンは、「夏の思い出」24ページ、セーコとヨーコがトラックの荷台から首都高の照明(?)を眺めるシーンと、似ています。ただし、遠近法の消失点(でしたっけ?)は、大島はコマの上部、岡崎はコマの下部。
(pooh)(19991019追加)

「ダイエット」
1.「ROCK」p31の、「これを食べたら死のう」のコマ、大島さんの「標縄福子」ですね。ひっつめに、セーラー服。モデル経験ありで、セイリ止まっちゃうとこまで、いっしょです。(pooh)(19991116追加)
2.「四コマ好奇心
にも言及例有り。(20000426)

「裏庭の柵をこえて」
「お散歩」p241の「今でも思いだすんです」、大島「裏庭の柵を超えて」のラストのセリフ「あの夏休みを/想い出すんです」かな。小学生の女の子が夜遅くまで帰ってこなくて両親に心配されちゃうところとか、2階の部屋から、隣家の2階の部屋を眺めるところなんかも、そっくり。pooh)(19991228追加)

「夏の夜の貘」
「リバーズ・エッジ」旧版の187ページ、ルミちんのセリフ「ブタのくせにうるせーんだよ!!」「ブヒブヒ言わずブタ小屋帰れ!!」は大島弓子の「夏の夜の貘」(角川書店1988刊短編集「つるばら つるばら」P16)にでてくる、男の子の兄が父親にむかっていうセリフからの引用ではないかとおもいだしました…最初に『リバーズ・エッジ』のそのセリフを読んだときは「さすがヲカザキ、ひどいセリフだ」とおもったものでしたが、まさか大島弓子とは……でも、考えてみれば大島弓子もひどく残酷なことをけっこう描くマンガ家ですし。it)(20000508追加)

金髪の草原
「ジオラマボーイ、パノラマガール」P60で春子が布団に潜り込んで「こういう片思いは変態の域よねえ」というのは大島弓子「金髪の草原」(選集第10巻70頁)の引用ですよね。高橋
蛇足です。シチュエーションとしては大島弓子の「バナナブレッドのプディング」だというのが「定説でしたが、確かに「変態の域よね」というせりふそのものは「金髪の草原」から来ているのかもしれません。(tach)(20001229追加)

その他大島弓子一般

1.「くちびるから散弾銃」(合本版 Date 25 MON.21st,Aug.「カオルと結婚したいの」199ページ)でなっちゃんの「大島弓子ルック」(quiz

2.「それいゆ」岡崎の「大島弓子趣味」がもっとも発揮された短編。中期から後期にかけての大島弓子の世界に通じる空気が流れていると思う。(tach)

3.「乙女ちゃん」「それいゆ」と何だか似た感じの作品で、これも「大島弓子ワールド」を目指した作品かもしれない。(短編集「エンド・オブ・ザ・ワールド」収録)(tach)
ただしこの作品は、小津安二郎の「晩春」だという解釈もあります。確かに、そう解釈した方が適切です。(tach)(20000407追記)

その他コミック・絵画関係一般

●長谷川町子「サザエさん」
1.岡崎京子における家庭像の一種の「理念型」の一つ。作品のいたるところにその影が投影されている。例えば「セカンド・バージン」における吉野家の間取り(「あとがき」参照)、「くちびるから散弾銃」のなっちゃんの家(単行本冒頭の登場人物紹介)等々。「ハッピィ・ハウス」の「みさちん」の家族辺りにも色濃く投影されているような気がするけど、巧く説明出来ん。(晄晏、tach)
2.「4コマ好奇心」のも言及事例有り。(20000426追加)
3.「pink」P116-で、ハルヲ君と住みはじめたとき、家事を楽しくこなすユミの髪型、「ハッピィ・ハウス」P163-で最終的にチチハハが家に戻り、るみ子を迎えるときの母の髪型は、いずれも「サザエさん」カットを意識しているように思える。フセ)(20001229追加)
4.「くちびるから散弾銃」でなっちゃんちについて「サザエさんちみたくていいじゃなーい」ってなセリフがあった気が。池田)(20001229追加)
それ、「FRI.25th,Nov.ユウウツなニュースペイパァ」(合冊本p.125)でした。(tach)(2003.10.30追加)
合冊本冒頭の登場人物紹介の欄にも、なっちゃんが「サザエさんのよーな家ですくすく育った」と書いてありました(tach)(20001229追加・20031030改訂)

高野文子「玄関」(「絶対安全剃刀」1982.01.19白泉社刊)
「水の中の小さな太陽」の冒頭は高野文子の傑作短編「玄関」…にちょっと似てる気がします。…(中略)…どちらの短編でも海で溺れかけた少女の経験が語られます。その経験が少女の中に解消できない何か(世界への距離、違和感のようなもの?)を育んでいる、という構図も似ています。もっとも「玄関」は小学3年生ぐらいの女の子が主人公のかわいらしい(でも痛切な)作品ですが。誰も死にませんが小さな女の子が泣きます。Korosuke)(20010306追加)

高野文子「おともだち」(奇譚社1983.07.01刊)
「好き好き大嫌い」のコニーちゃんの話って高野文子の「おともだち」(特に外国のお友達)の影響モロ出してませんか? あの髪型、アメリカーンな雰囲気、まさにそう。 あと「私は貴兄のおもちゃなの」にも見られる電灯の書き方、あのこうライトから光が逆三角形にでる書き方もそこがルーツだと思います。(あき)(2002.06.11)

高野文子「田辺のつる」(「絶対安全剃刀」1982.01.19白泉社刊)
「pink」P15のぬり絵を模した扉絵。全体的にも何処か影響を受けているような気がする。(中山)

きいちのぬり絵
「pink」P15の塗り絵を模した扉絵。「きいちのぬりえ」ですけど、そういえば「東京ガールズ…」でも「きいちのぬりえ」調ってのをやってました。(Korosuke)
結局、高野文子がきいちのぬり絵を引用しているということか?

●望月峰太郎「ばたあし金魚」

1.「さらば愛しき人よ」(短編集「好き好き大嫌い」収録)。野々村君とマリちゃんの関係は望月峯太郎「バタアシ金魚」のカオルとソノ子の関係そのまんまです。(Korosuke)

2.「くちびるから散弾銃」(合本版p.195「Date 25 MON.21st,Aug.カオルと結婚したいの」)サカエちゃんが読んで大笑いしてるんだけど、私はそんなに面白い作品だとは思わないけどな。資本主義の中を泳ぐらならサカエちゃんが最高。カオル君なんて、「市場経済」の枠組みを疑わないただのバカにしか見えないし、サカエちゃんほどのパワーもない。彼はそのうち死ぬと思う。ひょっとしたらそれが「女尊男卑」主義者岡崎の男性観なのかもしれないけどな。(tach)

●金子國義
「退屈が大好き」表紙絵の女の子が画家のまるきり金子國義の絵のよーです。岡崎京子描く人物の目と唇が大きくなったのは金子國義の影響があんじゃないかと思うんだけどどうなんだろう。(Korosuke)
私は金子國義というとすぐ澁澤龍彦を思い浮かべてしまうので意外な指摘でした。でも、言われてみれば、確かにあの絵は似てるよーな…(tach)

丸尾末広「少女椿」その1
「ハッピィ・ハウス」各話タイトルも相変わらず他の作品のもじりが多いけど、「さまよえる日本人」なんてのが個人的には嬉しい。元ネタは(多分)丸尾末広の暗黒マンガ「少女椿」(って、まー、それぞれ独立に思い付いたのかもしれないが)。(Korosuke)

●丸尾末広「少女椿」その2
「girl of the year」(「チワワちゃん」所収)のP93、鏡で自分の顔をみつめる冷泉寺アンネのコマは、丸尾末広「少女椿」のみどりが鏡のぞきこむコマから。コマ外に(C)まるおって自己申告してありました。(Korosuke)(19990923追加)

●丸尾末広「少女椿」その3
「リバーズ・エッジ」(153ページ)、カンナの大泣きシーンは丸尾末広「少女椿」のラストシーン(150ページ)からかな、と。池田)(19991230追加)

●丸尾末広「江戸昭和競作 無惨絵英名二十八衆句」(出版リブロポート1988)
「リバーズ・エッジ」(109ページ)、こずえ 「あたしにもないけどあんたらにも逃げ道ないぞ」。「江戸昭和競作 無惨絵英名二十八衆句」(出版リブロポート1988)内の丸尾末廣のページ。浅間山荘リンチ事件の永田洋子が血塗れの日本刀を持って、柱に縛り付けられた下着姿の女の子を切り刻んでる図で背景に書き込まれてる独白(?) 少し長いですけど
「(前略)あたしはチャラチャラした奴を見ると
はらわたが煮へくりかへるんだ。
世の中はどうみたってあたしの為にはない。
あいつらだよ あいつら!!
ちくしょう 殺してやるてめえ
逃げ道ないぞ あたしにもないぞ
あたしの名前を云ってみろ!」
(iku)(20000508追加)

●丸尾末広「江戸昭和競作 無惨絵英名二十八衆句」(出版リブロポート1988)その2
「pink」(187ページ)ユミちゃんがハルヲ君のアパートでシーツを洗いながらの台詞「血まみれなんて恐くない、だって女の子だもん」。同上 やはり丸尾末廣のページ。狼(男?)の裂かれた腹から、骸骨だけになった赤ずきんちゃんが出てきて「おじちゃんどうもありがと」と猟師に取りすがる図の短冊に書かれたサブタイトルで「血なんてこわくない女の子だもん」
吉田秋生の「吉祥天女」にも似たようなセリフがありましたけど、「女の子はね、血なんてこわくないのよ。だって毎月一度は血を流すんですもの」(うろ覚え)でもこっちはちょっとはっきりしませんね
(iku)(20000508追加)

●藤子不二雄「ドラエモン」その1
「カトゥーンズ」第6話「ハイ・ジャック」ではのび太くんとしずかちゃんが飛行機をハイジャック。そういえばのび太くんは「東京ガールズ・ブラボー」や「ショコラ・エブリデイ」にも出演。(Korosuke)

●藤子不二雄「ドラエモン」その2
「東京ガールズブラボー」上巻P33で、サカエちゃんのことを想うのび太君が突然オナニーを始めたのでのけ反った。性をあたかも存在しないものであるかのように扱う「ドラエモン」的(或いは「サザエさん」的)「家庭観」に対する皮肉?(Korosuke、tach)(19990813追加、19990901改訂)

●藤子不二雄「ドラエモン」その3
「ショコラ・エブリデイ」P19に「ドラエモン」のキャラクターがまとめて登場。のび太君、ジャイアン、スネオ、できすぎ君…いずれもときめかない男の子達ばかりだと、ミミミとラララは溜息。岡崎風に描き変えられた各キャラクターの顔が可笑しい。(Korosuke、tach)(19990813追加)

●藤子不二雄「ドラエモン」その4
「砂漠王子と砂漠王女」。世界が滅びたあとたった二人取り残されるの15歳のび太としずか。永遠の子供たち。(tach)(19991229新規追加)

●藤子不二雄「ドラエモン」その5
「みりん星人大襲撃」。大人になったのび太としずか、同棲中。(tach)(19991229新規追加)

●ジョージ秋山「恋子の毎日」
「カトゥーンズ」第24話「ハルミちゃんの本」では恋子ちゃんとサブくんがジョージ秋山のマンガ「恋子の毎日」から出演。(Korosuke)

●山松ゆうきち「女系の愉しみ」
「ジオラマボーイ、パノラマガール」p112で小学生の女の子が「お金になるのは若い時だけ 女の一生は短いわ」とシビアな台詞を吐くのだけど、これは山松ゆうきちのマンガ「女系の愉しみ」(「怪力エンヤコーラ」青林堂刊に所収)の台詞。小学生と山松ゆうきちってスゴいとりあわせです。(Korosuke)

●赤塚不二夫「実物大マンガ」
「東京ガールズブラボー」これに出てくる固有名詞を挙げるとキリなさそうですが。マンガとしては下巻のP30から突然赤塚不二夫の「実物大マンガ」が始まるところがなんだかすごいなあと思いました。(Korosuke)

●つげ義春「懐かしいひと」
「恋愛依存症」(短編集「UNTITLED」P156)。「ああそこが急所」「ここ?」という台詞は、つげ義春の名作「懐かしいひと」の台詞「そこが急所…」「ここ?」から。(Korosuke)

●つげ義春「李さん一家」
「みりん星人大襲撃」(単行本未収録)ってありゃいわゆる「李さん一家」おちっていうやつですよね.つげ義春の.…(中略)…「李さん一家」がどういう漫画か知りたい人は,今月号の太陽(安藤忠雄特集),105ページを見てみよう.みりん星人と同じラストシーンを見ることができます.イノウエ)(2000.01.16新規追加)

●吉沢やすみ「ど根性ガエル」
「でっかい恋のメロディー」(短編集「私は貴兄のオモチャなの」P.24)(タイトル自体がパロディですね)の中で、妹のまりちゃんのクラス担任で、ヨシトモ君(おおここにも)に「リアルなものってなんですか?」と質問され、答えられなくて泣き出したよしこ先生って、ど根性ガエルに出てきませんでしたっけ。ちょっと自信なし。(minari)(19990910追加)

みつはしちかこ「小さな恋の物語」
「危険な二人」に出てくるセーコちゃんの理想の恋人は「のっぽのサリー」。かつて一世を風靡した、密のように甘く、ポルノグラフィックなまでに露骨に願望充足的な、純愛少女漫画に出てくる恋人役の男の子。作品の冒頭には、みつはしちかこへの献辞が掲げられているが、単なる傾倒と言うより、批判的引用であるように思えて仕方がない。何しろ「危険な二人」に出てくるサリーの正体は女を騙す最低のスケコマシ。最後に、セーコちゃんの怒りのパンチを食らいぶちのめされるのだから。(tach)(20000129追加)

●貝塚ひろし
「危険な二人」に登場するセーコちゃんの後輩「貝塚ピロシ」。
貝塚ピロシ…貝塚ひろしって少年マンガ家がいなかったっけ?(Korosuke)(19990929追加)
彼は、ど根性ガエルの「ひろし 」ですよね? めがねを頭にかけたところといい、長袖のTシャツといい。ラミ犬)(19990929追加)
貝塚ピロシは、「ど根性ガエル」の「ひろし」であるとともに、 漫画家の「貝塚ひろし」でもあります。「ど根性ガエル」の作者吉沢やすみは貝塚ひろしのアシスタントでした。絵もそっくり。私は「ど根性ガエル」が「貝塚ひろし」の作品であると思い込んでいました。(tach)(19990929追加)
なるほどー。ど根性ガエル&少年マンガ家貝塚ひろし‥てことはピロシ君は“昔の典型的な少年マンガの世界”から召還されてるのかな。 つまり『危険な二人』には、少年マンガの「元気な少年」の原形としての“ひろし”と、少女マンガの「王子様」の原形としての“サリー”の両方がいるわけで、でもヨーコさんとセーコさんは、「元気な少年」のガールフレンドにも「王子様」に見い出されるお姫様にもなりきれない。伝統的な物語のパターンに強く憧れつつ、その中におさまることは何故かできない。ここらへん、確か「ハッピィ・ハウス」の後書きにあった、“アンビバレントな反復横とび”、というフレーズを思い出します。伝統的物語世界と“わたしらの現実”の間でいつまでも続くどたばた・じたばた。そのじたばたを全肯定してしまう強さってのを岡崎作品に感じたりもするのですが。Korosuke)(19991005追加)

●大友克洋「童夢」その1
「リバーズ・エッジ」団地の絵で、大友克洋「童夢」の絵のモロな引き写しがあります。今ちょっと「童夢」が手許にないので該当箇所が確認できませんが。…マンガの置いてある実家から昨日移動して、今「リバーズ・エッジ」も手許にない状態なのでアレですが、確か田島カンナの焼死体にシートがかかってるコマです。手がかりは消防車です。と書くとクイズのようですが。(Korosuke)
分かりました! きっと、「リバーズ・エッジ」P210と「童夢」P184でしょう? 「童夢」では田島カンナの焼死体の代わりに、恐怖に震える超能力者のおじいさんが頭を抱えてうずくまってる。京子ちゃんってお茶目。(tach)

●大友克洋「童夢」その2
「超能力少女A(仮名)」(短編集「退屈が大好き」)p135。こたつのテーブルの上に突如首を突き出す超能力少女Aは「童夢」(単行本P67)の超能力ボケ老人の真似。欄外の書き込み「私ってマニアさん」に爆笑。(tach)

●大友克洋「大麻境」(短編集「ショートピース」双葉社刊収録)
「万事快調」(短編集「Untitled」収録)の第三話、弟が先輩からもらった地図を頼りに大麻を求めて山の中に分け入って行くという筋書きは、大友の「大麻境」そのもの。「大麻境」のラストは地図を後輩に売りつけるというものだったから、この第三話自体、「大麻境」の後日談かもしれない。例によってお茶目な京子ちゃんである。(tach)(19990819新規追加)

大友克洋「さよならにっぽん」(短編集「さよならにっぽん」双葉社1981.7.16刊収録)
「くちびるから散弾銃」第34話「WED.18th,Apr.サヨナラ・ニッポン」の題名に転用。(tach)(20031104新規追加)

●手塚治虫のキャラクター名
「ROCK」。登場人物の名前を手塚治虫のキャラクターから借用するというお遊び。ロック、ピノコ、サファイア、アトム、アセチレン・ランプ、メルモ、ミス・お茶の水、ウラン等々。(tach)(19990807新規追加)

●手塚治虫「リボンの騎士」第26話「女剣士フリーベ」
「東京ガールズブラボー」下巻 p7の、「あーら愛なんてエゴイズムよ」ってセリフとイラストは、手塚さんの描く「美と愛の女神ビーナス」ですね。いわく「愛は残忍なもの/愛はエゴイスチックで/気ままなもの・・・・・・(略)」pooh)(19991028追加)

●手塚治虫「空気の底」
1.「砂漠王子と砂漠王女」人類滅亡後、兄妹がドームの中に生き残って…というのは手塚治虫の短編集『空気の底』所収の『二人は空気の底に』なんですが、SWITCHに再録された『砂漠王子と…』のP34でのび太くんが読んでるのがその『空気の底』ですね。手塚ミーツ藤子。トキワ荘だなあ。
2.「ジオラマボーイ、パノラマガール」P239、手塚治虫に触れた2ページで、14才の岡崎さん(?)が読んでるのも『空気の底』でした。Korosuke)(19991228追加)

●手塚治虫の子供たち
「リバーズ・エッジ」のルミちゃんのお姉さんの名前ってマコちゃんでしたよね? それって手塚さんの『マコとルミとチイ』、すなわち、手塚 眞さんと手塚るみこさんから名前を拝借したのでは?フセ)(20000224追加)

●手塚治虫「火の鳥 未来編」
「コニーのお留守番」でドームの中にある街ってのが 「火の鳥 未来編」の猿田博士のドームにちょっと似てる気が・・・ ドームの外は放射能が・・・とか、絵の感じとかが・・・ フセ)(20000302追加)

●山田えいじ「ペスよおをふれ」
「退屈が大好き」の中に「ペスよ尾をふれ」というマンガのタイトルが出てます。私は小さい時このマンガ読みましたが、岡崎は小耳にでもはさんだのでしょうか。…別冊太陽「子どもの昭和史 少女マンガⅠ」によれば作者は山田えいじ、「なかよし」の昭和32年から34年に掲載。ラジオドラマにもなったそうです。…「退屈が大好き」は、別冊太陽「子どもの昭和史 少女マンガの世界Ⅰ」より早く出てるので、別冊太陽を見たわけではないですね。とみた)(19991019新規追加)

●楳図かずお「洗礼」
往年の大女優「若草いずみ」その娘「若草さくら」という設定は、岡崎「VAMPS」の吸血鬼たちと、まったく同じですね。もっとも、岡崎さんの作品の<母娘の愛憎劇>は、短編であるためもあってか、未展開ですね。残念。(ところで、あのヴァンパイアたちは、どうなったのでしょう。死?逃走?岡崎94ページの点描のコマを、「ポーの一族」と比較してみなければなりませんね。なににしてもプロローグ「・・・そして犠牲者たち・・・」が効いているとおもいます。)
ちなみに、『ウメカニズム』95年小学館に掲載された、岡崎さんのインタビュー(?)「少年少女の新しい定義」では、(「洗礼」について)「現在でも、ものすごく好き。好きっていうか・・・・・・、すごいですよ、この作品は。」という発言に続いて、興味深い楳図論が展開されてます。
(pooh)(19991019追加)

●楳図かずお「まことちゃん」
1.「逆さはりつけ」。「東京ガールズブラボー」上巻p77、「girl of the year」p101。
2.「グワシ」。「3つ数えろ」p168、「チワワちゃん」p154。
3.「pink」p148、ケイコのセリフにも、登場します。「あたし"まことちゃん"の大ファンなんだ」pooh)(19991229追加)

●中川李枝子・大村百合子「ぐりとぐら」
「東京ガールズブラボー」下巻p119歯医者さんの待合室で、お子さまが読んでます。五冊ほどシリーズ化されている、絵本の古典ですね。もう一個所、岡崎さん引用してたと思うのですが、失念。pooh)(19991101追加)
私が覚えているのは「ROCK」P.3。チビロックが読んでいた。(tach)(19991101追加)
「pink」p25、ケイコの読んでいるのは「ぐりとぐら」ですね。(pooh)(19991116追加)
「くちびるから散弾銃」のサカエが生涯に最後まで読み通したことが出来たたった3冊の本は「白雪姫」と「植物図鑑」に「ぐりとぐら」。←合冊本p.88「SAT.18th,June.知性とダ性のめざめ」(tach)(2003.10.30追加)

●山岸凉子「天人唐草」
「万事快調」p32、ゆきちゃんのセリフ「たいしたことじゃない/たいしたことじゃない」、山岸作品「天人唐草」の最後から数えて3ページめの「たいした/ことじゃない/たいした/ことじゃない」の引用かもしれません。可能性は薄いと思いますが、<おんなのひとが自身について抱く女性らしさのイメージ>を補助線に引いて考えてみると、なんか案外、岡崎さんによる山岸作品の(部分的な)翻案じゃないかなって深読みしちゃいます。どうでしょうね???(えっと、どう説明しても、罪の深いネタばらしになっちゃいそうなので、山岸作品の文脈を紹介するのは、省略しますね。すみません。文芸春秋社が文庫化しています)pooh)(19991111追加)
蛇足です。「天人唐草」は数ある山岸作品の中でもインパクトの強い作品です。作品冒頭の「ギェェ〜」って叫び声、作品が出た当時、私の周辺では真似をするのが流行りました。いや、ホント、悪趣味な遊びですね。(tach)(19991111追加)

●山岸凉子「アラベスク」
「ROCK」だかなんだか忘れたけど、たしか「ユーリ・ミノロフか宗方コーチ」のようなことを言ってるところがありました。本当はミロノフなのに。(とみた)(19991116追加)
「ROCK」p97ですね。ほんとは、ミロノフなのですね、ぜんぜん気づかなかった。(pooh)(19991116追加)

●岩館真理子
「くちびるから散弾銃」p89、岩館さんの「まるでシャボン」について、こうおしゃべりしてます。「泣けたよね。マリコセンセに一生ついてこと思った。」(ところで、このセリフって、3人のうちの誰の発言か分からないように、描かれてますよね。どうしてなのかな?)
同じく「くちびるから散弾銃」p196で、ミヤちゃんの読んでいる本「私が人魚」ていうのは、岩館真理子「わたしが人魚になった日」ではないでしょうか?
どちらも、集英社マーガレット・コミックスで読めます。
pooh)(19991111追加)

●コンタロウ「1・2のアッホ」集英社ジャンプコミックス
「東京マドモアゼル劇場 第2話 恋の八方ふさがり」(「退屈が大好き」収録)、p98でジャンポール・中沢が、読んでます。pooh)(19991111追加)

●川崎のぼる「いなかっぺ大将」
「東京ガールズブラボー」下巻p114の、「わしは絶対大物になるだす!!」のコマって、このまんがからですよね。pooh)(19991111追加)

●魔夜峰央「パタリロ」
「ROCK」p39の、スピカの「眼力」、「パタリロ」のバンコランでしょう。どっちも、ホモセクシュアルですし、眼力の効力も、同性に限られるようですし。眼力って、たしか「パタリロ」20巻くらいに出てきたような?未確認です、すみません。(pooh)(19991116追加)

●桜沢エリカ「わたしに優しい夜」
「ROCK」の脇役、男デルモの「ケン一」くん(初登場p110?)、「わたしに優しい夜」に出てくる、やさしいやさしいゲイ「ノブくん」に酷似してるよな気がします。ヘア・スタイルも、おんなのこになりたい性癖も共通してますし、なにしろ二人ともやさしいひとです。岡崎も、桜沢も、主人公のおんなのこと、ゲイのおとこのこ(?)とを、屋上でだらだらさせてますしね。(岡崎p138、桜沢p90)あ、岡崎は連載1989年1月−1990年9月、桜沢は1989年−1990年6月。 で、屋上のシーンは、岡崎1990年7月?、桜沢1990年5月。岡崎ケン一くん初登場は、1990年4月?、桜沢ノブくんは出ずっぱり。???よくわかんないですね。いかがでしょうか??? あ、手塚マンガに「ケン一」ってキャラいましたっけ? 「ロック」中、名前に漢字の混じるキャラって、「ケン一」くんだけのような気がしますし。どうなんでしょうねえ。引用したのか、されたのか、あるいは二人して示しあわせたのか。???です。(pooh)(19991116追加)
ケン一てのは、手塚の殆どの初期作品で主役を張ってるキャラ…出てるのはロストワールド、メトロポリス、地底国の怪人(これはジョンくんという名前で出てる)、アトム、魔法屋敷、ケン一探偵長、月世界紳士、ふしぎ旅行記、以下多数。(陽水)(20010222追加)

●萩尾望都「雪の子」
「恋愛依存症」 KARTE.3 p205、死にたいフリするヨシオのセリフ(雪の日は)「死ぬのには/うってつけ/の日だよ」、萩尾望都さんの「雪の子」を思い起こします。雪の朝に自殺するエミールのセリフ「雪はぼくにとって神聖な死の使者だ」、「死ぬためには雪がいるね つもって降ってなけりゃならない」、「そう・・・たぶん早朝だね 雪が降って世界が真冬の死におおわれて白い・・・・・・」などなど。この萩尾作品は、小学館の萩尾望都作品集第1期、第1巻「ビアンカ」に収録されています。昔の小学館文庫「11月のギムナジウム」にも収められていました。(トレイド・マークがナマズで、表紙イラストの不気味な、変な叢書でしたね。)(pooh)(19991117追加)

●萩尾望都「エッグ・スタンド」
“何もかも極端なところで結びつくって本当かしら?” というのがありましたよね。 小田)
どの岡崎作品のどの部分のことなのでしょうか?tach
「エンド・オブ・ザ・ワールド」(p46)じゃないですかラミ犬)(20010719追加)

●萩尾望都「トーマの心臓」
「愛の生活」第2話 三太の質問に桜田(兄)が感電してしまう。三太の独白「思うんだけど人間てさわってほしくないモノふれられたくないコトにふれられると電気を出すんだ」
「トーマの心臓」冒頭部分(文庫でP.28)オスカーにからかわれたユーリが「ビリッ」となって、オスカーの独白なにかで彼の気にさわるとからだ中から青い火花が散る
ラミ犬)(20010731追加)

●奥平イラ(衣良)
1970年代末から80年代初めにかけて、ひさうちみちお等と並んで注目を集めたコミック界のニューウェーブ派。作品集「モダン・ラヴァーズ」(けいせい出版1980.11.10)、「地図と記号」(JICC出版局1982.12.15)等。現在は漫画家を廃業し、デザイン事務所の社長業に専念。といってもただのデザイン事務所ではなく、デジタル・コンテンツ作成を志向しているらしい。いかにも奥平イラらしい先端ぶり…だが、何だか惜しい。やっぱ、漫画家として好きだったからなぁ。大胆に省略されたスタイリッシュな絵柄とポップ・ミュージックへの傾倒は岡崎のスタイルに大きな影響を与えた…と言うより、岡崎の最初期はもろに模倣だと断言してもいい。誰もそのことを指摘しないのかしらと思ってたら、単行本デビュー当時の雑誌インタビューで本人が認めてました。作品としては「SCREEN-SINGLE BED」がモロにパクり。その他には「No Future Boy No Future Girl」あたりが、画風(特に表紙)とテーマ(音楽)にその影響が色濃く出ている例の一つ。(19991230新規追加、2000.01.06/2001.01.10改訂)

●吉田秋生「河よりも長くゆるやかに」
実は相当影響されているのではないかという気がするのですが、迷いました。
  1. 「pink」のユミちゃんが継母に会って生活費を受け取ることろは、「河よりも〜」でトシちゃんが毎月父親に会っているという設定を思い出させます。気のせいかなあ。(minari)
  2. ううん、難しいです。別居している親に会って生活費をもらうという設定は、離婚がらみの話には良くあるシーンなので、特に吉田秋生の引用であると断定してしまっていいものかどうか… ただ、「河よりも…」が岡崎作品に影響を与えている気配はかなり濃厚ですよね。例えば、私も、トシちゃんとあのおっかないお姉さんの関係は「ジオラマボーイ、パノラマガール」の神奈川建一君とお姉さんの関係に影響を与えているような気がするのですけど、今ひとつ決め手がないような気がして、事例集に入れる踏ん切りが着きません。(tach)
  3. 「愛の生活」の最初に引用されてる「ざんげの値打ちもない」…吉田秋生も「河よりも長くゆるやかに」で引用してますが、彼女の世代ならわかる。でも、岡崎がよく知ってたな。とみた
…と、いうわけで、これだけ例があると、状況証拠的に「引用だ!」と断言してもいいような気がしてくる。(tach)(20000216追加)
ちなみに、吉田秋生は「バナナフィッシュ」で大友克洋の「童夢」をパクってる(とみた)そうです。これも状況証拠と言えなくもないような…(20000216追加)

●漫画☆太郎「まんゆうき」
今、ひとん家でやってるので資料がなくてあれなんですが、主人公の弟が「まんゆうき」を読んでいたのはどの作品だったでしょう?なべお
「私は貴兄のオモチャなの」に登場します。ポチの弟が手に持っていて、「ジャンプ読む?くす(はあと)」とポチに言います。(書き文字) この作品は特に大好きで、ついでに漫☆画太郎も好きなので(笑)、ばっちり覚えていました。やぎ
(以上20001005追加)

●小林よしのり「おぼっちゃまくん」
「くちびるから散弾銃」DATE25 Mon. 21st, Aug「カオルと結婚したいの」(合冊本202ページ)で、「おぼっちゃまくんの始まる時間だー」「見よ見よ」みたいな会話があった・・・と思います。TV放映はテレビ朝日系列で89〜92年。けっこう面白かった。 びんぼっちゃまくんの服が前半分しかなくて、後ろがお尻丸見えでしたよね〜。minari)(20001027追加)

●クレパックス
『ヘルター・スケルター』の第一話と思われる回の扉絵が雑誌SWITCH(2000/1)の岡崎特集に小さく載ってます。これを見たとき、クレパックスのタッチをマネてるなーと思いました。クレパックスは『ヴァレンティーナ』や『O嬢の物語』のコミック化で有名なイタリアのアーティストです。(korosuke)(20020612追加)
ヴァレンティーナヘルタースケルター from TINAMIXうたかたの日々 from featuring OKAZAKI KYOKO
言われてみればそっくりです。「うたかたの日々」もそう。「ヴァレンティーナ」は結構古い作品で60年代からぼちぼち描かれていたようです。僕も子供の頃に雑誌の紹介記事を見て「なんてカッコのいい絵なんだろう」と感嘆した覚えがあります。1995年に翻訳が出て(1995.09.30発行フィクション・インク、発売河出書房新社)ようやく日本語で中身を読めたのですが…日本の漫画を読み慣れた目には、正直言って、ひどく幼稚な作品であるように見えてしまったのです、絵はすごいんだけど…やっぱり漫画は絵だけじゃない…ううん、偏狭なナショナリズム?(tach)(20020612追加)

●小林じんこ「風呂上がりの夜空に」
「くちびるから散弾銃」第7話「WED.20th,Jan.「風呂上がりの大空に」(合冊本p.47)。題名は、当時(1985〜1987頃)「ヤングマガジン」に連載されていた人気作品、小林じんこ「風呂上がりの夜空に」からか?(tach)(20031102追加)


岡崎京子の4コマ好奇心
- 漫画編 -

「anan」1989.2.20〜1990.10.15連載

●大島弓子「ダイエット」
最近手にした大島弓子さんの新刊「ダイエット」は一度はダイエットを試みたことのある人必読の一冊。ダイエットっていかにヒステリックな行為かということがよくわかる。

●「サザエさん」
私はサザエさんのファンだが色々ナゾがある。「フネを高齢出産にむかわせたものは?」とか。あの中川比佐子嬢すらサザエさんファンだ。

●杉浦茂
「ヴィサージュ」という雑誌のエキゾチック特集を読んでいたら大好きな漫画家の杉浦茂おじ様が大の”ベストテン好き”と知って嬉しくなった。私もよくやる。

以上岡崎京子の4コマ好奇心10項目(しまん)(20000426追加)

重要なお知らせ
音楽関係の引用・言及に関しては、池田さんが「岡崎京子の音楽趣味を解析する試み」と題する素晴らしいターム集をご自身のサイトで公開なさっているので、是非、そちらもご参照ください。簡潔にして要点を押さえたコメントが光る労作です。必読! なお、本引用集とダブる項目については「bbiw」印をつけてリンクを張っておきました。(20010102追記)

小沢健二bbiw小山田圭吾bbiwフリッパーズ・ギターbbiw

岡崎は音楽を空気のように呼吸していた人のようです。
ところが、ポップス関係は、映画関係と共に、私の苦手とするところ。完全に他力本願で作成した部分です。改めて、皆さん、ありがとうございます。
蛇足ですが、小沢健二は世界に活躍する日本人指揮者小沢征爾の甥っ子で、小山田圭吾はインターネット・ビジネスの若き旗手伊藤穣一の従兄弟。

●アニエス番長あらためA・P・C番長こと大山田健三
「girl of the year」(短編集「チワワちゃん」収録)に登場。
「アニエス番長」って、 小山田が、フリッパーズとコーネリアスの間の時期に、 小野島大編集「Parade」とかいうミニコミ誌でやってた石野卓球との連載で、名乗ってた肩書き。(渋谷
「大山田健三」は,じつは「健三」より「大山田」のほうに比重がかかってます。絵を見ても小山田のほうに似てますし,当時都内某所の中目黒にある小山田の事務所の階下にA・P・Cの店がオープン。晄晏
「APC」とは、服のブティックの名前です。「agnis.b(アニエス・ベー)」と並んで、なんつーか、フレンチ・カジュアルの定番てゆーか、オリーブ少女御用達ってゆーか、フランスの無印良品みたいなもん? アニエスはもう日本でもダイブ大衆化しましたが、APCはまだそんなにショップが日本にはないので、「アニエス改めAPC番長」ってことになったのでしょうか?渋谷
1.大山田健三って、小山田圭吾とサエキケンゾウをたしてるんじゃないんですか? サエキケンゾウって佐伯健三っていう字書くし。東京ガールズブラボーでハルメンズの名前出てきたし、ジオラマボーイパノラマガールはハルメンズのボ・ク・ラ パノラマからきてるみたいだし。(ちかりん)
2.ちかりんさん、それ、私のホームページに転載してよろしいでしょうか?「岡崎京子による引用・言及事例集」と言うページを作ってます。大山田健三については「小山田」圭悟+小沢「健二」だという説に従っていましたが、ちかりんさんの説も有りだと思う。(tach)
3.ちかりんさん、設定が「東大進学率〜%」となっていたので、小沢君の様な気がするのですが・・・。サエキケンゾウって「東大卒」なのかな?(無知でゴメンナサイ)(念の為)敵意はないです。(コーネリ君)
4.コーネリ君。サエキケンゾウって東大かどうかは分からないんだけど…(中略)…あ、そうだ、きっと小山田+オザケン+さえきけんぞう=大山田健三だ。あれ、じゃあ小山田健三でもいいか? たぶん岡崎さんは「みんなどう思うんだろう」ってニヤニヤしながらこれ書いてたんじゃないかと思う。してやられたのかな?私。みなさんはどう推理します?(ちかりん)
5.こういう問題は、たとえ作者に真意を問いただしたとしても、「絶対に正しい答え」にたどり着けるとは限らないと思います。作者だって「潜在意識」に操られてる部分があるかもしれないです。(tach)
6.でもさー、大山田健三って光和学園っちゅう和光のパクリの学校に通ってんだから、やっぱパーフリの二人だけでいいんじゃないっすか?ってーのが私の意見。(カガ)
7.サエキケンゾウは、かぶってるだけっぽいよね。どっちかっつうと、オヤマダ派です。やや、優勢?(yuzo)
8.カガさん、僕も同じ印象です。小山田中心な感じですけど。(この犬)
9.よく考えるとというか・・・ みなさん、すいません。サエキケンゾウ説はかなり思い付きでした。最近ハルメンズ聞きまくりだし。そういえば・・・と思って書きこんだんですけど、ゆくゆく考えるとやっぱりおやまにゃとオザケンですね。でも漢字に直すとどうしてもサエキケンゾウ氏を思い出してしまいます。(ちかりん)
10.そうかもしれない。皆さんの書込を読む内に私も9割方「小山田+オザケン」だなと言う気になってきました。でも、「引用・言及事例集」としては諸説紛々としていた方が面白いので両論併記で行きたいと思います。(tach)
11.いや。大山田健三にはサエキが絶対混じってる。(氛)
12.氛さま。そうかもしれない(笑)。私も諸説紛々が好きです。[「事例集」には]「岡崎ファンを二分する激しい論争が果てることなく続いている」と言う脚注を付けることにします。(tach)
13.諸説紛々。チワワちゃん(作品の方)みたいに色んな視線が存在しない真実を照らすのは好きです。その脚注、笑いました。かなり、滅茶苦茶。(この犬)
14.大山田健三は、小山田君の「外見」と「カリスマ」、小沢君の「知性」を持つキャラクターであることは周知のことと思われます。ここまで来ると、「サエキは必要か不要か?」ということになるのでしょう。ところで、「サエキ的要素」とは何なのでしょう? 僕の知る限り、大山田君にその要素は無いと思います。(少し不安)←あったら教えて!「健一」ではなく「健三」と命名する際に、岡崎さんの「潜在的サエキ意識」が働いたのではないかと思います。如何でしょうか?(コーネリ君)(1−16.星野氏の岡崎掲示板より1999.08.01転載)

●日の出橋
「チワワちゃん」の冒頭(p.126)に登場。「日の出橋」は,中目黒に実在します。マンガで描かれてる高架をくぐってまっすぐ歩いていくと,左手にA・P・Cが現れます。晄晏
と言うことは、このA・P・Cの上の階が小山田の事務所ってことか?(tach)

●山田一郎
と、言うことは、「リバーズ・エッジ」の変態大魔王山田一郎君も小山田圭吾だな。(tach)

●フリッパーズ再結成
「チョコレートマーブルちゃん」(短編集「チワワちゃん」52ページ)。「私の夢は、大金持ちになってフリッパーズギターを 再結成させて私だけのためにライブさせる」とか屋上で叫ぶシーン があったと思いますが、ほとんど僕のことで、泣き笑いしてしまいます。渋谷

●小沢健二セカンド・アルバム「ライフ」
オザケンのセカンド・アルバム「ライフ」(1994年)には、「愛し愛されて生きるのさ」、「ラブリー」、「ドアをノックするのは誰だ」、「今夜はブギーバック」と岡崎の世界に通じる曲がたくさん入っています。小沢の作品には洋楽などからの引用がたくさんあって、そういう点でも岡崎との共通点を感じます。また小沢には「ぼくは彼女(岡崎)の王子様だから」というような発言があるみたいです。(中山)

●小沢健二「愛し愛されて生きるのさ」
「恋愛依存症 KARTE.2」(短編集「Untitled」184ページ)自殺を試みて幽体離脱した主人公が電柱の天辺に立ってつぶやく。「あたしは愛し愛されたかっただけなのに」タイトルであり歌詞でもあります。ついでですが、オザケンのこの曲はゴダイゴの「銀河鉄道999」のパクリかもといわれてます(笑)…ただしこのことば、「危険な二人」ほかたくさんの岡崎作品に見られますので、オザケンが先というわけではないと思います。相互影響的に見えます。(中山)

●小沢健二「ドアをノックするのは誰だ」
「万事快調」(短編集「Untitled」109ページ)で末っ子に女の子から電話がかかってきたのに、「なんかおれの心のドアをノックしないんだよな」。これは「ドアをノックするのは誰だ」です。オザケンの歌詞はすばらしいですね。あの声と、曲がパクリなのとには嫌悪感ある人も多いですが。この「ドアをノックするのは誰だ」に至っては、ジャクソン5に全くクリソツどころかカラオケかぁ?って曲があります。(中山)

●小沢健二「今夜はブギーバック」
1.「でっかい恋のメロディー」レンタル屋にいってオザケンのセカンド「ライフ」を借りてみてください。最初の曲が「愛し愛されて生きるのさ」二曲目が「ラブリー」五曲目だっけが「ドアをノックするのは誰だ」その次が「今夜はブギーバック」です。この曲にはスチャダラパーが「メモれコピれ、メクマンネー(make money)」とラップするくだりがある。このせりふを「でっかい恋のメロディー」(短編集「私は貴兄のオモチャなの」P30)で教師がしゃべってるコマがある。(中山)
2.「エンド・オブ・ザ・ワールド」の「あとがき」でも「メモれ。コピれ。make money」って清岡卓美嬢が突っ込みを入れてました。(tach)

●小沢健二「おやすみなさい、仔猫ちゃん!」
「好き?好き?大好き?」p176、「おやすみなさい、小猫ちゃん」と、あります。小沢『ライフ』6曲目におさめられた曲のタイトルです。pooh)(19991229追加)

●フリッパーズ・ギター 「恋とマシンガン」
「危険な二人」p19で、TV画面に映っている二人組は「ダバタダバタ」って歌ってますね。これはパーフリの2枚目のアルバム『カメラ・トーク』のなかの一曲、「恋とマシンガン」だと思います。このほかにも、同書中に何個所か、パーフリ(の解散)について言及されてますね。pooh)(19991028追加)

●フリッパーズ・ギター「ラブ・アンド・ドリーム ふたたび」
TAKE IT EASY巻末の脱力マンガ「ドはドーナツのド」 フリッパーズの「ラブ・アンド・ドリーム ふたたび」(正確な年分からないけど1992年以前)に
   あやふやで/見栄ばかり張る/僕たちのドーナツトーク
って一節が出てくるので、引用とは違うけどインスパイアではあったかな、って気はします。
イケダ)(20040115追加)

参考▲パチ・パチ読本1991年5号フリッパーズの解散に伴う緊急特集
パチ・パチ読本(今も存在するのかどうかは知りません)の1991年5号でフリッパーズの解散に伴う緊急特集が組まれ、そこに岡崎さんも寄稿されていました。この記事は各界の人々(60人ぐらい)の証言によって構成されたもので、今読むとかなり豪華な顔ぶれです。漫画界からは他によしもとよしとも氏やいしかわじゅん氏、やまだないと氏、江口寿史氏、しりあがり寿氏などなどなど。ひなた)(20000501追加)


その他音楽関係一般

●カステラbbiw「孫」bbiw(アルバム「100時間連続」収録)
「ハッピィ・ハウス」のエンディング「たくさん子供や孫をつくって世界中を『マツダ』でうめつくそう」とかいうような決め台詞は歌詞そのまんまです。(枡野、G太)

●トモくん=大木知之
「くちびるから散弾銃」下巻83ページ(合冊本では219ページ)の「あたしとしてはカステラのトモくんみたいな若いコにキタイしちゃうな」、当時「カステラ」のボーカル。どうも小沢君の前の京子さんのアイドル? 現在は「トモフスキー」としてソロ活動。彼の曲がカステラ時代の日常的な外に向かう物から、現在の内面に向かう物にかわっていく経緯に、ちょっと岡崎さんと似た物を感じています。(同時代性、かな。)知之氏とは…ニアミスしています。私が大学3年の時体育(トランポリン)の授業が一緒でした。うちんとこ(早稲田)は、体育では希望する科目に学部関係なく入れる方式なので、商学部2年の知之氏と政経3年の私が同じ授業だったわけです。3年女子ただ一人だった私は男子に声援もらってましたが(笑)その中に金髪が一人いたと思います。まめちゃん)(20000406追加)

●カステラ「デートデートデート」
「カトゥーンズ」の3話目、「デートデートデート」というサブタイトルは、「くちびるから散弾銃」でも出てくるカステラ(のトモ君として出ていましたね)のセカンドアルバム「鳥」の13曲目「デートデートデート」からの引用ではないかと…「鳥」が出たのは90年5月なので、cartoonsの連載された時期('90・7月〜)と照らし合わせても丁度いい感じじゃないですか? 『デートデートデート/デートをしようよ/12時半にまちあわせて』から始まる台詞(じゃなくって…何て言うのでしょう?)のリズムもカステラの歌詞と似ていると思うのですが…更に、同じくcartoonsの10話に出てくる「ハル君」というのも、カステラのトモ君の双子の弟・大木温之(ハルユキ/当時theピーズ)かしら、と思ってしまうのは考え過ぎでしょうか?ゆきな)(20000627追加)

●A.K.I.
「girl of the year」(短編集「チワワちゃん」収録、p.109 下のコマ右端)に登場。ラッパー。
世界でいちばん岡崎せんせいをよく知る人物。晄晏
AKI(エーケーアイ)を取り急ぎ説明すると、本当は、日本の太ったヒップ・ホップのラッパー。でも文章とか書いております。(今だと「Bar−f−out(バァフアウト)」って音楽雑誌で連載してます)渋谷
ちなみに「Bar−f−out(バァフアウト)」の出版元、倒産したようです。有隣堂横浜ルミネ店に張り紙がしてありました。故に「Bar−f−out(バァフアウト)」も廃刊か?(tach)←これ、結局ガセでした。倒産した出版社(光琳社)とは無関係なようで、その後、同じ本屋に行ってみると、「Bar−f−out」のところは線で引っ張って消してありました。お詫びして訂正申し上げます。(tach)(19990901追加)

●A.K.I.その2
「リバーズ・エッジ」p.89 落書きの「今日からおまえも大衆だ」。これって、「A.K.I.」の曲でありましたよね。(pooh)(19991005追加)

トーキョー・ナンバーワン・ソウルセットのビッケ
「クレア」の連載「女のけものみち」オザケン大好きだった岡崎先生、あるときからトーキョー・ナンバーワン・ソウルセットのビッケ大好きに変ぼうしましたね、「クレア」の連載とかで。ビッケのリリックはすばらしいが、三島由紀夫のイメージをかなり拝借しているようです。枡野

ハルメンズbbiw(ニューウェーブ)「僕ラ・パノラマ」bbiw
「ジオラマボーイ、パノラマガール」題名に転用。(晄晏
→参考:津田沼「パルコ」(20000413追加)

さいとうみわこ「Winter Wink」のジャケット
「ジオラマボーイ、パノラマガール」Scene 27 扉絵の「paper crown」をかぶった王子・王女。
その前年さいとうみわこがインディーズから出した12インチシングルレコード「Winter Wink」のジャケットを岡崎せんせいが描いてました。そのジャケットの人物も同様に冠をつけてました。このレコードは,曲もさることながら,ジャケット画も美しかったので,ぼくはその旨を某ミニコミ誌に書きました。でもそのとき,その冠がなんだか分からなかったので,たしかティアラと書いたように思います。 そしたら『ジオラマ』で「paper crown」と書いてあったので,ああそうだったのかとぼくは納得しました。レヴューへの岡崎せんせいの返答であるというつもりはさらさらありませんが,ここをそういうふうに読んでるのはぼくひとりだと思います。晄晏

リアルフィッシュbbiwの矢口博康bbiw
「東京ガールズブラボー」あのなかでいちばん好きなのは主人公が指を組んで「矢口クンのサックスてステキ」というところです。きっと「ガムラン・ホッパー」かなんかを聞いてるんだろうと思います。晄晏

蓮実重臣(「パシフィック231」)
「恋はエスプリ」(短編集「ボーイフレンドイズベター」P102)。蓮實重彦のご子息ですな。ミュージシャンです。「パシフィック231」というユニットとして有名。テイトウワや細野晴臣と一緒に仕事してます。イノウエ)(19990731新規追加)
詳しくは「●実在の人物」参照のこと。(tach)(19990731新規追加)
尚、蓮実重臣オフィシャルページはこちら:http://www.tsunamipacific.com/(tach)(20000613新規追加)

戸川純bbiw「諦念プシガンガ」
「リバーズ・エッジ」p74、「空のかなたに浮かぶのは雲」。戸川純の「諦念プシガンガ」の出だしです。あーん思い出したら懐かしいっす。星野)(19990731新規追加)

戸川純「好き好き大好き」bbiw
「虹の彼方に」Part4表題「愛してるって言わなきゃ殺す」(p.65)というのは、戸川純、「好き好き大好き」の歌詞から取ったんじゃないかという事。ガールズブラボーで、ゲルニカbbiw(戸川純がやっていたレトロコンセプトなバンド)のつばきはうすデビューの事にも触れてるし、オカザキさんは結構な戸川ファンだったのではないかと思うのですがどうかな?? 実は「好き好き大嫌い」も、戸川→R.D.レインなんじゃないかと思ってたんだけど。niko)(2000.01.09新規追加)
女史の「好き好き大好き」へ至る経緯として、「スネークマンショーbbiw/愛の匂い」も捨てがたいな、と。ジムノペディをバックに伊武雅刀bbiwと鵜飼るみ子が「好き」を「嫌い」と言い換えて朗読してる感じなんですが。なんにせよ、どちらも聴いてたでしょうね、きっと。池田)(2000.01.10新規追加)

戸川純「好き好き大好き」「玉姫様」bbiw
「くちびるから散弾銃'96」のラスト2ページ目、ネーム中の「遅咲きガールbbiw(「好き好き大好き」収録)の狂い咲き」「ドトーのレンアイ(怒濤の恋愛・「玉姫様」収録)」もそうですね。サカエの変化→戸川純から小沢健二って考察するには面白いのかも。池田)(2000.01.10新規追加)

戸川純
結構岡崎作品に登場してるんですよね。
1)
「東京ガールズブラボー」第二話(上巻15頁)には「チカちゃんや戸川さんみたくステキな人はどこにいるの?」って出て来るし、
2)第二十二話の扉絵(下巻113頁)、ランドセルのおんなのこは、ソロ時代の戸川純ちゃんがステージで「電車でGO!」bbiwとか歌ってる時にしてたカッコ。この扉の子も「ロリィタでGO!」って言ってるし。
3)単行本下巻の浅田彰氏との対談の中にも名前が挙がっていますね。(下巻171頁)
4)「くちびるから散弾銃」にもちょっと登場しました。
5)確か、池田さんが紹介してくださってた岡崎さんのインタヴュー(「岡崎京子のバージンください」「スタジオ・ボイス」1985年11月号)のなかで、〈戸川と丸尾の影響を引きずって戦争の直後モノやりたい〉っておっしゃってたような…(中略)…私はリアルタイムで見てたわけではないですが、80年代初頭の空気を共有してた感じって、大きかったんですかね。ミチル)(2000.01.13新規追加)

戸川純「バーバラセクサロイド」
確かむかーしの作品に「お風呂が好きだからソープ嬢になった」女の子いましたよね…(中略)…彼女の源氏名がバーバラでしたが、戸川純ちゃんの歌に「バーバラセクサロイド」てのがありまして、アナタのためならなんでもしてあげるわ〜てな歌詞でした。マンガを読んで、ここもきっと純ちゃんからだわー、と思って読んだことを思い出しました。ロータス)(2001.01.13新規追加)
「ねぇ、宇宙って膨張するのかな」に出てくる「寺岡さん」のことですね。「バーバラ寺岡」ってアイドルだかモデルだかが昔いたような気がします。調べてみたらこんな人が見つかりました。多分本人だと思う。岡崎京子ってやっぱりイジワルだと思います。(tach)(2001.01.13追加)

Sonic Youthbbiw アルバム「goo」
「エンド・オブ・ザ・ワールド」 あとがきにもあるので皆さんとっくにご存じと思いますが、親を殺して車で逃げるというモチーフはSonic Youthのアルバム「goo」から取られています。ジャケにグラサンの男の子と女の子の絵、そして
I STOLE MY SISTER'S BOY FRIEND.
IT WAS ALL WHIRLWIND, HEAT, AND FLASH.
WITHIN A WEEK WE KILLED MY PARENTS AND HIT THE ROAD.
と書いてあります。ネタ元では姉さんのBFを寝取ったという設定なんですねえ。S.Y.といえば、パーフリの「ヘッド博士」中にも一部そっくりパクった曲ありましたね。確か「Quiz Master」。
(minari)(19990914追加)

Sonic Youth アルバム「Dirty」
1.「ひまわり」p102で、純一くんが着てる服の絵ってソニックユースのアルバム『Dirty』のジャケですよね。フセ)(20000508追加)
2.「愛の生活」の桜田(妹)も70ページで『ダーティ』のTシャツを着ています。it)(20000508追加)

●モーマスのアルバム『ヒポポタモーマス』
「愛の生活」73ページから77ページではモーマスのアルバム『ヒポポタモーマス』のTシャツを着ています。そういえばモーマスは97年のアルバム『ピンポン』のなかにはいってるAnthem Of Shibuyaという曲でArchgram and Hinano/Kyoko Okazaki/Keigo Oyamada/The magnificent Bruce Lee/My electric organ/Plays this little tune/The anthem of shibuya/Tokyo,Japanとうたったいます。ちなみにモーマスはイギリスのインディー系のシンガーで、日本でしか人気がなかったりするひとです。小山田君がファンだったり、カヒミ・カリイに曲を提供したりしています。しかし、岡崎京子が渋谷系か?it)(20000508追加)

●近田春夫bbiwとビブラストーン、ビブラトーンズ
「東京ガールズブラボー」上巻、第2章のタイトルは、「ビブラストーン」じゃなくて「ビブラトーン」だったあの頃。
「ハッピィ・ハウス」第16話「調子悪くて当たり前」、ビブラストーンのアルバム『エントロピー・プロダクションズ』のなかの一曲に「調子悪くてあたりまえ」ってのがあります。
(おまけ。朝日ジャーナル連載「オカザキジャーナル」第29回 1991年8月2日号では、岡崎による近田春夫インタビュウが行われてます。)
pooh)(19991028追加)

●藤圭子「圭子の夢は夜ひらく」
「危険な二人」p31 カラオケでセーコが歌ってます。「どーさきゃ/いいのさ/こーの私ー /ユメはヨルひらくー」
「ハッピィ・ハウス」上巻 p92 るみ子も歌ってます。「15、16、17とおー/あたしの人生暗かったー/ユメは夜ひらくー」
朝日ジャーナルに連載してた「岡崎ジャーナル」第68回(最終回)1992年5月29日号掲載でも、この曲について言及してます。「これから女の子でハヤルのは(略)『暗い目を[一字ママ]した』とかゆうものではないかとふんでいます。」、「15、16、17とおー私の人生くらかったー」
pooh)(19991028追加)

●「僕は特急の機関手で(東海道編)」
「リバーズ・エッジ」p82、ほら吹きタカハシ君最初の登場シーンでタカハシ君のお友達が夜釣りをしながら口ずさむおとぼけクラシカル歌謡曲のその1。
「ぼくは/特急の機関手でぇ/可愛い娘が駅ごとにィ/いるけど/3分テイシャでは/キスするヒマさえ/ありません」
この曲は、『日本の流行歌史大系歌詞総録 ビクター編』ダイセル化学株式会社平成2年によれば、曲名「僕は特急の機関手で(東海道編)」、作詞作曲三木鶏朗、歌 轟夕起子 浪岡惣一郎 三木鶏朗 服部富子 日本ビクター合唱団…「冗談音楽」とカテゴライズされてます。
pooh)(19991101追加)

●和田弘とマヒナスターズ「お座敷小唄」
「リバーズ・エッジ」p214、ほら吹きタカハシ君2度目の登場シーンでタカハシ君のお友達が夜釣りをしながら口ずさむおとぼけクラシカル歌謡曲のその2。1964年に「和田弘とマヒナスターズ」が大ヒットさせ300万枚の売上を記録。(tach)(19991101新規追加)
「マヒナスターズのリード・ボーカルの人が小山田くんのお父さん。」らしいです。pooh)(19991101追加)
武田百合子さんの『富士日記』中央公論社 1977の、p20で、武田泰淳らといっしょの席で、石屋の社長さんが歌っています。pooh)(19991101追加)

●守屋浩「僕は泣いちっち」
「Over The Rainbow 虹の彼方に」p81の、みかの歌「ぼ−くは/泣いっちっち/あ−の人は/行っちっち」、「僕は泣いちっち」ですね。歌は守屋浩、作曲は浜口庫之助。pooh)(19991101追加)

●「ウサギのダンス」
「でっかい恋のメロディー」のp8とp44(及び「カトゥーンズ」p147)に、「たらった/たったったった/うさぎのダンスー」
野口雨情作詞・中山晋平作曲の童謡が出典で何の問題もないと思っていたら…
現代詩文庫101『松浦寿輝詩集』思潮社 p35にある詩編です。
松浦さんは、現代詩のジャンルでは、吉岡実・西脇順一郎、映画評論のジャンルでは、蓮実重彦、の血を濃厚に受け継いでいると思います。東京大学のせんせです。著書では、イメージ作用の構造と歴史性を論じた『平面論』岩波書店、前書の具体例としてエッフェル塔を取り上げ、<モダン>の特質を掬いあげようとする試み『エッフェル塔試論』ちくま(多分)、大人のための童話『ウサギの本』ちくま(多分)など。
�@語彙と名前。岡崎「Merody」p20の「ハスミ」、p17の「エクリチュール」、「WHAT IS REAL」という問い、これらは、みな松浦の影響圏にある(ありうる)ことばだといってよいとおもいます。「エクリチュール」は、文芸用語。テクスト論のロラン・バルト、?のジャック・デリダなどの主要(?)概念。松浦はかれらの思考を援用し、また翻訳もしています。「WHAT IS REAL」、ハスミや松浦と、問題設定においても共通してはいませんでしょうか。(証明は省略させてください、手に余ります。)
�Aテーマ論的な関係。「ウサギのダンス」と「動物になること」 詩編「ウサギのダンス」、岡崎p43のまりのセリフ「お兄ーちゃんも/どうぶつに/なりなさい」、この両者は、<動物になること>というテーマを共有しています。背景にひとつの論文を挙げることができます。ドゥルーズ・ガタリの『ミル・プラトー』収録の、「1730年 強度になること、動物になること、知覚しえぬものになること」です。松浦は、『口唇論』でしきりにドゥルーズを引用しましたし、岡崎も、雑誌「文芸」1994年秋号の『ミル・プラトー』翻訳完成記念の特集で「愉快の速度」なるエッセイを書いています。岡崎は別に、現代思想総特集『ゴダールの神話』でも、<動物になること>と<かくこと>についてマンガで言及(形容矛盾?)してます
pooh)(19991101追加)
…と、いうわけで、ううぅ〜ん、松浦経由の引用である可能性は否定できず。(tach)

●ローザルクセンブルクbbiw「デリックさん物語」bbiw
「くちびるから散弾銃」(合冊版P180、旧二巻本下巻P46)の中でサカエが「ウーラカラカラカ、ウーラカラカ、3年踊って〜」ってな歌を歌う場面があったと思うのです。たしかコマの外にも書いてあったと思いますが、あの曲は、ボ・ガンボスのどんとがボ・ガンボスの前にやっていたバンド、ローザルクセンブルクの「デリックさん物語」という曲です。自主制作でCDが出ているはずです。タイトルはちょっとわからないのですが。調べてわかったらまたお知らせします。mari)(19991101新規追加)
ローザの「デリックさん物語」はセカンドアルバム「ローザルクセンブルグII」(1986年)です。岡崎がなんでローザ?と思ったりしますが、坂本龍一の関係だったMIDIレーベルから出てるし、ローザがデビューしたのもコンテストで審査員が坂本龍一だか矢野顕子だったから、だそうで、そういうニューウェーブつながりかなと想像します。ラミ犬)(19991101新規追加)

●江戸アケミ(「JAGATARA」ボーカル)
「くちびるから散弾銃」合本版p269、DATE33「サヨナラ・ニッポン」に、「さよなら/アケミ」と書かれたポスターがあるのですが、このアケミさんって、JAGATARAの江戸アケミさんでは、ないでしょうか? 「くちびるから散弾銃」連載最終日が、1990年5月で、アケミさんの亡くなったのが、少なくとも1990年3月以前ですから、時期的にも無理はないのでは? ちなみに、JAGATARAの最後(?)のアルバム「そらそれ」には、ミュート・ビートの小玉和文さんが追悼文をしたためてます。pooh)(19991103追加)
私としては苦手の音楽分野なので、蛇足を承知でちょっと補足。関連HPによれば、ステージでの自慰・排泄等の過激なパフォーマンスで有名になったアングラ・インディー系バンド。1979年結成後、「じゃがたらお春」→「財団法人じゃがたら」→「暗黒大陸じゃがたら」→「JAGATARA」と名前を変える。83年には江戸アケミの精神障害から活動を一時休止。90年1月、江戸アケミ死去。1年後にベースのナベが、更に1年後には、サックスの篠田昌巳が次々亡くなる。…なんか凄いッスねぇ、こんなバンドあったんですねぇ、日本にも…(tach)(19991103追加)
その後、大槻ケンヂ「新興宗教オモイデ教」のあとがき(角川書店1993.9.15単行本第5版)に、当時(1980年代初頭?)の「雰囲気」を伝える面白い記述を見つけたので(長いのですが)引用しておきます。
オレが本業であるバンドを始めたのは今から一昔も前、日本のロックがまだまだ商業として成立しなかった頃でした。インディーズなどという言葉もまだなく、アンダーグラウンド的活動をしているミュージシャンの情報は、輸入レコード屋の片隅に置かれたミニコミの、宇宙人の死体写真のように判然としないライヴ写真とライヴレポートぐらいしかありませんでした。
財団法人じゃがたら、スターリンなどというバンド名がそこには並び、ライヴにおける過激さというか、トンデモなさが書かれてありました。
「じゃがたらの江戸アケミ、ライヴ中にカミソリで額を自ら切り半失神!」
「スターリンの遠藤みちろう、豚の頭を客席に投げつけ、さらに殴りかかり大乱闘!」
これは東スポのプロレス記事ではありません。ロックバンドのライヴレポートなんです。
その頃のライヴハウス・シーンというのは、今から思うと全くわけがわからないのですが「なんかデタラメなことやった奴が勝ち」みたいな雰囲気があり、みんな競ってムチャクチャをやっていました。
例えばギズムの横山サケビさんという人はガスバーナーを持ってステージに現れ、お客の鞄を焼いてしまったし、ハナタラシの山塚アイさんは電気カッターで自分の足を数センチも切り、「あの時は痛かった」という名文句を残しました。今は役者として大河ドラマにも出ている田口トモロウさんは、ガガーリンというバンドをやっている時、ステージ中にゲロを吐き、そのことを店の人に注意されると「スイマセン」と謝まり、今度はウンチをしました。
他にもステージに本物の露出狂中年を引っぱり出す奴、ネコを殺す奴、ウサギを殺す奴、ライヴ最中に出前を取る奴、楽器持ってこない奴、ライヴハウスの壁をつき破って、ブルドーザーで乗り込んでくる奴、その他モロモロ……
あの頃って、いったいなんだったんでしょうか。
高校生だったオレはブルブル震えながら、本当に怖かったので、たまにだけど、そういったドグラマグラなライヴを見に行ったり、また、オレもすでに自分のバンドでライヴハウスに出演していたので、対バンとしてそれらの人々を見ていました。
彼らのパフォーマンスは、はた目には奇妙でも、当時のオレにはとてもわかりやすいものに見えました。
彼らは結局、自分の中のリビドーだかトラウマだかなんだかよくわからない、グチャグチャした生ゴミのような、宝石のような、とにかくよくわからないものをさらけ出そうと七転八倒している。オレにはそう見えたんです。
その発露の手段が足を切ったりゲロをはいたりであり、そのことをする最良の場所があの頃のライヴハウスであり、パンク・ロックというジャンルだったのではないでしょうか。
一つの解釈ですが、オレはそう思って彼らを見ていました。
以上、あとがき部分の抜粋ですが、この本、本文も面白かったことを報告しておきます。推薦。(tach)(20010416追加)

●矢野顕子bbiw
「pink」p154には、「いつか王子様が」bbiw、同じく p198には、「ローズ・ガーデン」bbiwが、登場します。二曲とも、矢野さんのアルバム「ただいま」1981からだと思います。
「万事快調」p46、p89で、みっちゃんの歌う「ピヨピヨピヨ/ゆ−めのひよこをかってるも−ん」、この曲は、作詞糸井重里・作曲矢野顕子の「夢のヒヨコ」ですね。ワン・フレーズ引用しちゃいましょう。「コドモはオトナじゃないんですけれど/オトナじゃできないこともする/3000万人コドモがいたら/なんでもできそうなきがするよ/だってコドモはコドモは/夢のヒヨコを飼ってるもん/夢のヒヨコを飼ってるもん/ピヨピヨピピピーヒヨコがぴょん(略)」 矢野さんのアルバム「ELEPHANT HOTEL」1994、ベスト盤「HITOTSUDAKE」1996、それから企画物のオムニバス盤「ポンキッキーズ・メロディ」1995で、聞けます。
(pooh)(19991116追加)
『東京は朝の7時』というと私は矢野顕子の“東京は夜の7時”思い出します。同名のアルバムはかなり好き。でも、今はピチカートのほう連想する人のほうが絶対多いだろうなあ。korosuke)(20020612追加)


●スチャダラパーbbiw
「ひまわり」p99、「ウキャキャキャキャー/エヘッアハッ」、これ「コロコロなるまま」って曲からですね。
もう一個所、「虹の彼方に」p49の、シンちゃんのセリフ「あったかくて/ボーとできるとこ/に行きたいナリ」、これはアルバム「スチャダラ外伝」収録「トラベル・チャンス」という曲の、歌詞(?)「あたたかいところに行きたいナリ」からでしょう。(でもこれって、「キテレツ大百科」が、SDPの元ネタなのかもしれませんね。)
二曲とも、スチャダラパーのアルバム『ポテン・ヒッツ シングル・コレクション』1994でも、聞けます。
(おまけ。「3つ数えろ」p150の「ニントスハッカッカ ヒジリキホッキョッキョ」…(中略)…SDPもラップで引用してます。『ポテン・ヒッツ』収録の「Little Bird Strut」です。)
(pooh)(19991116追加、20010129修正)


●スチャダラパー「今夜はブギーバック」
「girl of the year」p112、「女のコタチ好き−!!と叫び」、これはスチャダラパーのアルバムに収録された「今夜はブギーバック」ラップ部分から、です。 ちなみに、この曲、リミックス・ヴァージョン(上とは別のヴァージョン。多分。)があって、そこでは、小山田圭吾くんが、ヴォーカル(原曲で小沢健二が歌ってる箇所)をとってます。pooh)(19991229追加)

●スチャダラパー「そ・れ・ば・な」
「リバーズ・エッジ」で、観音崎君が自分の髪を「切る?伸ばす?どっちがいい?」と聞いてますよね。スチャダラパーの3rdの曲『そ・れ・ば・な』に同じくだりがあります。フセ)(20000224追加)

●彼方からの手紙
「万事快調」スチャダラパーの「彼方からの手紙」という曲の詞が、「万事快調」で大麻(?)を探しに行く場面とそっくりなのです。山で寝っ転がって「わかったぁ〜」って叫ぶところがありますよね。あの雰囲気。興味あったらスチャダラパー、どうぞ。「ワイルドファンシーアライアンス」というアルバムの最後の曲です。ラミ犬)(20000406追加)
古い古いヒット曲で「カナダからの手紙」っていう意味不明のデュエット曲があったけど…関係ないか…(tach)(20000406追加)

●少年ナイフbbiw「バナナリーフ」bbiw
「東京ガールズブラボー」上巻p145、弱気になったサカエさんが歌うのは、この曲です。「頭に/バナナの/はっぱを/の−せて」 この曲を聞くには、1995年にリリースされたアルバム「山のアッちゃん」が、入手しやすいのでしょうか。このCD、セカンドアルバム(1984年、タイトル同名かな?)の、リ・イシュー盤です。(pooh)(19991116追加)


●スロッビング・グリスル
「東京ガールズブラボー」(上)p61の扉絵は、ノイズでインダストリアルなバンド、スロッビング・グリスル“グレイテスト・ヒッツ”のジャケ写真。すなわちコレ(Korosuke)(19991116追加)

●THE VELVET UNDERGROUND & NICObbiw
「恋人はあなただけ」 ヒロインの吉沢ニコ、名前はTHE VELVET UNDERGROUND & NICOのNICOからでしょうね。NICOはドイツ出身のモデルで、ウォーホルの映画“チェルシーガール”等に出演。吉沢ニコはドイツ人と日本人のハーフのアイドル/モデルで、出したCDのタイトルが“チェルシーボーイ”。あ、ハーフのアイドルとそのステージママって設定は、宮沢りえ母子も入ってますね。(Korosuke)(19991116追加)

●Lou Reed“Walk On The Wild Side”
「カトゥーンズ」第22話“Walk On The Wild Side”ってのは、Lou Reed畢生の名曲のタイトルです。Lou ReedはTHE VELVET UNDERGROUNDの中心人物。そういえばギブスンも彼のファンだという話。(Korosuke)(19991116追加)

●トーキングヘッズbbiw「ガールフレンド・イズ・ベター」bbiw
短編集「ボーイフレンド is ベター」へ転用(晄晏

トーキング・ヘッズ『ストップ・メイキング・センス』bbiw
「テイク・イット・イージー」p11ほかで、弥七の部屋にはってあるポスターは、これです。この作品、トーキング・ヘッズのライヴ映像です。映画のようです。a film by Jonathan Demme とあります。「ガールフレンド・イズ・ベター」も、演奏してます。(pooh)(19991119追加)

●Talking Heads「Once in a Life Time」bbiw
「ハッピィ・ハウス」2ページ佐伯健三による(?)意訳。
原曲の意図。怠惰にあるがままを受け入れて生きることに疑問を抱き、自分の意志で転換を計ろうとする男の歌。違うかもしれない。で、るみ子の「家庭・家族」に対する意識改革っていうか、その辺りに。オリジナルアルバム「リメイン・イン・ライト」、ライブアルバム(サントラ?)「ストップ・メイキング・センス」に収録。
池田)(20000413追加)

●PiLbbiw「album(compact disc)」
「No Future Boy No Future Girl」(46ページ)での「PiLの新しいの」とは、 「album(compact disc)」と思われます。発表当時の状況等考えると、感傷だけでなく当時の彼女なりのロッキングオン的批評文ととれなくもない。池田)(19991230追加)
セックスピストルズとしてデビューしたジョンライドンは、いわゆる産業ロックを解体し、初期衝動としてのロックの復権を目指したもの、と思います。 が、音楽的には稚拙で、「パンク」に見切りをつけポストパンクとして始めた活動が「PiL(Public Image Limited)」です。そんな活動の中発表された「album(compact disc)」は、ジョンライドンとゲストミュージシャンによる、一聴して「ハードロックと受けとれるもの」でした。「日和った」「迎合」そんな評価が多く聞かれたのが件のアルバムです。…で、ピストルズファンだった少年少女が成長し、今、再会し言葉を交わす。ピストルズを聴いていた頃に産まれた女の子が目の前にいて、彼女のピアノでワルツを踊ってみる。ジャンルの枝分かれや、自身の嗜好の多様化、パフォーマーの変化とそれへの折り合いそんなものを文章ではなく、漫画と言う形で表現しようとしたのかな、と。池田)(19991230追加)

●北原ミレイ「ざんげの値打ちもない」
「愛の生活」冒頭で引用。1970年のヒット曲。作詞: 阿久悠/作曲:村井邦彦。同年ヒットの藤圭子「圭子の夢は夜ひらく」と双璧をなすド演歌だが、歌詞の身も蓋もなさという点ではこちらの方が上か? 「愛というのじゃないけれどぉ〜」という辺りの絶叫ぶりは一度聴いたら忘れられない。当時6歳だったはずの岡崎の脳裏にもあの絶叫がしっかり刻み込まれたのだろうか? その可能性も否定できないが、むしろ、吉田秋生の影響ではないかという気もする。(とみた、tach)(20000216追加)
蛇足です。1970年と言えば、大阪万国博覧会が開催された年。岡崎の世代がどっぷりと浸った「自閉した平穏な豊かさ」が日本の社会に広まり定着する出発点となったエポック・メーキングな年だと私は思います。その一方で、こんな暗い曲はヒットしているし、三島由紀夫は市ヶ谷の自衛隊駐屯地に乱入して切腹、過激派はよど号をハイジャックして北朝鮮へ亡命。「貧困」とか「国家」とかがまだ「問題」となり得た時代、と言うよりも、少々誇張した言い方をすれば、問題となり得た「最後の年」だったのかもしれません。(tach)(20000216追加)

●ムーンライダーズbbiw「青空のマリー」
「ハッピィ・ハウス」第8話「日曜の夜はやだ」。これは、ムーンライダーズの「青空のマリー」からです。曲のほうでは 〜日曜の朝はやだ〜 で印象的に終わります。内野)(20000224追加)

●ムーンライダーズ「物は壊れる、人は死ぬ 三つ数えて、目をつぶれ」bbiw
「ジオラマボーイ、パノラマガール」P.117、津田沼春子のセリフ「ものはこわれる 人は死ぬ そういうわけさハニ−」はムーンライダーズの「物は壊れる、人は死ぬ 三つ数えて、目をつぶれ」からの引用です。内山さんの引用事例集より転載)(20000324追加)

●ムーンライダーズ「O・K、パ・ド・ドゥ」bbiw
「pink」のP.117、ユミが目玉焼きをつくるところの「OK パドドゥ」これはムーンライダーズの『O・K、パ・ド・ドゥ』そのままですね。内山さんの引用事例集より転載)(20000324追加)

●ムーンライダーズ「ジャブ アップ ファミリー」bbiw
「pink」のP.187、ユミが歌ってる「ファンキーママ クレイジーパパ」 これはムーンライダーズの「ジャブ アップ ファミリー」 下に小さく書いてあるJUFは「ジャブ アップ ファミリー」の略。内山さんの引用事例集より転載)(20000324追加)

●ムーンライダーズ「G.o.a.P.」「BTOF」
「退屈が大好き」所収の書き下ろし「PICNIC」のベースになったと思われる。タイトルの意味は各々「Go On A Picnic」、「Back To Forest」。「アマチュアアカデミー」収録。これは聴いたらもう一発で。池田)(20000413追加)
歌詞はこちら→「G.o.a.P.」「BTOF」

●ムーンライダーズ「D/P(ダム/パール)」
「恋とはどういうものかしら?」のエピソードの題名「TAKE 3 どひょうぎわの恋人たちまたは“ダム/パール”」ムーンライダーズの楽曲に「D/P(ダム/パール)」という曲があります。(アルバム「アマチュア・アカデミー(1984年)」収録)池田)(20030723追加)

●ピチカート・ファイヴbbiw「オードリー・ヘプバーン・コンプレックス」
「ローマン・ホリデイズ」は父親の会社のために政略結婚する女の子が、結婚式の前日に最初の恋人、最後の恋人と三人で過ごすという話ですがですが、ピチカート・ファイヴのデビュー・シングル『オードリー・ヘプバーン・コンプレックス』に“あした結婚するのよ”というフレーズがあります。僕はピチカートのこの曲が、作品の設定のアイデア元になっていると思いますooui)(20000406追加)

●ピチカート・ファイヴ「ホームシック・ブルース」
数年前のanan(No.1001 1996年12月29日/1月5日号)に綴じ込みされていた小冊子、「Blue Blue Blue」ですが、「6時半のバスで街を出ていくの」というくだりがありまして、ピチカートファイブ(ボーカル田島貴男時代の)の歌の中にそのフレーズがでてきます。アルバム名は「女王陛下のピチカート・ファイブ」、歌のタイトルは「ホームシック・ブルース」です。「6時半のバスで街をでていくの 6時半のバスで街をでていくなんて君は どうかしてるよ まったく どうかしてる」というやつです。ゆきぽん)(20000419追加・20000421改訂)

●ピチカート・ファイヴ「ホームシック・ブルース」その2
「エンド・オブ・ザ・ワールド」(31ページ)の「ラジオはつけないでニュースはもう うんざり」というせりふも同曲からだと思われます。リョーコ)(20000421追加)

●ピチカート・ファイヴ「衛星中継」
「素敵な時間」(60ページ)の『えいせいちゅうけいの女のコ 私達に手をふった それはとてもうれしい』とゆう部分、ピチカートファイヴの「衛星中継」(アルバム「女王陛下のピチカートファイヴ」収録)『深夜の衛星中継で どこかの街の女の子微笑む とてもうれしい』からですよね?きっと。このアルバムからの引用って意外と多いですね。ゆうこ)(200300708追加)
昨晩、わたし自信満々に報告してますが、改めて歌詞カードを見てみたら、『♪深夜の衛星中継で〜』じゃなくて『♪TVの衛星中継で〜』でした!キャー!訂正させて頂きます。ゆうこ)(200300708追加)

(参考)▲ピチカート・ファイヴ「レディメイドのピチカートファイブ:READYADE RECORDINGS ep」
岡崎 ピチカートのアルバムに参加しています(大ゲサ) 月刊ピチカートファイブといった具合に怒涛のリリースをしていたある時期の『レディメイドのピチカートファイブ:READYADE RECORDINGS ep』 というライブアルバムでguest appearanceのいちばん後ろに「岡崎京子」と載っています まあステージに参加したっていうのが正しいんだけど 90年の12月27日のライブでCDを聞く限りどこに参加していたのかは分かりません おかもと)(20000501追加)

●大槻ケンヂ「サボテンとバントライン」
「ハッピィ・ハウス」下巻P7 「その時あたしは “この世をニクム!!” とオーツキケンジのよーに思った」→これは 大槻ケンヂさんのバンド 筋肉少女帯の2枚目のシングルCD「サボテンとバントライン」という曲の詩から引用したものと思われます。長いけど 最初からそこまでの歌詞を。
めぬき通りのバクダン騒ぎ ネコがくわえてきたバクダン
間一髪でバクハツしなかった 逃げた男は少年だった
決死の捜査を笑うように 犯行声明が送られてきた
サボテンマークのレポート用紙に
“僕はこの世を憎む”と書いてあった
映画とサボテンとネコが好きな少年がこの後 ネコ(名前はバントライン)にムービーシアターにバクダンを仕掛けさせるのですが、映画にみとれていた少年はムービーシアターごと吹っ飛んでしまう、という内容です。詩とうらはらなホーンアレンジがちょっと切ない曲なのです。
(みく)(20000501追加)

●大槻ケンヂ「新興宗教オモイデ教」
「ハッピィ・ハウス」下巻P10 るみ子が昼休みに手を洗う場面→これは大槻ケンヂさんの著書「新興宗教オモイデ教」からの引用だと思います。内向的な主人公の男子高校生が
僕はパッとしない奴だから、友達はいない。だから休み時間は人気のない旧校舎の水飲み場で過ごす。ずっと水道の水で手を洗って過ごす。何も考えないようにして、ただ水流に手をかざしていると、不思議と落ちつく。友達なんかいなくてもいいよなあと思う。(単行本11頁)
という行動をとっています。この「学校でひとりで手を洗う」という行為は何回もでてきて、すべてが終わってしまった最後にも主人公が手を洗う場面で終わっているのです。この本、かなりグロいです。精神的にきます。説明しづらいんで 読んでみてください。(無責任)角川書店から 単行本、文庫本ともに出版されていて、普通に入手できると思います。
(みく)(20000501追加)
と、いう投稿をいただいてから一年近く経って、ようやくこの本を読みました。上の引用箇所、次のように続いています。
…みんないつも群れやがって、どいつもこいつも公園の鳩みたいに群れやがって、あいつらきっと誰かが笛を吹いたら一列になってついていくんだ。誰かがジルバを踊り出したら全員で踊るんだ。タンゴを踊ればタンゴタンゴタンゴだ。シュタイセーの無い奴らなんか大嫌いだ。友達なんかぁいらないと僕は思う。
そして、いろいろな「物語」があって、この長編小説は次のように終わります。
教室では時が止まったように静かに過ぎてゆく。
放課後、僕は美術室へ入りびたり、原色の絵の具をキャンパスに塗りたくった。
その絵を見た、校内で一番年老いた美術教師は、
「爆弾みたいな絵だな」
と言った。
絵の具で汚れた手を、また水道で洗う。いくつもの色が混ざりながら流れ落ち、渦を巻いて吸い込まれてゆくのを見つめ、見つめながら、声を出さずに、僕は少しだけ泣いた。
グロいどころか僕は感銘を受けてしまいました。この本はもっと早く読んでおくべきだった。あとがきに書かれていた江戸アケミらの舞台の回想も印象的です。この本のことを教えてくれたみくさんに感謝します。(tach)(20010416追加)

●岸野雄一
1.『退屈が大好き』収録の「イカす渋谷は恋の街」p.89に、「性科学の若き権威」(笑)として「寿博士」なる人物が出てきますが、この人の正体は現在スタジオボイスやユリイカ等で映画や音楽その他様々の評論家として、また「ヒゲの未亡人」(に扮したスタンダップ・コメディ・ショー)として、また精力的なライヴ活動や楽曲提供(ハイポジ等)を行うミュージシャンとしても活躍している(だが活動が多岐に渡り過ぎて説明不能)「岸野雄一」氏です。(一応の肩書きは「スタディスト」…勉強家) 岸野氏は公にもたまに「寿博士」を名乗ることがあり、岡崎さんとは当時、共通の知人を介したお友達同士だったらしい。岸野氏自ら監督した8ミリ映画『野球刑事ジャイガー』シリーズの第二作『野球捜査線』(’86)には何と若き日の岡崎さんが出演しています。ビデオ屋などには置いてないですが、去年渋谷のアップリンクなどで上映されていました。(ちなみに、ラッパーのaki氏も観に来てた。)『イカす渋谷…』に描かれている寿博士と現在の岸野氏は似ても似つかない感じですが、黒沢清監督の初期作品『神田川淫乱戦争』『ドレミファ娘の血は騒ぐ』に岸野氏(20歳そこそこ)が出演しており、実際この頃の岸野氏は岡崎さんの描いた似顔絵そのままです(こんな背高くないけど。あと、こんなセリフ本人は云った憶え無いらしい)。ちなみにこのホームページの「実在の人物」のところでも取り上げられている「蓮実重臣」氏は、岸野氏率いるナゾの結社(クリエイター集団)「京浜兄弟社」の一員でもあります。
2.また「ロシアの山」ですが、これは実は岸野雄一氏がグラフィックデザイナーの常盤響氏らと組んでいるバンド「スペースポンチ」の前身の「コンスタンスタワーズ」(80年代より活動)の曲のタイトルであり、作中のモノローグ「ロシアにだって山は、ある」云々は、岸野氏がライブにて実際にMCで云ったセリフだそうです。ウソみたいな話しではありますが、ホントです。
そんな岸野氏の公式ホームページはhttp://www.geocities.co.jp/MusicStar-Guitar/4327/を御参照下さい。
(robert)(20000508追加)

●phewbbiw
「くちびるから散弾銃」収録の『カオルと結婚したいの・』p.200(合本版)において、ミヤちゃんが昔同人誌を作ってイラストポエムともつかぬものを書いていた、つーエピソードがありますが、ここの「踏切の音 かんこんと しゃだん せつだん うちくだけて…」という一節は、コマの隙間に「phewのファンだったらしい」と書いてあるとおり「phew」というアーティストの曲の引用(に近い)です。phewは70年代後期より「アーント・サリー」というバンドやソロでも活動していた、日本のアンダーグラウンドパンク/ニューウェイヴを語る上では避けて通れない女性アーティストであり、その声や曲、存在感には独特のものがあります。’80年には坂本龍一のプロデュースでシングルも出しています。現在は「ビッグピクチャー」というユニットや、山本精一などと共に活動しています。当時は「日本のNICO」とも云われていた(らしい)。’81年のコニー・プランクプロデュースのアルバム『phew』収録の『SIGNAL』という曲中に(歌詞カードが付いてない為聞き取りですが)「きっても かっても 踏み切れない 取り残された 信号機 かんこんと 光 くずし でかいつら 遮断機の せつだん しゃだん せつだん しゃだん…」等という歌詞があります。(robert)(20000508追加)

●薬師丸ひろ子「メイン・テーマ」
「SIX SEX SIXTEEN」(短編集「好き好き大嫌い」83ページ)で、「冷静で理性的な少女」が歌詞の一部を引用。「いうじゃん。「愛ってよくわからないけど傷つく感じがステキ」って」私はこのひとコマがとっても好きです。ちなみに引用元は同題のカドカワ映画('84)の主題歌。 作詞/松本隆、作曲/南佳孝。←ニューミュージックのかほりが・・・。 minari)(20001027追加)

●浪花節だよ人生は
「終わらない夏」(短編集「好き好き大嫌い」107ページ)で、えちかちゃんの友人が言ったセリフ「リハビリだけだよ人生は」(これって引用かなあ) 元歌はいろんな演歌歌手が歌っていましたよねー。これも84年。 細川たかしでレコ大最優秀歌唱賞(笑)だそうです。minari)(20001027追加)

●ウィークエンドbbiwのアルバム「ラ・ヴァリエテ」
「恋人はあなただけ」(「ヘテロセクシャル」)のp.92-96 ニコにインタビューをする部屋の壁に、ウィークエンドのアルバム「ラ・ヴァリエテ」 のジャケットイラストが飾ってある。 ウィークエンドはYMG(ヤング・マーブル・ジャイアンツbbiwのメンバーがその後やっていたユニットです。 くわしくは池田さんのページ(注:bbiwをクリックすると該当箇所へ跳べます)で。 ラミ犬)(20010216追加)


●ディー・ライト「INFINITY WITHIN」、レディー・キーア
「危険な二人」全体のアートディレクション(?)は、たぶんディー・ライトというバンドのINFINITY WITHINというアルバムの影響大と思われます。話のなか(単行本46頁)にも、セーコ がピロシと道でばったり出会うシーンで『レディー・キーアかと思いましたよ』と吹き出しのなかに書き込みがあり、(レディー・キーアは、ディー・ライトのボーカル)当時、岡崎さんがディー・ライトのメンバーであるテイ・トウワ(確かゲイシャ・ガールズのプロデュースもしていたのでは?)とデートがしたい!と何かで言っていたのを覚えています。
ついでに、「VAMPS」の雑誌掲載時の表紙(単行本に掲載されていたものとは違います)もINFINITY〜のジャケットとよく似ています。
ディー・ライトは’90年代初期にNYのクラブシーンから出たバンドで、日本でも確か’93年頃にライブがあったように記憶しています。”ターボのかかったピチカート・ファイブ”といった風情で、サイケやキッチュなセンスを上手く’90年代に乗せていたように思えました。
波平)(20010427追加)
amazon.comで見つけた「INFINITY WITHIN」ジャケット写真
上はamazon.comで見つけた「INFINITY WITHIN」ジャケット写真です。確かに一時期の岡崎作品の装丁に通じる感覚があると思う。
個人的には「東京ガールズブラボー」単行本の装丁
「東京ガールズブラボー」装丁写真「東京ガールズブラボー」装丁写真
に似てるような気がします。(tach)(20010427追加)


●野坂昭如「ヴァージン・ブルース」
文藝の岡崎特集(新しい方)に入ってる『初恋・地獄篇』の、ヨーコが夜の街を歩くところにかぶさるモノローグ
“ジンジンジンジン/血がさわぐ/どーこに行っても出口なし”
“ジンジンジンジン/血がさわぐ/私のあの人いまどこに”
ってフレーズには、かつて野坂昭如が歌った『ヴァージン・ブルース』の
“ジンジンジンジン血がジンジン/梅も桜もほころびて”
“ジンジンジンジン血がジンジン/箱入り娘は眠れない”
がちょっと混じってますね。
korosuke)(20020612追加)

●さくらと一郎「昭和枯れすすき」
『初恋・地獄篇』のサブタイトルは“またはヨーコと一郎”で、これは『昭和枯れすすき』の“さくらと一郎”を連想させます。『初恋・地獄篇』には昭和vs平成って構図もある気がする。物語の現在は1990年秋(平成2年)で、ヨーコが一郎を好きになったのがその5年前(昭和60年)。ヨーコちゃんの中にうずまくモノはなんとなく昭和的なモノのような気もします。平成になって急に場所がなくなってしまったもの。それが何かっていうとよくわからないけど。korosuke)(20020612追加)

●わらべうた「山寺の和尚さん」
「リバーズ・エッジ」pp.138-139で、「ネコをカンブクロにつめこんでっ!!」
件のフレーズですが、有名な「山寺の和尚さん」(作詞不詳)の一節だったのですね。
♪山寺の和尚さんが
 毬はけりたし 毬はなし
 猫をかん袋に 押し込んで
 ポンとけりゃ ニャンとなく
 ニャンがニャンとなく ヨイヨイ♪
かっしー)(20021106追加)

●レベッカのノッコ
「恋のワンダー・ウルトラ・スーパー・ガール」のMissノッコって単純にレベッカのノッコなんでしょうね。…(中略)…遠い昔、彼女がこのまんまの衣装で「夜ヒット」辺りで歌ってて「変なカッコウしてんなあ」と、子供心に思った記憶があります。とか、いろいろ思い出したので、ちょこっとネットで調べてみたらこんな画像がありました。↓
http://rebecca.ac/cgi-bin/discography.cgi?ca=single&s=2&id=12
ゆうこ)(20030708追加)

●シショーネン「パラソルの下で」
「SLEEPLESS DOG NIGHT」(短編集「恋とはどういうものかしら?」p.7)「質問は会話じゃない」は、シショーネンの曲「パラソルの下で」の一節です。(アルバム「2001年の恋人達(1986年)」収録)池田)(20030723追加)


岡崎京子の4コマ好奇心
- 音楽編 -

「anan」1989.2.20〜1990.10.15連載

●美空ひばり
美空ひばりが亡くなる前の年にお母さんと一緒に”お嬢”のコンサートを見にいった。”普通のファン”だったと。美空ひばりを悼んで。

●ボ・ガンボスbbiw
●シーナ&ロケットbbiw
●アルバート・キング
日比谷野音でクロウトさんたち(上記)のライブを見たあと仕事でイカ天のゲスト審査員をした。

以上岡崎京子の4コマ好奇心4項目(しまん)(20000422追加)

文学

●村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」
「pink」の主人公がワニを飼っている。「コインロッカー」は、アネモネがワニを飼ってる。枡野、G太、ないちょ)

●村上龍「だいじょうぶマイフレンド」
「ハッピィ・ハウス」のるみ子はP18で「だいじょびマイフレンド」と言っていますが、これは村上龍の小説・映画「だいじょうぶマイフレンド」ですね(KAZU)(19990808追加)
JAGATARAのアルバム『それから』1989の、7曲め「中産階級ハーレム −故ジョン・レノンと全フォーク・ミュージシャンに捧ぐ−」の、一番最後に、この「だいじょうぶマイフレンド」というセリフが…村上龍の作品の引用だろうなあと、思うのですが、いちお万が一のありうる可能性のために、報告。pooh)(19991103追加)

●村上龍「テニスボーイの憂鬱」
「pink」(227ページ)アパートの受賞パーティで盛り上がってる最中ハルヲ君が思い出そうとしてたコトバ「幸せを怖れるものは幸せにはなれない」村上龍の小説『テニスボーイの憂鬱』。(でもひょっとしたら愛と幻想のファシズムの方だったかも・・・)(iku)(20000508追加)

●村上春樹「夢で逢いましょう」収録の「パン」(及び「パン屋再襲撃」)
「ジオラマボーイ、パノラマガール」Scene 21 「パン屋襲撃」。(晄晏tach
同名の自主製作映画が山川直人監督で1982年に作られています。原作はやはり村上春樹です。岡崎さんは、手塚真との交流や「最低8ミリ〜」等、自主映画の分野にも近かったので、映画の方を見ている可能性もあると思います。ほしの)(20000406追加)

●村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」
「pink」34ページ、主人公ユミちゃんがいうひとことで…「この世ではなんでもおこりうるんだわ。」 これは、村上春樹の傑作、「ダンス・ダンス・ダンス」のなか(下巻の312ページ)で主人公の言う言葉、「この世界ではなんでもおこりうるんだよ。なんでも。」ではないでしょうか。(ユキ)(20000406追加)

●村上春樹「1973年のピンボール」
「ドッペルゲンガー」(短編集「ボーイフレンド is ベター」収録)に於ける「双子の描き方(どちらも同量に正しい)」は、上記のソレに近しい感じがするのだけれど、自信なし。軽く読み返してみたものの、引っ張ってくるような箇所も見当たらない。無関係かも。池田)(20000413追加)
異説有り→大島弓子「綿の国星」その2 Part 20「ギャザー」(20000413追加)

●糸井重里「牛がいて,人がいて」収録エッセー? 或いは橋本治「桃尻娘」?
「ジオラマボーイ、パノラマガール」の「Scene 1 日曜のひるまというものは」5〜6ページ、花柄の象印ポットをめぐるエピソード
糸井重里のエッセーに絵を付けたにすぎません。晄晏
ポットが花柄の理由、って橋本治でよんだようなおぼろげな印象があるんだが・・・・・・渋谷
私も何だか「桃尻娘」辺りで読んだような…(tach)

●糸井重里「家族解散」
「ハッピィ・ハウス」第一話「家族解散のようなもの」。家族の解散、というアイディアは糸井重里「家族解散」から。一コマ目の「トートツだが」と父親が話し始めるシーンは、糸井重里+湯村輝彦「情熱のペンギンごはん」で父親が一家団欒を宣言するコマをなぞっているようにも見えます。同じ「家族の解散」というアイディアをとりいれて描かれたマンガに山本直樹「ありがとう」があります。糸井が80年代に出したお題に90年代のマンガ家二人が解答してるって感じもします。(Korosuke)

素敵な時間」(『恋とはどういうものかしら?』)にも使われていると思います。以下比較。
岡崎作品
「そうよあたしデイジーもマークもスチュアートもみんな好きだったのよ あたし3人のこととてもとても好きだった だけど… なのにどうしてこうなっちゃったのかしら? ねえ? 神様」
糸井作品
「ワタシ……パパのことが好きだったのよ。ほんとに好きだったんだから。子供たちのことだって、明子も文枝も明彦も……みんなのことを、ワタシ、好きだったのに。どうしてなの。どうしてこんなことになっちゃったのよ」 「ワタシ、ほんとに好きだったのに。ほんとにほんとに好きだったんだよ」
前後に「列車」「神様」が登場する点でも一致していて、おそらく偶然ではないと思います。
あと、
「神様」に電話をかけるシーンが秀逸。ホントにこのシーンは自分で思いついたのか、岡崎? これは欧米人の発想だよなぁ…パクりなんじゃないかなぁ、…仮にパクりだったにせよ、それを選んだ岡崎のセンスに拍手。
 とレビューでおっしゃってますよね。かなりこじつけめくのですが……、糸井重里には、「神さま、お電話ください。」というコピーがあったと思います。こっちは単なる偶然かもしれません。
)(20050714追加)

●高橋源一郎「ジョン・レノン対火星人」その1
「でっかい恋のメロディー」(短編集「私は貴兄のオモチャなの」p23)、妹がベッドに寝転がったままで言う台詞「リアルなものって何?」は、高橋源一郎「ジョン・レノン対火星人」でやはり語り手の妹がベッドでささやく台詞「リアルなものはあらずや?」から。(Korosuke)

●高橋源一郎「ジョン・レノン対火星人」その2
「ねえ、宇宙って膨張するのかな」(短編集「好き好き大嫌い」)。大学教授と膨張する宇宙について語り合うとても親切なソープ嬢、てのは高橋源一郎の小説「ジョン・レノン対火星人」に登場する“元横浜国立大学経済学部長の《資本論おじいちゃん》と親身になって語り合うソープ嬢”を思い起こさせます。気のせいかもしれませんが。(Korosuke)

●高橋源一郎「朝、起きて、君には言うことが何もないなら」
「カトゥーンズ」第20話「踏切と愛の国のスパイ」。
むかーし「anan」誌上の「わたしの、一冊」という、有名人による書評コーナーに岡崎さんが登場した時、『朝、起きて、君には言うことが何もないなら』(高橋源一郎・文、英隆・写真/講談社、1986)という短篇集を薦めておられました。この前古書店で見つけたので、買って読みましたが、この中に「愛の家のスパイ」という作品があります。59歳の男が、自分の空想の中に住む女(愛の家のスパイ)をめぐる妄想のために身を亡ぼしてしまうお話ですが、その結びの一節が、以下です。
「『愛の家のスパイ』は男を亡ぼす。例えそれが存在しない女であったとしても。」
これ、『カトゥーンズ』第20話「踏切と愛の国のスパイ」に繋がっているのかな?こちらの結びは〈愛の国のスパイは男を殺す〉です。ストーリーは違っていますが、枠組みとテイストは近いと思います。先述の「anan」記事では、丁度漫画を描きはじめた頃、高橋氏の本は出る度読んでいて、とても影響を受けたと岡崎さんは仰ってます。
…(中略)…
『朝、起きて…』、面白かったです。不思議でクールな、日常に見え隠れするファンタジィ、といった高橋氏の文章に、英氏による有名人女性の素敵なポートレートが、それぞれぴったり寄り添ってます。ちなみに「愛の家のスパイ」は中川比佐子ちゃん。すっごく綺麗。他にも戸川純、EPO、佐藤千賀子、甲田益也子等々、錚々たるメンバーの姿を見ることが出来ます。
(ミチル)(19990901追加)

●高橋源一郎「ペンギン村に陽は落ちて」
「砂漠王子と砂漠王女」のび太やしずかちゃんを使ってこういう物語を作る、というのは、高橋源一郎が『ペンギン村に陽は落ちて』でやったことと似てるなあと思います。 もちろんパロディや他の作品の登場人物の転用というのはマンガが昔からやってきたことではあるんですが、それともちょっと違う感じ。手塚作品は私の無意識の枠組みだ、てなことを手塚治虫が亡くなった時、夏目房之助氏がいってました。私の場合は藤子作品が『枠組み』っぽいです(手塚作品はそこまでの実感は無い)。私の無意識のある部分は確実にのび太の形をしていると思います。
んで岡崎さんや高橋さんはこの『無意識の枠組み』を意識的に利用してるような気がします。
高橋さんの『ペンギン村に…』には、“他の全ての人間がいなくなったあと、少女のロボット(アラレちゃん)と少年のロボット(アトム)が残って人間の真似をし続ける”というシーンがあります。“二人の子供のロボットは廃虚となった学校の道具置き場の片隅に身を寄せ会って、いつ果てるともない遊びの時間の後の、けだるいまどろみの時を過ごしていた。二人は使う者のいない教科書や黒板を捜し出し、読み書きの真似をして遊んだりもした。校庭の端に転がっていた空気の抜けた球を蹴って、球技の真似ごとをしたりもした。遊ぶものなど他には誰もいなかった。だが、人間のための遊びはあってもロボットのための遊びはなかった。二人にできるのは、遊びの真似ごとだけだった。”(『ペンギン村に陽は落ちて』集英社、p235)
『砂漠王子と…』の光景によく似てます。歴史のあとの子供たちの風景。
Korosuke)(19991228追加)

●高橋源一郎「さよならギャングたち」
「pink」ハルヲ君の宇宙小説。高橋源一郎の『さよならギャングたち』が元? 歴史上の人物の名前、発言、小説、童話、マンガなどの引用が多数におよび(大島弓子のマンガをまるまる1ページ載せてもいて、出てくる台詞の「命名の権利はあなたにあります」は小説中の重要なモチーフのひとつ)発表された当初「こんな雑学をひけらかすだけのキリバリ&ツギハギ小説が賞を取るなぞケシカラン」と悪口を言われていたような・・・(実は私も当初はそう思っていたのですが、岡崎さんが「真理に著作権はない」(By橋本治)と書いてたのを読んでから考えが変わりました。今では好きな本のひとつです)ハルオ君のは文字通りの正真正銘キリバリ小説ですね(笑)。(iku)(20000508追加)

●金井美恵子「愛の生活」
「愛の生活」同じタイトルの金井美恵子の小説があります。内容は無関係という関係だけど。(Korosuke)

ウイリアム・ギブスン「THE BELOVED (Voice for THREE HEAD)」(「Robert Longo」京都書院)
「リバーズ・エッジ」P.202、P.203、P.P.206−207。かつてサイバーパンク運動のスーパー・スターとして華々しく脚光を浴びたギブスンは、日本でも知名度は高い。しかし、彼が何を描いたのか、一般に正しく理解されてるとは必ずしも言い難い。「完全情報」と「物流コストゼロ」は「市場原理」による「資源の最適分配」が達成されるための前提条件だ。この条件がもっとも完全に近い形で実現できるのが「サイバー・スペース」である。「市場経済主義」の本質は無政府主義。その「悪魔のひき臼」(©ウィリアム・ブレイク)の中で民族も国家も解体されてゆく。正義もヒューマニズムも存在しない。ただ市場原理だけが全ての上に君臨する。ギブスンの詩が作中に突然、しかも長々と、引用されたときには仰天した。岡崎がまさかギブスンとは…。この詩の引用によって、「リバーズ・エッジ」が何についての物語であったのかが疑いの余地無く明らかにされる。…しかし「Robert Longo」京都書院なる本を私は見たことがない。図書館にも見あたらないし、果たして、これは実在する本なのだろうか? 不安だ…。(tach)(1999.07.25新規追加、大物を忘れていたぜ)
Robert Longo / text by William Gibson  Kyoto : Kyoto Shoin, 1991  1 v. ; 31 cm. -- (Art random ; 71)  ISBN: 4763685317 。このようなもんが目録にありました。京都書院が洋書として出している「Art random」というシリーズがあるみたいす。内容は英語+日本語となってたので、日本語の訳詞も載ってるのかな?  http://webcat.nacsis.ac.jp/ で調べました。中山)(19990731新規追加)
えーとRobert Longoですが美術家さんで、"Men in the cities"とゆうシリーズが有名だと思います。映像もやってて、ギブスン原作の「JM」とゆう映画を撮ったひとです。そういう関係もあってギブスンがロンゴの作品集に詩を寄せたんでは。Korosuke)(19990802追加)
ちなみにこんなの。
http://www.postershop.com/longo/lon2006_e.htm
あるいはこんなの。
http://www.jmoca.org/collection/longo.html
映画「JM」ではキアヌ・リーヴスがこれらの絵そっくりのアクションで不満をぶちまけるシーンが…
Korosuke)(19990803追加)
ギブスンはコラージュを主な方法の一つにしてるって点で岡崎京子と似た態度を持ってると思います。古い世界の構造の上に産業社会が排出するゴミを切り張りして人々が自分の環境作ってるというのが彼の作品の基本的風景だと思いますけど(長篇「ヴァーチャル・ライト」の舞台の一つ“橋”なんて典型)、その風景は通俗的物語にさまざまな文化的断片を張りついで作品を作っていく彼の創作態度のモデルと見ることもできます。で、岡崎京子にも似たところがありますね。Korosuke)(19990802追加)
2006年5月31日、京都書院の「Robert Longo」を入手。岡崎が引用した部分の英語原文が判明。→京都書院「Robert Longo」@「岡崎京子雑感」(2006.06.06追記)

ウイリアム・ギブスン「THE BELOVED (Voice for THREE HEAD)」(「Robert Longo」京都書院)
久々に京都書院の『Robert Longo』をみたらウイリアム・ギブスンの詩のふたつめの最後が「近頃の落ちかた」になってたのをあらためて見つけました。(ギブスンの詩「THE BELOVED」にはいち、に、さんとローマ数字が振られてて『リバーズ・エッジ』に引用されたのは3番目のもの)このフレーズ、『ちくま』に載った「ノート(ある日の)」でさらっと使われてますよね。dbp w.)(20030723追加)
そんな細かいものよく見つけられましたね…。ちなみに「ノート(ある日の)」は「ちくま」1996年1月号に掲載されたエッセイ(非コミック)で、季刊「文藝」2001年秋号「文藝別冊 総特集岡崎京子」に再録されてます。(tach)(20030723追加)

●J・G・バラード「残虐行為展覧会」
「ジオラマボーイ、パノラマガール」Scene 18、184ページ。 そういや、『ジオラマボーイ パノラマガール』では妹が『残虐行為展覧会』読んだ、なんて言ってませんでしたっけ。あの本は私も読んだけど何度も通読しようとして断念した挙げ句やっとのことで読み通した、という感じだったので、思わずあの子を尊敬してしまいました。『残虐行為展覧会』は巻末にバラードと松岡正剛の対談が載ってて、二人の妙な意気投合ぶりがヘンで面白かったです。Korosuke)(19991005追加)
蛇足です。言わずと知れた現代前衛文学の代表的短編集。遙か昔、私も難儀しながら読んだ覚えがありますが、正直言って、当時、その価値を理解できていたとは思いません。その凄さの幾分かを実感したのは1980年にレーガン大統領が誕生したとき。この作品集に収められていた短編の一つでバラードはこの出来事を10年以上間に予言していたのです。その時代に対する感受性の鋭いこと…。「岡崎は文学を越えた」と私は書きましたが、それは「日本」文学のことであって、岡崎といえどもバラードは越えていない、と、私は思います。(tach)(19991005追加)

アルチュール・ランボー「錯乱II」(詩集「地獄の季節」)
「カトゥーンズ」第16話「9月、毎日、永遠」(P102)。女子高生のガールフレンドと江ノ島にデートに出かけたよぼよぼの爺さんが、海に沈む太陽を見つめながら遠い目をしてつぶやく。「海は永遠を溶かしたものだよ。ごらん。海に溶けてゆく太陽を。」
ランボーの有名な詩の一節からのパクり。

また見つかった。
何が? 永遠が。
海にとろける
太陽。

ただ、この一節はゴダールの映画「気狂いピエロ」でもしきりに引用されていた。ゴダール好きの岡崎は、むしろ映画の方からこの一節を知ったのかもしれない。(tach)(1999.07.28新規追加)

坂口安吾「青鬼の褌を洗う女」
「ハッピィ・ハウス」。出てきたページは思い出せないが、るみ子ちゃんには、盲腸で死んだお兄さんがいる。手術のあとであんまり水を飲みたがるので、誰かつい水を飲ませてしまったのだ。安吾にも同様のエピソード有り。ただしこちらで死ぬのは主人公の妹で、水を飲ますのは母親。安吾の引用とは岡崎も渋いぜ。「青鬼の褌を洗う女」はいいッスよ!(tanotanotach)(19990731新規追加)
坂口安吾の実際に死んだ兄弟は姉で「ふるさとに寄する讃歌」などに出てきます。安吾の場合、母に対する敵対心と姉に対する思慕というテーマがありますので、母が殺したことになっているのも当然かと思います。(KAZU)(19990808追加)

矢田津世子(坂口安吾の意中の女流作家)
「セカンド・バージン」で隣の家の主婦の名前が「矢田世津子」となっていますが、安吾が憧れ続けて結ばれなかった女流作家の名前が矢田津世子ですから、そのもじりでしょう。(KAZU)(19990808追加)
蛇足です。矢田津世子その人については安吾の自伝的短編「二十七歳」および「三十歳」参照のこと。別れた数年後、結核で亡くなったという知らせを受け、安吾は涙したようです。よろめき志望の有閑マダムとは結びつきそうもない人ですが、そこで名前を敢えて使ったというお遊びですね。(tach)(19990901追加)

●サリンジャー「グラースサーガ」連作
「テイク・イット・イージー」で弥七が「かつてTVの"神童くんいらっしゃい"に出てた面目」としゃべるところ(p.21)がありますが、これ、サリンジャーのいわゆる「グラースサーガ」連作(「バナナフィッ シュ」にはじまり「フラニーとゾーイー」など)でグラース家のきょうだいがみんなラジオの天才子供番組(「これは天才」だっけ)に出てたことの引用ではないかと思います。さらに、グラース家の長男シーモアは「バナナフィッシュ」で自殺しますが、弥七の兄も自殺したらしいことがうかがえます(p. 29 自分で勝手に死ぬやつもいんだぜ、p. 32 生きてんのと死んでんのどっちが楽なんだろ「おしえてくれよ兄ちゃん」)。中山ラミ犬)(19990901追加)

●ジョン・ファウルズ「コレクター」白水Uブックス 白水社
コレクター」、タイトルとプロットを、借りているようです。監禁物の小説です。同名で映画化もされたみたいです。
ついでに白水Uブックスの本で、岡崎の引用したものを、挙げておきましょう。プイグ『ブエノスアイレス事件』、アップダイク『走れウサギ』、ジャリ『超男性』、バーセルミ『雪白姫』、すべて岡崎「でっかい恋のメロディー」の古書店の本です。
pooh)(19991028追加)
『ローマの休日』が話題になっていますが、この作品を監督したウィリアム・ワイラーというひとはその何年後かに(確か62、3年)『コレクター』という映画を撮っています。で、もちろん岡崎京子の『ヘテロセクシャル』にはいっている「コレクター」はこの作品からのものだと思う(poohさんは確かジョン・ファウルズの原作からではないかとおっしゃていたけど)。この映画はけっこうカルト的な人気があるし、ぼくはこの作品を7、8年前にNHKの衛星放送で見たのですが、ということはその何年か前に日本でリヴァイヴァル上映された可能性が高いし、それを岡崎が見たというのも大いにありそうです。この作品はいじめられっ子で蝶のコレクターの郵便局員が郊外の別荘に女の子をさらってきて飼育するというお話でした。岡崎の短編が誰ひとりコレクターなど登場しないにもかかわらず、「コレクター」と名づけられているのはそういうわけでしょう。it)(20000409追加)
映画『コレクター』の原作はジョン・ファウルズの小説『コレクター』です。河野)(20000409追加)

●武田百合子「富士日記」(作家武田泰淳の妻)
「愛の生活」p75ほかの桜田兄も読んでますし、雑誌「ダ・ヴィンチ」96年7月号では、岡崎さんも、坂口安吾とともに、フェイバリットとして、その名を挙げてます。岡崎さんの文体(ことばのスタイル)も、百合子さんの強い影響を受けているようですし、いちお報告してみますね。pooh)(19991101追加)

●ヴィリエ・ド・リラダン「アクセル」
「でっかい恋のメロディー」p36の、リラダンの引用、「生きることなんて、召し使いにまかせろ」、これは、おそらくリラダンの長編小説『アクセル』からの一節でしょう。齋藤磯雄著作集第1巻 東京創元社 収録の「リラダン」p15に指摘あり。いわく、「『アクセル』の中に(略)侮蔑的な豪語がある。 −生活? そんなものは下僕共がしてくれるさ!」、『アクセル』収録の 『リラダン全集』全5巻は、東京創元社より刊行されています。pooh)(19991101追加)
それに引き続いての古本屋のお姉さんのコメントが印象深いです。「でも 現実には あたしが召し使いなんだわ。生きるってめんどうね」…ホント、面倒ッスね。所詮、私たちは、市場経済システムに奉仕する召し使いでありませう。こんな勇ましいことを言ったリラダンも、市場経済システムへのご奉仕を拒んだばかりに、実際には赤貧洗うがごとき困窮のうちに討ち死にした由。…ちなみに、私のリラダンのお薦めは「ビヤンフィラートルの姉妹」ッス。(tach)(19991101追加)

●沼 正三「家畜人ヤプー」
「東京ガールズブラボー」下巻p116、のび太の読んでる本「ヤプー」は、これでしょう。沼 正三『家畜人ヤプー』、マゾヒズム小説(?)かな。いまなら幻冬社アウトロー文庫で読めます。pooh)(19991101追加)
SM小説であり、日本文明論・日米関係論であり、昨今の日米関係を目の当たりにするに及んでは「予言の書」ですらあるように思えます。(tach)(19991101追加)

●ギュスターヴ・フローベール「ボヴァリー夫人」
「東京ガールズブラボー」下巻p133で、丸玉玉子が読んでます。
「彼女」(「ヘテロセクシャル」収録)p132でも、引用されてます。「しかしエンマは、自分の正しいと信じている理論通りに恋を感じようとした。」第一部第七章にみえる一節です。ちなみに邦訳は、中村光夫(講談社)でも、生島遼一(新潮社)でも、白井浩司(旺文社)でも、ありません。不明です。
pooh)(19991101追加)
伊吹武彦(岩波文庫)だと思います。エンマっていうのがポイント。僕はどうも閻魔を想像してしまい、生島遼一のを買い直しました。(陽水)(20010129追加)

●ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」
「pink」p.99の絵は『うたかたの日々』の主人公の恋人クロエ(肺に蓮の花が咲く奇病に侵されている)の病室のイメージで描かれたものではないかと思います。mari)(19991111新規追加)

●ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」その2
「くちびるから散弾銃」合本版 p89で、サカエさんが「次の行いこうとするとまた同じとこ読んでてぜんぜん進まない」本の表紙には「ボリスヴィアン」と、あります。ですが、本文の引用は、ヴィアンじゃないですよね。どっからひっぱって来たのでしょう?(pooh)(19991116追加)
絶対ヴィアンじゃない!(笑) 私も気になります。(tach)(19991116追加)
あれはヴィアン『日々の泡(うたかたの日々)』の結婚式の部分ではないんですか? 今私の手元にある新潮文庫版『日々の泡』だと、えーと、p95あたり。訳が違うみたいだけど。ただ、私が見ている『くちびるから…』は、合本版じゃなくてその前に出てた、上下に別れたやつですが。ひょっとすると合本にする時、変更があったのかな。(Korosuke)(19991116追加)
ずばり、そのとおりです。やられました。ええ、『くちびるから…』1巻には、「コラン」の文字がみえますが、合本版では、代わりに「芳乃、仁」のふたつの固有名が、見つかります。後者は、ですます調で、地の文が三人称の小説らしき文面です。(pooh)(19991116追加)
えぇ!っと思ったけど、確認してみたら、ご指摘通り、合本版と二分冊本では該当部分が差し替えられていました。
二分冊本上巻P81はKorosukeさんご指摘の通り、伊東守男訳の「うたかたの日々」。早川のヴィアン全集第三巻「うたかたの日々」P79をそのまま切り抜いて張り付けたもの。
合本版P89は違う文章ですが、ううん、これはわからん。日本の小説のような感じですが… 著作権か何かの関係で差し替えたのかな? (tach)(19991116追加)


●ボリス・ヴィアン「北京の秋」
「ロシアの山」(短編集「UNTITLED」)の中に、「この話はロシアともお山とも関係ありません」みたいな記述がありましたよね。あれは、ヴィアンの小説『北京の秋』が「北京」とも「秋」とも関係ないからあえて『北京の秋』という名前になったというのが、元ネタなのではないかと思います。ヴィアンの『北京の秋』のタイトルにまつわるエピソードは、「STUDIO VOICE vol.226」のp.32-33の掲載されている、ヴィアンに関する対談(川勝正幸氏と)の中で、岡崎先生自身が言及しています。mari)(19991111新規追加)

ダンテ「神曲」
「私は貴兄のオモチャなの」は、ダンテ「神曲」の全3篇(地獄,煉獄,天国)による構成を、引用してますね。あ、もちろん主題<愛>も、ですね。くわえて、「地獄,煉獄,天国の各篇とも〈星stella〉という言葉で結ばれている」(平凡社大百科事典:河島 英昭)そうですから、主人公「星山星子」も、引用と考えてよいのでは? ただ、岡崎さんは、キリスト教の三位一体説とは無関係に、初恋地上篇、初恋地獄篇�@、初恋天国篇、初恋地獄篇�A、初恋煉獄篇の順で、物語を構成しています。
「ロシアの山」p224で、久美子さんの読むのも、この本です。
岡崎さんの引用する二個所とも、<肉体の愛>に関係する点が、ミソですね。ダンデさんは、<精神の愛>が、お得意のようですから。
(pooh)(19991119追加)
「ロシアの山」p224について補足。まとめると、このコマは三重の引用ということになります。構図としてはゴダールの「アルファビル」で、ただしポール・エリュアールの詩集の代わりにダンテの「神曲」を手に持ち、大島弓子の台詞をしゃべる。非常に特殊な感じがしますが、しかし、これにいったいどんな意味があるんだ?(tach)(19991119追記)
なぜ『神曲』か? ややこしいことは、ないのでは? ダンテとベアトリーチェの二人を、アベラールとエロイーズ、トリスタンとイゾルデにように、恋愛に関する<神話的カップル>と捉えてやれば、よいのでは? たしかに安易ですが、他に読み方が、あるのでしょうか? 精神のみによる<愛>を扱ったテクストとしては、ダンテ『神曲』は、まちがいなくチャンピオンでしょう。岡崎さんの引用は、<肉体を介さない精神的愛の成就の物語>くらいの、意味が込められているのではないでしょうか?pooh)(19991229追加)

●橋本治「熱血シュークリーム」
「ジオラマボーイ、パノラマガール」Scene 22 題名「流血シュークリーム」に転用。(晄晏

●橋本治「蓮と刀」?
「ジオラマボーイ、パノラマガール」の冒頭「現実なんて、何の意味もないっ!」実はこれ、何からの引用か、思い出せないんですよ。 てっきり「蓮と刀」かと思ってたのですが、 てるやすさんは「蓮と刀」を読んでると思うので、 だとしたら違うのかな・・・とりあえず確認できません。 僕もこのままでは気持ち悪いので、 仕事が一段落したら探してみますが、 ただ橋本治の本って、100冊以上あるからねえ・・・。渋谷

●橋本治「愛の矢車草」
「ひまわり」で、小学生男子がヒモ付きの姉ちゃんを孕ませる、まんま橋本治の「愛の矢車草」ですよね。「ひまわり」はゲロ吐いておしまいですが、「矢車草」は更に生まれた赤ん坊押し付けられちゃって、その後の展開がまさに橋本イズムて感じで、俺は「矢車草」のほうが個人的には好きですけど。 もっちろりん)(20000901追加)
蛇足です。「愛の矢車草」は同名の短編集(新潮文庫1987.12.20初版)のために書き下ろされた短編。この本には四編の作品が収められていて、そのそれぞれに高野文子・しりあがり寿・奥村靫正・吉田秋生という超豪華な顔ぶれによる挿し絵がつけられていました。ちなみに「愛の矢車草」の担当は吉田秋生。(tach)(20000901追加)

●橋本治「?」(80年代の初期のエッセイ)
「ジオラマボーイ、パノラマガール」街がいつも工事中という設定は,たしかに橋本治からの引用だと思います。晄晏
街がいつも工事中っていうのは,橋本治の80年代の初期のエッセイにあります。でも,どの本だろう?(笑)晄晏

●石川啄木「一握の砂」
「ロシアの山」火事、
「やや長きキスを交して別れ来し
 深夜の街の
 遠き火事かな」
こういうのはどうでしょ。石川啄木「一握の砂」より。あちゃー最初っから飛ばしすぎ。
バンビ)(20000409追加)
…いや、面白いんですけど、…冗談ですよね?(tach)(20000409追加)
がーん!けっこうマジネタだったんすけど…。バンビ)(20000409追加)

●エーリヒ・ケストナー「ふたりのロッテ」
1.速水由紀子「現代の肖像 岡崎京子 天才漫画家が追ったテーマ」(「AERA」2000年10月30日号 掲載)によれば、幼い頃、ケストナーの「エミールと探偵たち」や「ふたりのロッテ」を愛読。大人になってからも本棚の片隅に大切に置いてあった由。後年の岡崎作品のあちこちにもその影響が見受けられるという。(tach)(20001229追加)
2.「カトゥーンズ」第21話「『ごつごうしゅぎ』はいつもあこがれ」 ケストナーの「ふたりのロッテ」と同じシチュエーション(両親が離婚してそれぞれに引き取られた瓜二つの姉妹)で、最後に二人が「ふたりのロッテ」を読む。岡崎では父がピアニスト、母が編集者だが、ケストナーでは父は指揮者兼作曲家、母はグラフ誌の編集者。「カトゥーンズ」連作の次の作品では主人公のOLが「ふたりのロッテ」をいまも愛読しており、ケストナーのような物語を書いてみたいと思っている。ラミ犬)(20001229追加)
蛇足を一つ。「カトゥーンズ」の第22話「Walk On The Wild Side」で「ふたりのロッテ」を愛読しているOLというのが「危険な二人」に出てくる港野洋子ちゃんのキャラ。男に誘われるとついつい断り切れずに誰かまわず関係してしまう自分を嫌悪しつつ、会社のトイレに籠もって「ふたりのロッテ」を読む…。ぶっ飛んだ設定で泣かせる話です。実は個人的お気に入りの一つ。(tach)(20001229追加)
3.「東京ガールズブラボー」No.8扉絵に女調教師とライオンの絵があり、左下に子供(小人?)の絵、そして「Der kleine mann/Erich Kastner」(aにはウムラウト)という書きこみがあります。このDer...というのは「サーカスの小びと」が邦題みたいです。…余談:わりと新しいドイツ映画で「ふたりのロッテ」(原題は「シャーリーとルイーズ」とか)というのがあって、面白かったです。(ラミ犬)(20001229追加)
4.ちょっと調べてみたら、こんなページ↓
http://www.parkcity.ne.jp/~yoshioka/
の、こんな箇所に↓
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/11/4/115051%3D.html#SERIES
岩波の「ケストナー少年文学全集」についてリストがありました。
「ふたりのロッテ」はW.トリヤー、「サーカスの小びと」はH.レムケという人が 挿絵を描いてますね。岡崎が読んでいたのもこのシリーズだと思うのですが。絵の影響。。。やっぱ「東京・・・」に引用してるレムケの方でしょうか? …
…なんでもケストナーの奥さんがルイーゼロッテというので、双子の名前はそこからとったそうです。「ロッテ」は、いろんな物語の双子ネタのもとになっているのかもですね。
minari)(20001229追加)
蛇足。「ショコラ・エブリデイ」とか「ドッペルゲンガー」とか、岡崎はどうしてこんなに双子の話にこだわるのだろうと不思議に思っていたのですが、謎が解けました。(tach)(20001229追加)
5.イラストについては、岡崎の絵はトリアーという人の方に雰囲気が似ているように思えるのですが、いかがでしょうか。近いうちにレムケ画と見比べてみよう。ラミ犬)(20001229追加)

●トマス・ピンチョン「重力の虹」
「チョコレートマーブルちゃん」(『チワワちゃん』) ナレーションが突然、歌になるところ。この作品の描かれる2年前に翻訳されたトマス・ピンチョンの『重力の虹』からでは。『重力の虹』も突然、歌がはさまれる。たとえばこういう感じの歌が…
そいつはペニスをてめえのもんだと思ってた   

(リード・テナー):それはペニス、そいつはてめえのもんだと思ってた——
  一本の骨でできた大きないたずら小僧……
  たくましい紫の頭を持ち
  ベッドより突き立つ
  娘っこが電話ごっこしてたベッドから——
(バス):でーんーわ……
(中間声部):だけどその夜〈かれら〉は鍵穴からはいり込んだ
(バス):そして甘いことばでさそいかけ、
  ペニスの姿はかき消えた
こんな感じで以下続きます。えーと、えらい下品な歌ですが、大体みんなこうなのです。一応根拠としてはほかに「でっかい恋のメロディ」の古本屋の本棚に『重力の虹』が並んでいることでしょうか。やっぱり苦しいかな。
it)(20010529追加)

●向田邦子「胡桃の部屋」
「それいゆ」は向田邦子の短編『胡桃の部屋』(タイトルうろ覚え。スミマセン)に類似していると思います。
・千賀子の母が若い恋人と家出した点(短編では父の方)
・長女である主人公が家計を支えている点
・男性の相談者がいる点
・別れたはずの父と母がホテルに行っていた点
・結局主人公がからまわりしていた点
ハイロ)(20010731追加)

●トルーマン=カポーティ「ティファニーで朝食を」
「エンド・オブ・ザ・ワールド」のpp25〜26に出てくる日本人「Mrユニオシ」(だまされてお金を強奪される日本人)について。「ティファニーで朝食を」に、かつて「私」やホリー・ゴライトリーと同じマンションに住んでたカリフォルニア出身の日本人カメラマン「I.Y.ユニオシ」なる人物が登場する。彼はホリーに「いつかのお話のあのお写真」を撮らせるようせがんだりした模様。後、ホリーの出奔後十何年経ってから彼女がアフリカに行った形跡を発見したりする。あと、モリーが彷徨い歩いたりするのが「旅行中」の名刺をもったホリーとかぶるのですが、気のせいでしょうか。(陽水)(20010731追加)

●トルーマン=カポーティ「クリスマスの思いで」
「くちびるから散弾銃」のp132でミヤちゃんが読みたがってるカポーティのクリスマス小説てのはこれのことではないでしょうかね。(陽水)(20010731追加)

●バロウズ
「pink」の切り貼り小説は,バロウズからパクってます。カットアップ,またはフィールドインってバロウズが考えだした手法です。その中のタイトル,「裸でランチ」は,この人の代表作「裸のランチ」から取ったものでしょう。 アンナ・カリーナや,ディズニーアニメの妖精などをタイトルのところで使ってますから。taishi)(2002.03.25追加)

●谷川俊太郎「東京叙情」
『東京は朝の7時』の末尾にはinspir(e?) - S.TANIKAWA TOKYO JYOJYO("東京叙情"?)って書いてあるけど谷川俊太郎かな? 作品の澄んだ空気感はそれっぽいですが。korosuke)(20020612追加)
やはり谷川俊太郎に“東京叙情”という詩がありました。詩集『そのほかに』所収。korosuke)(20020612追加)

●マザーグース「女の子って何でできてるの?」
「ねえ、女の子って何でできてるの?」 マザーグースですよね。(参考http://www.sun-inet.or.jp/~syasui/whatareboys-j.html)池田)(20030723追加)

●夢野久作「ドグラ・マグラ」「火星の女」
「リバーズ・エッジ」のテーマの一つとして「死体」によって山田が自分の存在感を獲得できるという感性は夢野久作からの引用と思われますが、このことについて扱った物を見たことがないので検討していただきたくこのようにメールいたしました。メールですので簡単にいたします。
1.物語の要となる川辺の腐乱死体
夢野久作ドグラマグラそのままだと思います。その死体の腐る様を絵にのこすことでこの小説の主人公は一つの芸術を完成させるのですが、それがいってしまえば芸術でもなんでもなくただの性的嗜好なのか?といったかんじかな?また、この小説自体、芥川龍之介の「地獄変」へのオマージュ(アンチテーゼ?)ともいわれています。とにかく腐乱死体をああもきっちり書く理由はドグラマグラだなぁと思わされます。
2.自称彼女の焼死体
「火星の女」に少女の焼死体が出てきます。自分のアイデンティティーを開放するための自殺ですがこれもあぁ…夢野久作だなぁと思わされる1シーンです。(しかも敵に迷惑掛けるようなかたちで)
深読みですが生きることへの現実感が伴わず死体などにより現実と自分との接点を持つという観点が夢野的だなぁと感じます。反対に言うとリバーズエッジを読んでから難解といわれる夢野作品を読むとわかりやすかったです。夢野氏が読者の想像力にゆだねた部分をうまく解説されてると思います。
(miyamoto tomomi)(20050714追加)


ゴダール

岡崎はかなり好きみたいですね、ゴダール。私は「気狂いピエロ」と「勝手にしやがれ」しか見たことがないからよく分からん。映画も苦手分野だな。この項目が成立したのも本当に皆さんのおかげです。

●ゴダール映画「万事快調」
「万事快調」の題名へ転用。ピチカート・ファイヴが同名曲を歌ってますが,岡崎せんせいがピチカートを経由する必要はありません。晄晏

●ゴダール
「ドッペル・ゲンガー」(短編集「ボーイフレンドISベター」)のp160中段のコマは芳賀書房刊「ゴダールの全映画」p41の写真“5月革命のころのゴダール”の引き写し。(Korosuke)

●ゴダール「アルファビル」
1.「愛の生活」p135で上映されてる映画はゴダール「アルファビル」。(Korosuke)
2.「ロシアの山」(短編集「UNTITLED」P224)。下段のコマの絵はゴダール「アルファビル」のスチル写真が元になってます。「アルファビル」の同じ画面が「愛の生活」でも“上映”されてるので、見比べるのも一興かも。(Korosuke)
同じ箇所…(中略)…アンナ・カリーナが手にしていたのは、ポール・エリュアールの詩集『苦悩の首都』でした。ちなみに、アンナが実際に読みあげる詩のほとんどは、<愛>をテーマにしてエリュアールが書いた、彼のほかの詩篇からの抜粋だそうです。詳細は、ユリイカ1998年10月号「60年代ゴダール」収録、遠山純生論文参照。)(pooh)(19991119追加)
まとめると、このコマは三重の引用ということになりますね。構図としては「アルファビル」で、ただしポール・エリュアールの詩集の代わりにダンテの「神曲」を手に持ち、大島弓子の台詞をしゃべる。(tach)(19991119追記)
3.実は私もまだ観てないので[「アルファビル」の内容を]知りません。ざんねん。じゃーなんで引用してるのがわかるのかというと、芳賀書房「ゴダールの全映画」にスチルが載ってたからです。私がメールに書いたゴダールからの引用部分は、だいたいこの本の写真眺めてて気付いたものです。岡崎さんの仕事場にもひょっとするとこの本あったんじゃないかなと思います。スチル写真がいっぱい載ってて値段のわりにお得な一冊ではあります。興味のあるかたは本屋で探すとよいかと。「ゴダール先生の映画は写真眺めて妄想してるときが実はいっとう面白い」という意見もありますし。私が言ってるだけですが。Korosuke)(19990803追加)

●ゴダール「勝手に逃げろ・人生」
「pink」第一話の扉絵。ゴダール「勝手に逃げろ・人生」から。(Korosuke)

●ゴダール「女は女である」
「pink」第四話の扉絵。ゴダール「女は女である」から。(Korosuke)

●ゴダール「女と男のいる鋪道」その1
「pink」第十九話の扉絵。ゴダール「女と男のいる鋪道」から。(Korosuke)

●ゴダール「女と男のいる舗道」その2
「東京ガールズブラボー」下巻p12、サカエのセリフ「あとアンナカリーナのナナみたくギャングにあっさり殺されるのもいいわね」、アンナ・カリーナがナナを演じたのは、ゴダールのこの映画だけのはず。ちなみに、ゴダールは、ルイーズ・ブルックス(G.W.パプスト監督の『パンドラの箱』に出演し<ファム・ファタル>の代名詞にすらなっている娼婦ルルを演じた女優。<断髪(ボブ・ヘア)のバンプ>と呼ばれる伝説的なスター)のヘア・スタイルとメーキャップを、娼婦ナナ=カリーナに装わせたそうです。(この項、すべて平凡社大百科事典:柏倉昌美執筆の「ブルックス」より、引用しました。)(pooh)(19991117追加)

●ゴダール「勝手にしやがれ」その1
「恋愛依存症 KARTE.1」冒頭、鈴木洋子が本(?)を筒にして山田一郎を覗くところ。ゴダールの作品中、ジーン・セバーグも、ポスターを丸めて同じ事やってます。pooh)(19991028追加)

●ゴダール「勝手にしやがれ」その2
「pink」p148の、モノローグ「密告者は密告する」などは、ゴダールと同じですね。ジャン=ポール・ベルモンドのセリフで、「密告者は密告する。強盗は強盗する。人殺しは人を殺す。恋人は恋をする。」pooh)(19991028追加)

●ゴダール 「右側に気をつけろ」
「危険な二人」p19 ポスターに読めるフランス語「Soigne ta droite?」、これ「右側に気をつけろ」ですね。おしりに疑問符がついてますから、「右側に気をつけてる?」くらいな意味でしょうか。あ、ちなみにこの映画の副題は、「une place sur la terre comme au ciel」岡崎さん、このフレーズ「地上にひとつの場所を」ってのも引用してますね。でも、どこだったっけ?pooh)(19991028追加)
「カトゥーンズ」のあとがきですね。Korosuke)(19991101追加)

●ゴダール『comment ca va』邦題は『うまくいってる?』
岡崎『ヘテロセクシャル』収録「うまくいってる?まんまですね。pooh)(19991028追加)

●ゴダール『カラビニエ』
岡崎「名前と言葉」(『ボーイフレンドisベター』収録)のプロローグに、こうあります。「進めば進むほど/わたしは単純になる/眼は星のようだとか/死は眠りのようだとか(Les Carabininiers/Godarld)」 Les Carabiniers/Godardと、こう書き換えれば、ゴダールの『カラビニエ』になります。ただ未見の映画で、上の日本語の部分については未確認です。pooh)(19991028追加)

●ゴダール
「pink」あとがき。「全ての仕事は売春である」と言ったJ・L・Gってゴダールのことだと思う。原典は分からないけど、多分。(tach)
えっと、奥村昭夫訳『ゴダール全評論・全発言�T1950-1967』筑摩書房1998に掲載されてる文章「一本の映画のなかにすべてをもちこまなければならない」に、こうあります。「(略)今日のパリの社会で生きていくためには、どんな生活水準にいる人であれ、またどんな社会的地位にいる人であれ、なんらかのやり方で売春をせざるをえないというもの、あるいはまた、売春に関する掟を思わせるような掟にしたがって生きていかざるをえない(略)」この文章は、映画『彼女について私が知っている二、三の事柄』制作中に書かれたものらしいです。以前に『ゴダール全エッセイ集』竹内書店1970でも、邦訳されたようですから、岡崎さんが読んだとしたなら、こちらの書物でしょう。ですが、そもそもこの映画は、売春をテーマとして扱っているようですから、あるいは映画中の発言なのかもしれません。なにしろ、映画未見です。すみません、参考までにということで。pooh)(19991028追加)
「芸術は一種の売春だと確かボオドレエルがいった」(「性格破産者」の手帳より、辻潤全集1巻 五月書房) だそうです。JLGはお国の詩人を引用してさらに「全ての仕事は売春である」とゆったんじゃないのかなあ。ラミ犬)(19991229追加)
ボードレールのアフォリズム集『内面の日記』の「火箭」からでしょう。「芸術とは何か? 売春。」阿部良雄訳ボードレール全集第6巻ちくま書房、1993、p6。訳者による註には「なぜなら作品は本質からして公的(ピュブリック)なものであり、一個の公衆(ピュブリック)に自らを差し出し、公衆によってしか意味をもたず、出来上がるや否や、誰なりと任意の人間の餌食となるからだ。」と、あります。ほかにも、『赤裸の心』4、『パリの憂鬱』12「群集」にみえる「聖なる淫売」、そのた<売春>に関する言及は数え切れません。(やっぱベンヤミン、とくに『ボードレールにおける第二帝政期のパリ』第2章「遊民」あたりも、ゴダールさん読んでるのでしょうね。岡崎さんも? うえの箇所の読解を、群集論、商品論の視点から論じてます。)pooh)(19991229追加)

●ゴダール「気狂いピエロ」その1
「東京ガールズブラボー」下巻の表紙。顔の前にハサミを持った手を突き出す女の子。「気狂いピエロ」に出てきたように思う。(minari)(19990914追加)
アンナ・カリーナがカメラにむかってはさみを動かすシーンが確かにあります。バックはビュッフェの絵2枚。ラミ犬)(20000723追加)

●ゴダール「気狂いピエロ」その2
「テイク・イット・イージー」(p.34)。弥一郎問題の話を読んで、私も本を広げてみたのですが、p.34の弥七の「オレの生命線」って、J.L.G.の「気狂いピエロ」で、アンナ・カリーナが歌ってた"Ma Ligne de Chance"のもじりだろう、と今まで思ってたのに、手元のCDでは、その邦訳が「私の運命線」になってる…。でもちょっと、似てますよね?しのぶ)(19990923追加)
ところでその「私の運命線」というのは、小島麻由美という歌手の「さよならセシル」というのに同名曲が入ってます。この人もフランス映画がすごく好きそうなので、そういうことでしょう。余談でした。中山=ラミ犬)(19990923追加)
ゴダールの映画でアンナ・カリーナが歌う「わたしのなんとか線」についてなのですが、
http://www.arion-edo.org/natsu/2000/concerts/0713.shtml
の「ずばりここがお薦め! 」によると「わたしの生命線」が直訳みたいですね。"Ma Ligne de Chance"=「幸福線」「運勢線」って感じなのかな。
ラミ犬)(20000508追加)
「わたしのなんとか線」は、字幕でも「わたしの運命線」となってました。ただ、むかし見た映画の字幕と翻訳が違っているところがあったし(最後のランボーの訳など、え?って感じだった)岡崎さんの記憶違いあるいは意図的な変更かもしれないんで、「オレの生命線」はやっぱり関係なくはないと思う。ラミ犬) 余談ですがゴダールの歌は(女)「わたしの短い運命線」(男)「そんなことよりおまえの腰の線」っていうんですよ。(ラミ犬)(20000723追加)

●ゴダール「気狂いピエロ」その3
「エンド・オブ・ザ・ワールド」p42の、モリーのセリフ「あたし何をしてんの? あたしどうすればいいの」、これは、ゴダール作品中盤のアンナ・カリーナのセリフ「私何ができるの。何をしたらいいの。」でしょう。pooh)(19991028追加)

●ゴダール「気狂いピエロ」その4
「エンド・オブ・ザ・ワールド」p. 21は車を始末したときにスーツケースを持ち出すのを忘れて、お金とカードと偽造パスポートを灰にしてしまうシーンですが、「気狂いピエロ」でも、人を殺して逃走して、事故死に見せかけるために車を焼くシーンがあります。火をつけた後でベルモンドが「なにが入ってたと思う?ドル札さ」。カリーナ「お金があれば [アメリカの都市名を列挙] に行けたのに」と怒る。男がわざと金を置いてきた点で少し設定が違っていますね。ラミ犬)(20000723追加)

●ゴダール「気狂いピエロ」その5
「pink」のp132の冒頭のコマで、ユミちゃんが寝ぼけ顔のハルオくんからタバコをとってキスする場面について、カリーナとベルモンドが同じことをやってます。構図からなにから、そっくりです(女が左男が右、女の右手に男の吸いかけの煙草が摘まれてる)。 (陽水)(20010731追加)

●ゴダール「恋人のいる時間」
「好き?好き?大好き?」p169下段の、手のひらの四つあるコマ、ゴダール「恋人のいる時間」からです。pooh)(19991229追加)

●ゴダールの容姿
「ハッピィ・ハウス」の父親の顔のモデルはゴダールです…(略)…同書(エクスファイヤジャパン刊E/Mブックス「ジャン=リュック・ゴダール」)の277ページの上下両段の彼を見れば明らか…(略)…あの髪形と言い眼鏡と言い、テレビ局の敏腕ディレクターという設定と言い…(略)…ゴダールの妻で彼の多くの作品の主演女優を張ったアンナ=カリーナのインタビューの記事があって(同書18ページ前の方)、以下。
・私生活のゴダールはどんな人でしたか。
カリーナ 夫婦であり、しかも一緒に映画を作るという関係には、いろいろ難しいところもあったわ。ジャン=リュックはよく何も言わずに、突然いなくなってしまうの。それも何週間もね。(中略)私は彼が<カイエ・デュ・シネマ>のオフィスにいると思っていたけれど、実際はニューヨークやローマに行ってたの。
とゆうくだり。お父さんは顔だけでなく、性格もゴダールだったんですね。
(陽水)(20010222追加)

●ゴダール「軽蔑」
ゴダールの軽蔑という映画を借りたのですが、その映画の冒頭で「好き好き大好き」にそっくりな言葉が交わされています。ちょっと長くなるんですけど、
私の足見える?
ああ
きれい?
ああとても
足首はどう 好き?
ああ
ひざも好き?
ああ 大好きだ
太モモも?
もちろん
じゃあ背中を見て
見たよ
どう 気に入った?
ああ 最高だ
肩はどう 好き?
ああ
私の髪も?愛してる?
ああ きれいだよ
私の胸 きれい?
ああ すごくいい
じゃあ指はどう 手は?やっぱりきれい?
ああ指も手も可愛いよ
じゃあ肌は? この感触 好き?
ああ 夢中だよ
顔も好き?
何もかも
ほんと?どこもかも?
目も鼻もあごも?
すべて
私のすべてを愛してる?
何から何まで 心から 泣きたくなるほど
私もよ 愛してるわ
で、このシチュエーションっていうのが、裸のブリジットバルドーがベッドの上で恋人と寝そべって話してるんです。
岡キョンはレインのとゴダールのとを合わせて書いたのかなって・・・
Esau)(20040115追加)


その他映画・写真関係一般

●映画「リバーズ・エッジ」
「リバーズ・エッジ」は、映画『River's Edge』(1983年、ティム・ハンター監督、キアヌ・リーブスやデニス・ホッパーら出演。アメリカの片田舎を舞台に、同級生の殺人事件を知った若者たちの孤独な日常を描くシリアス・ドラマ)に設定が似ている星野

●アニエス・ヴェルダの映画「冬の旅」
「チワワちゃん」アニエス・ヴェルダの映画「冬の旅」ってのがこんな感じの、「若くして死んだ無名の女の子のあしどりを関係者の話を聞きながら辿る」映画でした。でも、関係有るのかどうかはわかりません。こんな感動的なエンディングはついてなかったし、そういう手法をとった映画は他にもありそうだし…(Korosuke)

●映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
「ジオラマボーイ、パノラマガール」Scene12 のタイトル。(晄晏
「岡崎京子の4コマ好奇心」に言及例有り。(しまん)(20000419追加)

●寺山修司&羽仁進の映画「初恋地獄篇」
「私は貴兄のオモチャなの」挿入される字幕(?)の“初恋地獄篇”は寺山修司&羽仁進の映画のタイトル。未見なので内容は知りません。(Korosuke)

●映画「兄いもうと」
1.「あねいもと」(短編集「バージン」)。タイトルは映画「兄いもうと」から。映画の原作は室生犀星。(Korosuke)

2.「カトゥーンズ」第18話は「あにいもと」、前に「あねいもと」てのもあったし、このタイトルの語感が好きなのかもしれません。(Korosuke)

●映画「唇からナイフ」
「くちびるから散弾銃」タイトルは映画「唇からナイフ」より。それにしても、いいタイトルです。(Korosuke)

●ヴェンダース「夢の涯てまでも」
「エンド・オブ・ザ・ワールド」当時公開されたヴェンダースの映画「夢の涯てまでも」の原題がUntil The End Of The Worldで、荒野なパノラマ感の強い映画だった。ものすごい空振り映画でしたが…(Korosuke)

ヴィム・ヴェンダースの『パリ、テキサス』
「エンド・オブ・ザ・ワールド」p40、ヴィム・ヴェンダースの『パリ、テキサス』に、岡崎同書p40のように、車の後部座席からフロント・ガラスごしに、ひとを眺めるってシーンが、あったような。ひょっとしたら、別の映画だったかも、ジム・ジャームッシュだったかな??? (pooh)(19991119追加)

●ヴェンダース「ベルリン天使の詩」
「岡崎京子の4コマ好奇心」に言及例有り。(しまん)(20000419追加)

●ブニュエル「自由の幻想」
「カトゥーンズ」作者も言ってるように手法のアイディアはブニュエルの映画「自由の幻想」から。(Korosuke)

●ブニュエル「小間使いの日記」
「カトゥーンズ」第5話「小間使いの日記」。設定も含めてブニュエルの同名の映画から。(Korosuke)

●ジョン・ウィリーのボンデージ写真
「pink」第三話扉絵。ジョン・ウィリーのボンデージ写真から(Korosuke)

●ボンデージ・モデル、ベティ・ペイジ
「東京ガールズブラボー」変身した丸玉玉子は有名なボンデージ・モデル、ベティ・ペイジの顔と身体になってますね。(Korosuke)

●映画「ロッキーホラーショウ」
「ショコラ・エブリデイ」怪しい洋館での“愛”をめぐる一夜のどたばた、ってのは実に映画「ロッキーホラーショウ」っぽいなー、元ネタのひとつじゃないかなー、と思うんだが、私の周囲ではあんまり共感を得られません。(Korosuke)

●笠智衆
「危険な二人」(p36)。花嫁の横に立つ紳士は笠智衆ですね。小津の映画のワンカットじゃないでしょうか。確かめてないけど。 (Korosuke)(19990929追加)
小津安二郎『晩春』のようです。花嫁は、原節子さん。ただ映画本編にこのカットは、使われていないようです。スチール写真からでしょうか。ともあれ、ヴィデオのパッケージには、まさにあの通りのカットが用いられてますから、この作品と断言してよいと思います。pooh)(19991028追加)

●小津安二郎の映画「お早う」
「危険な二人」p37では「日本で一番速いモーニング・ショウ『お早う』!!」 とレポーターが叫ぶけど、『お早よう』も小津安二郎の映画。小津つながりの2ページ。(Korosuke)(19990929追加)

●小津安二郎「晩春」
岡崎「乙女ちゃん冒頭の縁談話のエピソードは、小津作品で、杉村春子が、原節子にお見合い話をもちかけるシーンを、下敷きにしているようです。名前「紀ちゃん」も、ヘア・スタイルも、原さんと同じですね。ほかにも、和室を描くときのロー・アングル、奥行きに向かって長く配置した廊下の向こう側に人物を描く構図、繰り返されるセリフ(「素晴らしかったねえ」「素晴らしかったわ」)、場面の転換に数枚の背景シーンを挿入する手法、直線上に(ことに背を向けて)人物を配置する構図のとりかた、これらも、いわゆる「小津調」ですね。それにしても、『晩春』の原節子さんの不機嫌さは、とてつもなく印象的ですね。笑顔よりも、むしろ魅力的だとおもいます。pooh)(19991028追加)
「乙女ちゃん」や他の作品に見られる小津、というのもまったくその通りだと思います。小津の、あのミニマルなリズムで
“今日もしよかったら上野のカウボーイ・ジャンキーズのコンサートに行かないかい?”
“まあうれしい/私カウボーイ・ジャンキーズ大好きなの!!”
“そうかやっぱりきみも好きだったの”
なんていう会話が交される(「乙女ちゃん」P163)のがやたらおかしい。
Korosuke)(19991101追加)

●小津安二郎「東京物語」その1
小津作品で、上京した父母は、多忙の<実の>息子・娘には喜ばれず、たらい回しにされたうえ、ふたりして伊豆(熱海温泉)に厄介払いされてしまう。彼らを歓待するのは、未亡人の嫁(原節子)のみ。
岡崎「万事快調 Room:no.1」の、「おじいちゃん」は、<実の>娘たちに見放され、孫の家で暮らしている。その一家を切り盛りする長女「ゆきちゃん」は、小津の原節子に当たると思います。ちなみに岡崎 p26では、伊豆にあるのは、老人ホーム。もひとつ、岡崎同作品の冒頭で、お見合い話をもちかける「しげおばさん」、この人は、小津作品の杉村春子(役名は金子志げ)がモデルのようです。
pooh)(19991028追加)

●小津安二郎「東京物語」その2
岡崎「乙女ちゃんp161の洗濯物が干してあるコマ、これは、小津『東京物語』冒頭、笠智衆の息子(原節子の義理の兄)の営む平山医院のシーンを導入するときに用いられるカットと、同じ構図です。
もうひとつ、東山千栄子が土手で孫の守りをするシーンに挿入される風景<半円アーチの三つある橋>、これは岡崎「乙女ちゃん」 p174の橋と同じですね。
pooh)(19991028追加)


●ナン・ゴールディン写真集"THE BALLAD OF SEXUAL DEPENDENCY"
「危険な二人」(p170)。ほんっとーにこれは重箱のスミ、ですが、セーコちゃんの部屋の壁に貼ってあるポスターに"THE BALLAD OF SEXUAL DEPENDENCY"という文字が有るんですけど、これはナン・ゴールディンというひとの写真集のタイトルで、いやまあそれだけなんですが。でも「性的依存のバラード」なんて、「危険な二人」のテーマ考えるとちょっと意味深ではあります。(Korosuke)(19990929追加)

●ハワード・ホークス『三つ数えろ』
岡崎「三つ数えろ」は、タイトルだけ借りてるようです。(この映画、いわゆる<フィルム・ノワール>、犯罪映画というやつですね。参考までに。)pooh)(19991028追加)

●荒木経惟の写真集
「恋愛依存症 KARTE.1」p162の上のコマは何かの写真でみたなーと思って本棚探ってみたら、ありました。荒木経惟の写真集『冬へ』(マガジンハウス)p61。
他にもあるかな、と探すと… 『恋愛…』p160の背景は『冬へ』p6、『恋愛…』p156右下のコマの背景は『冬へ』p54をうつしたもののようでした。
…でもこういうのは多分他にもいっぱいあると思うんですよね。マンガの背景資料に写真を使うのは一般的な事みたいだから。それを指摘すんのも、どんなもんかなあ、とも思いますが(でも見つけたので書いてしまう)…
(Korosuke)(19991116追加)
荒木さんの『平成元年』890522では、岡崎さんが、被写体になってますし、岡崎さんの荒木論「東京に初雪が降った日に」荒木写真全集『陽子』96平凡社収録も、すばらしい散文でしたし、「私は貴兄のオモチャなの」のおしまい、「貴方をアイスのだ」なんてベタベタな駄洒落も、荒木さんの本でみかけたなあって探してたところでした。(pooh)(19991116追加)

●荒木経惟『冬へ』(副題は「Tokyo:a City Heading for Death」)
「恋愛依存症」 KARTE.3 p210の「地元住民をバカに」のコマ、p211の二葉町橋高架橋のしたを二人歩いてくるコマ、それぞれ荒木さんの作品集『冬へ』の、p9、p65からだと思います。
(それから、「恋愛依存症 KARTE.2」p186の柳の木、『冬へ』p111の柳の木かな? ついでにいっちゃえば、「恋愛依存症 KARTE.3」p206の、雪のつもった手すりの高さをながめていると、荒木『センチメンタルな旅・冬の旅』に何枚かみえる、荒木さん家の<バルコニーにつもった雪>を想起しても無理はないんじゃないかなって、感じます。荒木さんの「雪」も「死」と結びついているようですし。ヨ−コさんの遺骨って、道端にとけ残った雪のようですものね。みなさま、どうお感じですか? これです。http://www.ch-teo.com/na_forum/arakinema.htm
(pooh)(19991117追加、1120リンク追加)

●荒木経惟『東京物語』平凡社1989
「私は貴兄のオモチャなの」p124-125、見開き2ページで、ボートに乗ってアイスを食べる、決めのシーン、荒木経惟『東京物語』p24と、構図が一緒です。ただし荒木さんでは、井ノ頭公園の桜が被写体。(pooh)(19991120追加)

●荒木経惟『センチメンタルな旅』私家版 1971
「私は貴兄のオモチャなの」p124-125、荒木さんの写真集の43枚目「柳川名物川下り」に、構図が似ています。あるいは、荒木『東京物語』p24の原形なのかもしれませんね。ちなみに、この私家版写真集は、雑誌『リテレール』No.16に完全収録されました。チェックは、こちらでどうぞ。
もう一個所、岡崎「私は貴方のオモチャなの」p120、眠るポチのコマ、同上荒木写真集の81枚目(こちらは『センチメンタルな旅・冬の旅』新潮社1991、にも収められています。8枚目。)に、そっくりです。ここに画像があります。http://www.tokachi.co.jp/kachi/art/ARAKI/index.htm
それから、荒木写真集の手書きの自序に「写真家としての出発を愛にし、たまたま私小説からはじまったにすぎないのです。もっとも私の場合ずーっと私小説になると思います」とあるのですが、このあたり、岡崎「私は貴方のオモチャなの」p108、ホシコの読む、太宰治『人間失格』に、結びついてはいないでしょうか?
(pooh)(19991120追加)

●セダ・バラ
VAMPS扉の、着飾って小手をかざしている女性の絵は『ハリウッド・バビロンI』(邦訳リブロポート刊)p19の写真が元。写真のキャプションによればこの女性は“セックス・シンボル第1号セダ・バラ”だそうです。『ハリウッド・バビロン』はアンダーグラウンド映画作家のケネス・アンガーによる裏ハリウッド史というかなんというか、ゴシップとスキャンダルをひたすら集積した凄い本。(Korosuke)(19991116追加)
伊藤俊治『裸体の森へ』(ちくま文庫)にも出てました。セダ・バラについての紹介がちょっと面白かったので下に引きます。『セックスと結びついた初めての女性スターたちが、怪物を指す“ヴァンパイア”を略した“ヴァンプ”と呼ばれたことは注目すべき事実のように思う。その第一号はセダ・バラ であり、第一次大戦が勃発した一九一四年にフランク・パウエルが監督した『愚者ありき』(原作は舞台劇「ヴァンパイア」)で男たちを片っぱしから破滅におとしいれる妖艶な悪女を演じ、“ヴァンプ”は男を骨抜きにする「女」の代名詞となった。彼女はその後、クレオパトラやカルメン、サロメといった、男を滅ぼす歴史的な毒婦を次々と演じ、イメージをつくりあげられ、グラマー女優の走りとなる。その名前はARAB DEATH(男を狂い死にさせるような魅力をもったものを指すスラング)のアナグラムであり…』(Korosuke)(20000529追加)

●ヘルムート・ニュートン
『裸体の森へ』でもうひとつ。ちくま文庫版p155に掲載されてるヘルムート・ニュートンの写真は、『PINK』p183ページ(pink 16の扉絵)で引かれています。というわけで、きっとこの本は岡崎さんの本棚にもあったんだろーなと思いました。(Korosuke)(20000529追加)

ロバート・フランク写真集『アメリカンズ』宝島社1993
「エンド・オブ・ザ・ワールド」岡崎ガソリンスタンド(p11)、ウェイトレス(p30)、車内のふたり(p31)それぞれ『アメリカンズ』、p93、p149、p73の引き写しですね。岡崎作品の十字架(p50)も、『アメリカンズ』p103、p105、p107、p119、p123に、散見されます。以下、ジャック・ケルアックによる序文から引用します。「おんぼろ中古車で、まさに地続きの48州全部を走り回って撮った無数の写真」、「とてつもない死の名声の中、サテンの枕に横たわり、人間、黒人、狂った弔問客が列をなして聖なる顔を一目見ようとする、死ってどんなものなのか、死って生みたいなもんか、それとも?」なお、原本は、1958年、パリで初版です。(pooh)(19991119追加)

エドワード・ホッパー 「ドラッグストア」
「エンド・オブ・ザ・ワールド」p34、右下のコマ、岩波 世界の巨匠『ホッパー』1994、p65の「ドラッグストア」そっくりです。ちなみに同書p104、「夜の散歩者」の解説文には、こうあります。「(略)新しい世代の映画監督たちは、この絵に多くを学んでいる。たとえばヴィム・ヴェンダース(略)ケン・アダムスは映画『天国からのお金』(1981年)でまったく同じセットを作っている。」また解説者は同所でジェラール・ゲガンをこう引用します。「(略)将来のある日、人はホッパー、ハメット、ヒッチコックによってアメリカを旅行する。」
ちなみに、エドワード・ホッパー(1882-1967)は、写実的な手法で、アメリカの都市や人々を描いた画家。彼の絵は、アメリカン・シーン・ペインティングに属すらしいです。岡崎の引用した「ドラッグストア」は、1927年の作品。(こちらに画像あり。http://www.i-galleries.com/hopper1.htm
(pooh)(19991119追加)

デヴィット・リンチ『ワイルド・アット・ハート』
「エンド・オブ・ザ・ワールド」p31、「ラジオはつけないでニュースはもう うんざり」、p43の「事故ったあと血だらけでポーチを探し、まもなく死んじゃうおんなのこ」、リンチの映画にも、おなじよな場面がありました。(椹木野衣『ヘルタースケルター』TREVILLE 1992に、この映画を詳しく論じた文章あり。それから、『チェルシー・ガールズ』から、ニコ?のスチール写真も、一枚あります。)(pooh)(19991119追加)

レオス・カラックスの映画『汚れた血』?
「エンド・オブ・ザ・ワールド」p51、ゴダール狂レオス・カラックスの映画『汚れた血』のエンディングに、確か役名がアンナっていう女のひとが、両手を肩の線に水平に挙げて、飛行場を疾走するシーンが、あります。彼女に求愛し続け終に最後まで拒絶される主人公が息をひきとった直後のシーンです。岡崎「エンド・オブ・ザ・ワールド」p51に、似てるような気がします。まあ、でも、ありがちな演出ですから、引用とはいえないかも、です。(pooh)(19991119追加)

●ピクニックアットハンギングロック
「唇から散弾銃」の(合冊本)P170かな。「ピクニックアットハンギングロック」。 これはオーストラリアの監督ピーター・ウィアーの作品です。衣装がビクトリア王朝風で可愛いのは有名。「乙女の祈り」などの作品があります。フラニー)(20000406追加)

●ローマの休日
「ローマン・ホリデイズ」で女の子が髪を切るのはもちろん映画『ローマの休日』の引用ですが、髪を切ることが『ローマの休日』では王女という身分のしがらみを断って身軽になるという事を意味していたのに対して、ここでは失恋した女性がするような、断念というか思いを断ち切るといったような古典的な意味になっています。ooui)(20000406追加)
周知のことかもしれませんが、英語で言う"Roman holiday"とは「人の犠牲[苦しみ]によって得られる娯楽 《ローマ人が楽しみに闘技場で剣士などを闘わせたことから》」(『研究社リーダーズ英和辞典』より)という意味です。映画の『ローマの休日』のタイトルにはそういう意味も込められていると思います。河野)(20000406追加)
映画『ローマの休日』の原題は"Roman Holiday"です。「Roman Holiday ローマ(人)の休日 《他人の犠牲において楽しむ娯楽》.【古代ローマで奴隷や捕虜などに武器を持たせて戦わせたことから; Byron の詩から】」(研究社新英和中辞典より)Byronの詩とは、『リーダーズ英和辞典』(研究社)によれば「Childe Harold's Pilgrimage, IV, 141 より」ということです。河野)(20000406追加)
映画のローマンホリデーですが、私の記憶違いでなければ生前、淀川氏が映画解説でおっしゃっていたことによると、欧米で「ローマ」というとローマ時代の開放的な性のイメージをある種、喚起させる言葉で、ちょっとエロスなニュアンスがある、とのこと。ロマンス、ロマンティックなどローマから展開して定着した言葉の意味などからもわかるように。ここらへんの語感のニュアンスは辺境日本ではちょっと伝わりにくい微妙な欧米的ニュアンスだな、と聞いた当時思いました。だってそれを聞くまでは私にっとて「ローマの休日」はヘップバーンの初々しいイメージもあり、「まっさらでのりの効いた真っ白いハンカチ」っていう語感だったんですもの。この映画はイギリスのアン王女失踪事件(彼女の独身時代おてんばざかりの昔にあったらしい)がもとネタらしいです。ですから、この映画自体、本歌取りなわけです。赤穂浪士の討ち入りが世間のゴシップをにぎわして大人気だけど、幕府が恐いから時代を過去に設定して、(イギリス政府が恐いから、架空の国の王女で舞台はローマに設定して)歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」を作った、みたいな感じか?(Hはナシよ、の淡い初恋話を作った)河野さんの御指摘のように「Roman Holiday ローマ(人)の休日《他人の犠牲において楽しむ娯楽》という昔からの言い回しにもちろんひっかけた上で、じつはこーんなアバンチュール、ロマンティックなロマンスしてたんちゃうん? みたいな語感の膨らましがあり、で、欧米人が聞くとちょっといろっぽく感じるタイトルになっているようです。茶の葉)(20000406追加)

●ひなぎく(ヴェラ・ヒティテロヴァ監督・チェコ)
夏の思い出」と「チョコレートマーブルちゃん」って映画「ひなぎく」にそっくりだと思うんですけど!2人組の女の子、微妙にデザインの違うワンピース着用。とくに「チョコレートマーブルちゃん」はせりふの間とか、お花畑のシーンとか、死ね死ね死ね!とか、おじさんをダマして逃げるとか、「何かお話して」とか、引用の嵐だとおもいます。このあいだリバイバル上映された「ひなぎく」のちらしにも岡崎京子さんが書いたコメントが載ってたし。(Kathuhito Akehi)(20000830追加、20010713リンク追加)
《お断り》同様のことを既に北川タケシさんがご自身のHPと書籍(マンガ夜話vol.2キネマ旬報社1998.12.26刊p253)で指摘されています。でもこの「引用事例集」には掲載されていなかったので、上のようなご指摘のメールをいただいたのを機に追加させていただきました。(tach)(20000830追加)

●ジム・ジャームッシュ「パーマネント・バケイション」
「虹の彼方に」(『私は貴兄のオモチャのなの』75頁)シンちゃんの独白「オレはパーマネント・バケイションな旅に出るのさ」。『パーマネント・バケイション』はジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』以前に撮った作品のタイトル。it)(20010529追加)

●レオス・カラックス「ボーイ・ミーツ・ガール」
「ロシアの山」(『UNTITLED』226頁)4コマ目のナレーション "Boy meets Girl" レオス・カラックスの最初の長篇映画のタイトルが『ボーイ・ミーツ・ガール』。237頁で八橋久実子は自分で自分の髪を切りますが、カラックスの作品でも女の子が自分の髪を切ります。カラックスは昔「パンク世代のゴダール」なんていわれてましたけど、これはむしろ岡崎にふさわしい呼び名だという気がします。it)(20010529追加)

●チャールズ・ロートン「狩人の夜」
「girl of the year」(『チワワちゃん108頁) 大山田建三の指に(a)gnisと書かれていること。 多分この作品が描かれる一年くらい前に日本で初公開したチャールズ・ロートンの50年代の犯罪映画『狩人の夜』に登場する牧師を装った殺人鬼が確か右手の指にHATE、左手の指にLOVEと入れ墨しているところからでは。ビデオのパッケージのナイフをもった拳を突き出している構図など似ているといえば似ている。it)(20010529追加)

●鈴木清順
「危険な二人」P99のセーコのつぶやき、「うーむやっぱ清順はええのー」は、まずこの鈴木清順監督なんですが、セーコが言う通り、メチャ良いですよ。
これが引用かどうかは怪しいのですが、「ハッピィ・ハウス」のるみ子パパは「鈴木清二」となってます。結構近いと思うのですがどうでしょう?
すたこら)(20010731追加)
鈴木清順には、元NHKアナウンサーで書いた本も結構売れた鈴木健二という御兄弟がいるらしいです。清順+健二で清二なのかな?すたこら)(20011212追加)
「ツィゴイネルワイゼン」(鈴木清順監督作品)でネタが使われている内田百�閧フ小説「山高帽子」の中で、「手は変だ」という事が気になっておかしくなる人の話が出てきます。まあそんなに特別な感覚では無いような気もしますが、「pink」P161でハルヲが手を見て気持ち悪くなる場面はちょっと似ているような気がしないでもないです。 すたこら)(20010731追加)
「文藝」(2001年秋号に再録)の「ゴダール漫画」(初出「現代思想」1995.10臨時増刊号、単行本未収録)にも鈴木清順の「殺しの烙印」の1コマが使われてましたね。アキ)(20010731追加)


●サリーマンの写真集「IMMEDIATE FAMILY」
先日、古本屋でサリーマンの写真集「IMMEDIATE FAMILY」を購入したのですが、「リバーズ・エッジ」シーン8の表紙に引用したと思われる写真を見つけました。写真のタイトルは、「The Last Time Emmett Modeled Nude、1987」です。被写体はサリーマンの息子ですが、水の中を進んでいく様子も、にらみつけるような表情もそのままです。こちらのホームページのリンクにある、植島啓司と岡崎京子のFAX通信コトバのカタログ の「権力」の回でもこの写真集について触れられています。ケラ)(20010731追加)


●ウディ・アレン「アニーホール」
「ヘルタースケルター」P129<「私は私を入れるような倶楽部には入りたくない」>はグルーチョ・マルクスの言葉ですけど、この言葉をうけて<つまり「私は私を愛するような人間を愛したくはない」ということ>となっているのはウディ・アレン『アニーホール』からですぼんやり)(20040115追加)


岡崎京子の4コマ好奇心
- 映画編 -

「anan」1989.2.20〜1990.10.15連載

●フェリーニ「甘い生活」
ケータリング・フーズ(出前)について。ピザなんかはフェリーニのビデオ観ながらみんなで食べたい。

●フェリーニ「道」
●ヴェンダース「ベルリン天使の詩」
世界最大のリングリングサーカスを観に行った。世界で一番ちっちゃなサーカスってフェリーニの「道」のザンバノとジェルソミーナの二人組。リングリングサーカスを観ながら、ヴェンダースの「ベルリン天使の詩」のマリオンも空中ブランコ乗りだったなあ、と思った。

●「百万長者と結婚する方法」
岡崎京子、虹彩炎になり、コンタクトをつけられなくなりソニア・リキエルのメガネを買ったという話。メガネといえば「百万長者と結婚する方法」でMモンローがメガネをかけていた、という話。

●「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
今日男のヒト一人と女のコ二人で潮干狩りに行ったけど潮が満ちて何もできなかった。組み合わせはちがうけどチバ版ストレンジャー・ザン・パラダイス。

●「バベットの晩餐会」
映画と同じ天国的メニューがホテル西洋の「パストラル」で食べられます。食べちゃった。

●デニス・ホッパー
永遠の不良少年、デニス・ホッパーの写真展を見た、イカス! 「ブルーベルベット」「アメリカの友人」

●B・ウェーバー「レット・ゲット・ロス」
観た。美しかった。

●「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
●「ヘアースプレー」
遠いアメリカの青春を思う。
以上岡崎京子の4コマ好奇心10項目(しまん)(20000419追加)

思想

あちこちで妙なものに言及して、面食らわせます。人をおちょくって遊んでいるだけなのだろうと思っていると、時折浅田彰の「構造と力」のような「大技」を食らわされるので、油断は出来ません。岡崎は、「思想」において、おそらく「理屈」の人と言うより「センス」の人なのでしょう。思想って言うのは「頭」に宿るものではなく「肉体」に宿るものです。そういう意味で岡崎は「身体で分かってしまう」人なんだな、きっと。(tach)
●ヴェルナー・ゾンバルト「恋愛と贅沢と資本主義」
「pink」単行本が出た時期は,ドイツの社会学者 ヴェルナー・ゾンバルトの『恋愛と贅沢と資本主義』の翻訳が出た直後。オビの文句「愛と資本主義」はそこから取ったんだろう。晄晏

グルジェフ体操(神秘思想家・教祖)
「老人少年」(短編集「好き好き大嫌い」P71)で主人公が読んでる本が「グルジェフ体操のてびき」(tach)

●出口王仁三郎(大本教)
1.「リバーズ・エッジ」おっ、ちょっと、そこの眼鏡の少年。P23の中段のコマの前景でさり気なく本を読んでいる少年。「出口王仁三郎の黙示」っちゃ何だ? 何と恐ろしいものを読んどるんじゃ!(tach)
2.「愛の生活」でもお兄さんが出口王仁三郎読んでた気がする。中山)(19990731新規追加)

●ソシュール(言語学者、構造主義・記号論元祖)
「ジオラマボーイ、パノラマガール」。3ページで妹が読んでる「ソシュールと西太后」って、何じゃそりゃ?(tach)

●R・D・レイン(精神科医)「好き好き大好き」
1.短編集「好き好き大嫌い」の題名に転用。(tach)
2.「チワワちゃん」に収められている「好き?好き?大好き?」のことも忘れないで下さい。これは、まんまレインの詩に漫画をつけたものです。レインは精神分裂症などの本で有名な精神科医ですが、詩人でもあるらしいですね。このみすず書房から出ている本は、とても面白く、やっぱり岡崎京子チックだと思います。読んでない方は、是非、一読をお勧めします。平田)(19990805追加)

伊藤俊治(西洋美術史・写真論・都市論)「ジオラマ論」
「ジオラマボーイ、パノラマガール」タイトル(晄晏
蛇足です。1985年前後かな、浅田彰や四方田犬彦と一緒に「GS」って雑誌の責任編集をしていたとか。そういう方面にはきちんと目配りしておくのがいかにも岡崎だな。(tach)

●ドゥルーズ・ガタリ(ポスト・モダン)「リゾーム」
「東京ガールズブラボー」下巻160ページ。整形して超美人に変身した丸玉玉子に裸で抱きつかれた犬山のびた君が肉体の興奮を鎮めるために必死でお経のように読み上げるのがその一節。(だと思う。ホントは読んだこと無いから分かんないけど。)(tach)

●ドゥルーズ・ガタリ「千のプラトー」
「私は貴方のオモチャなの」の冒頭の星山星子のセリフ「いやこれは物語ではない/それは欲望であり、しかも非欲望である/それは観念や概念ではなく、むしろ実践であり/実践の総体なのだ」はドゥルーズ=ガタリの『千のプラトー』のなかの第六のプラトー「いかにして器官なき身体を獲得するか」の冒頭(邦訳の173頁)からの引用です(「いやこれは物語ではない」以外の部分が)。it)(20000406追加)

柄谷行人「探究」その1
「危険な二人」を読んでたら、ヨーコちゃんが「探究III」というのを読んでいるコマがありました。「KK」って書いてあるの、柄谷行人ですよね。でも「探究」は2までしかないみたい。中山)(19990731新規追加)
あの「サセコ・男好き・すけべ顔・インラン」のヨーコちゃんにあえて柄谷を読ませるところに岡崎の遊びを感じます。(tach)(19990928追加)
蛇足です。「探求III」ってのは途中まで雑誌掲載されて、その後今に至るまで中断されてるみたい。(tach)(19990909追加)
講談社学術文庫版P14からP16にかけて…探求ⅠⅡⅢを通じて、もっともながく恋愛を論じた箇所…「危険な二人」の柄谷引用箇所を読解するうえで参考となれば本望です。
「ある個体の単独性と特殊性の区別は、つぎのようにも考えられる。たとえば、ある男(女)が失恋したときに、ひとは『女(男)は他にいくらでもいるじゃないか』と慰める。こういう慰め方は不当である。なぜなら、失恋した者は、この女(男)に失恋したのであって、それは代替不可能だからである。この女(男)は、けっして女(男)という一般概念(集合)には属さない。したがって、こういう慰め方をする者は、”恋愛”を知らないといわれるだろう。しかし、知っていたとしても、なおこのように慰めるほかないかもしれない。失恋の傷から癒えることは、結局この女(男)を、たんに類(一般性)のなかの個としてみなすことであるから。
のみならず、このような忠告は概してあたっている。というのは、”恋愛”においてある個体にこだわることは、その個体を単独性においてではなく、一般的なもの(イデア的なもの)のあらわれにおいてみることであるからだ。たとえばこの女しかいないと思いつめながら、また次に別の女にこの女こそと思いつめていくようなタイプがある。フロイトがいったように。この女への固執は、幼年期における母への固執の再現(想起)である。次々と相手を変えながら、そのつどこの女と思い込むようなタイプは、フロイトがいう『反復強迫』である。実は、反復強迫は、キルケゴールのいう反復ではなくて想起であり、同一なものの再現なのである。ここには、この他者は存在しない。たんに、法則的(構造的)な再現(表象)があるだけだ。
ある個体への過剰な固執は、したがってその単独性とは無縁であるといわねばならない。プラトンがいったように、エロスとは一般性(イデア)への愛である。一般的にいって、情熱恋愛(passionate love)は単独性とは無縁である。たとえば、ヘーゲル=ルネ・ジラールが明らかにしたように、欲望とは他者の欲望つまり、他者に承認されたいという欲望である。ある個体を欲望するのは、それが他者の欲望の対象であるかぎりにおいてである。他者が愛するような者を愛するということは、その者自体を欲するのではなく、それを獲得することが他者の承認を得られるからである。したがって、どんな恋愛も潜在的または顕在的な三角関係にもとづいている。ライヴァルがいなくなれば情熱恋愛は終る。要するに、情熱恋愛においては、この相手(他者)が問題なのではなく、第三者(他者)、あるいは一般者が問題なのだ。そこでは、<この>他者というこだわりがあるようにみえて、実は<この>他者が徹底的に不在である。」
…惜しむらくは、肝心の、固有名論、他者論に、あんまりからんでいないという点ですね。いわば、<枕>といったところでしょうか。
ところで、岡崎「危険な二人」では、ヨーコとセーコ…の、それぞれの恋愛よりは、むしろ、ヨーコとセーコの間の関係そのものが主題化されていると思います。そして、より柄谷的なのは、もちろん後者だと、思うのです。岡崎さんによる柄谷引用は、むしろ、この指摘に重点を置いているんじゃないかなあ。
私見では、あまり幸福な引用をされてないんじゃないかと思われる柄谷さんですが、岡崎さんのこの箇所は、いい線いってるかも、とpoohはおもいます。
それにしても、何故、「探求Ⅲ」なのでしょうね。謎です。単行本化しろっていう希望なのか、それとも、単行本にできるくらいに書き直せって催促なのか?Ⅲは、ナショナリズム批判といってよい内容(多分)ですから、岡崎さんのマンガとはちょっと距離がありすぎですし。???
pooh)(19991229追加)

柄谷行人「探究」その2
「マジック・ポイント」の山根タカシくんの部屋の本棚(P.32)にも確か「探求」K.K.がありました。(minari)(19990914追加)

浅田彰「構造と力」
「東京ガールズブラボー」。次の一節を読んだとき、これはまさしく金田サカエのことだと思った。
「近代社会のダイナミズムは脱コード化の必然的帰結である。脱コード化の結果、コスモスは沈黙せる無限空間へと還元され、ノモスは解体して人々は共同体の外へ放り出される。コスモス−ノモス構造の解体は、そのままでは文字通りのアノミーに、つまりカオスの全面展開に、つながりかねない。今や新たな解決が求められることになる。ここで近代社会がとった解決は、きわめて陳腐なものと言っていいかもしれない。象徴秩序の紐帯が緩みきったところで、EXCESを抱えてじっとしていることに耐えられなくなったとき、人々はわれがちに一方向へと走り出す。何か絶対的な到達点があるわけではない。走ることそのものが問題なのである。一丸となって走っている限り、矛盾は先へ先へと繰り延べられかりそめの相対的安定感を得ることが出来る。しかし、足をとめたが最後、背後から迫ってくるカオスが全てを呑み込むだろう。それを先へ先へと延期するためにこそ、絶えざる前進が必要になるのである。こうして、近代社会は膨大な熱い前進運動として実現されることになる。」(「構造と力」第一章構造とその外部8≪近代≫について100頁)(tach)

浅田彰「ヘルメスの音楽」ちくま文庫版 p.147 「デルヴォー あらゆる終りのあとの永遠の黄昏(ルビで、クレピュスキュル)の中にたたずむ」
「リバーズ・エッジ」 岡崎の「ノート あとがきにかえて」は、かなり強烈に浅田のテクストを引用しています。(なぜ浅田の名が挙がっていないのか、かえって深読みしてしまうほどです。) 6ページほどの短いものですので、図書館や本屋でのぞいてみてください。ポール・デルヴォーの絵画もカラーで4枚、掲載されています。 ちょっとだけ浅田の引用をしておきますね。「かすかに潮の匂いが漂って」、「かれらは何らかのドラマを生きることなど決してなく」、「少年の慎ましい性器が、開花したかに見える少女のなかで融解の時を迎えることも、決してあるまいと思われる」pooh)(19991005追加)

●植島啓司「天使のささやき 宗教・陶酔・不思議の研究」人文書院 93年
「天使はささやく、地面に身を伏しなさい、そうして祈りなさい。あなたがこれから向かうところは、われわれがやってきたところ−」 このフレーズは、同書のなかで、おそらく4度(10、11、116、188ページ)繰り返されます。この本の、通奏低音といっていいとおもいます。
で、岡崎さんは、96年出版の『チワワちゃん』の、冒頭「LOVE,PEACE&MIRACLE」で、こう引用しています。「あなたが これから 向かうところは わたし達が やってきたところ」
ちなみに、それ以前にも、雑誌「文芸」93年冬号に掲載された、岡崎さんのエッセイ「恋愛に限界はあるのか」で、(ただしこちらでは、ちゃんと著者名を挙げて)同箇所+αが引用されてます。
(pooh)(19991019追加)
植島啓司の紹介は天使のささやきもありますが、競馬の快楽を入れてほしい。文化人類学のことも書かれ、エッセイ風で読みやすいし、ベストと思う。基本的にあの人はギャンブラーで、思想というより、競馬コラムやマージャン雑誌の大会の方が似合う。genuine)(20000123追加)

●ジョルジュ・バタイユ
「東京ガールズブラボー」上巻p16、のび太の読む本「バタイユ」、これは、ジョルジュ・バタイユかな。別人の小説家クリストファー・バタイユ(?)じゃ、ないと思います。えっと、バタイユさんは、哲学者で小説家でもあります。 著作は哲学書に『内的体験』、『エロティシズム』、小説に『眼球譚』、『マダム・エドワルダ』、『空の青』など。岡崎の引用は現代思想系と解してよいですね。ジャック・ラカン(同書上巻p93、下巻p167)も登場してますし。ヘーゲル弁証法のバタイユ流読み換え<両極端の一致>というのが彼の思考のコアらしいです。
「エンド・オブ・ザ・ワールド」のキス・シーンのセリフ(p.46「何もかも 極端なところで結び合うって本当かしら? 愛だとか 憎しみだとか? 無関心だとか熱狂だとか? 生だとか 死だとか」)も、バタイユの影響下にあるのではないでしょうか? 参考までに、『内的体験』現代思潮社 p166、第三部「死はある意味ではひとつの瞞着である 2」より引用しますね。「嫌悪と熱狂的誘惑とは結びあっている。死の中で、それらは激発する。(略)最終的渇望と極限的恐怖とがぶつかりあう点そのものが問題なのである。それほどの恐るべき遊戯と恐るべき夢とを命ずる情熱は、もはや何ものでもなくなることへの欲望であると同時に、自我(強調点略す、pooh)であろうとする狂乱の欲望でもある。」pooh)(19991101追加)

●蓮実重彦「物語批判序説」中央公論社
「恋はエスプリ」(『ボーイフレンド is ベター』収録)p112で、シゲオミ・ハスミが読んでいますね。pooh)(19991101追加)

●フロイト、ユング
「うまくいってる?」(短編集「ヘテロセクシュアル」34ページ)、「生殖を目的としないセックスは全て変態こういだ。」というようなセリフありましたよね。あれはフロイトの幼児性愛と性倒錯の関係の持論なんすよ。
あと「リバーズエッジ」の茂みで観音崎くんがハルナを犯すシーン。パニックを経て恐怖の最深部においては性欲が意識を支配する、というのはユング派が「元型」と呼ぶ、ある種の心理パターンらしいです。(引用ではないですね・・・)
フロイトとユング、この二人の精神科医は「テイク・イット・イージー」(107頁)でそのものズバリでてた…
シレもの)(20000228追加)


その他分類不能

●津田沼「パルコ」
「ジオラマボーイ、パノラマガール」登場人物「津田沼春子」。パルコは津田沼にもあって,千葉県民サエキけんぞう(ハルメンズ)の誇りです。すると,主人公の相手役は,総武快速横須賀線のもう一方の終点を示唆する「神奈川くん」。ぼくは,のちに津田沼パルコに入ってる芳林堂津田沼店で『ジオラマ』をもう一冊買いました。晄晏
ハルメンズの前身「少年ホームランズ」に「メロウ野郎 in 津田沼パルコ」って曲があったという事実。佐伯健三の処女詞作だそうです。池田)(20000413追加)

●実在の人物
『ボーイフレンド is ベター』があるんですが,この書名はトーキングヘッズで,p.102(「恋はエスプリ」) の蓮実重臣クンとp.126(「お嬢様を探せ!!」)の村岡清子さんは実在の人物,とか言ってても,なんかむなしいものがあります。晄晏
蛇足を付け加えます。蓮実重臣クンは漫画家志望のリタ・ミツコと恋仲になるハーフの絵を描く医学生。村岡清子さんは代官山生まれ横浜在住・幼稚舎から雙葉へのお嬢様代表選手として登場。私は蓮実重臣を蓮實重彦(東大総長)と勘違いしていて、「現代思想系の引用」(笑)かと思ってました。(tach)
蓮實重彦のご子息ですな。ミュージシャンです。「パシフィック231」というユニットとして有名。テイトウワや細野晴臣と一緒に仕事してます。ソーチョーの嫁はフランス人だったような。…中略…「ボーイフレンドイズベター」P102の欄外に「はすみくん勝手にお名前借りてすいませんでした」という私信めいた書き込みがあるところを見ると、お知り合いだったということですね。イノウエ)(19990731新規追加)
ひょえぇぇ〜、と言うわけで、急遽、「音楽関係」に「蓮実重臣」を追加しました。(tach)(19990731新規追加)
尚、蓮実重臣オフィシャルページはこちら:http://www.tsunamipacific.com/(tach)(20000613新規追加)
蓮実重臣クンと恋仲になるリタミツコもおフランスの夫婦デュオとして実在。JLGの「右側に気をつけろ」で音楽が使われていたりしています。「ミツコ」は香水の「Mitsouko(ゲラン)」(こんな綴り)からの引用なので、二重の引用ということになります。イノウエ)(19990731新規追加)

●椎名桜子
「ROCK」のP137の扉絵。「よくわかんないうちに ○イナ○クラコにされそー」。自分の実像とは無関係なところにモデルとしての虚像が作られて行くのを目の当たりにした主人公が漏らした感想だが、今となっては大部分の人にとって意味不明の言及になっているだろうと思うので、解説。80年代の中頃だったと思うが(追記:実際には平成元年だったらしい)、何かのコマーシャル(富士通のワープロ?)に出てた女性。「椎名桜子、作家。ただ今デビュー作執筆中」というキャッチフレーズで売り出し、世の人々の頭を「??????」の洪水にした。結局デビュー作が出版されたのかどうか不詳。なかなか気が利いた冗談だったとは思う。「あの人は今?」的に気になる存在である。(tach)(19990811新規追加)
「週刊文春」(1月6日・13日合併号213ページコラム)によれば、最近、未婚の母になった由。(19991230追記)
椎名桜子さんは「おいしい水」という本をだしてます。「ananブックス」か「ananの本」 どっちか忘れたけど、そんなくくりでした。(「ジャンプコミックス」みたいなくくり、でいうと)CMがあったひとだなんて知らなかった・・・なんとなく古本屋で買ったのですが、おもしろくなくてすぐ売っちゃいました(爆)。(みく)(20000501追加)
同じ「ananの本」から「それでも私は白い服がほしい」という本もでてました。(みく)(20010226追加)

●SMスナイパー
「ROCK」P.P.18−19。「ROCK」の主人公を売れっ子モデルに仕立て上げる辣腕女社長スピカがベッドの中で就寝前に読む愛読誌が「SMスナイパー」。スピカはレズビアンだが、その上SM趣味らしい。SMは数ある性的嗜好の中でも際立って「社会性」が強く、そこには俗世間的な「権力」の臭いが常につきまとっている(と、私は思っている。だから私はSMがでぇ嫌いだ…余談) 事業を営む社会的野心に満ち溢れた女社長にはぴったりの嗜好なのかもしれない。
ちなみにその手の趣味がある友人が昔証言したところによると、数あるSM雑誌の中でも、「いやぁ、SMスナイパーは好い…」だそうである。彼の下宿の押入の中には「SMスナイパー」が山のように積んであった。そのことを思い出してしまったので、このエピソードは個人的に妙に可笑しかった。(tach)(19990811新規追加)

●伊東四朗 and/or 小松政夫?
「3つ数えろ」(短編集「私は貴兄のオモチャなの」P.150)。永田ヨーコが誘拐する近所の女子高生が、「ニントスハッカッカ、ヒジリキホッキョッキョ」と歌いながら歩いてます。あれ?これ小松政夫のネタだっけ? (minari)(19990914追加)
これって小松政夫でしたよね確か。うたか)(20010129追加)
これは、小松政夫がヤクザの親分、伊東四朗が子分という設定のコントでやるネタだったと思います。キャンディーズなんかが扮する悪ガキに小松が責められてイジケてしまい後ろを向いてしゃがみこんでしまう。そして伊東四朗が悪ガキたちに「お前らのせいで親分がスネちゃったじゃないか!」とか何とかいいながら「ニントスハッカッカ」と伊東四朗が呟くと、ピクッと反応する親分。さらに「ヒジリキホッキョッキョ」と続けて「ズン、ズン、ズン、ズン、ズン、ズン、ズン、ズン、(←クレッシェンド)小松の親分さん!小松の親分さん!」と出演者全員で囃し立てて小松親分はだんだんと機嫌を直し、最後にはノリノリで「ガッチャマンがんばれ、負けるなガッチャマン」とか叫びだす(笑)
と書くと明瞭に覚えているようですが、実のところ記憶はぜんぜん鮮明ではありません。思い出そうと努めているうちにその気になってしまいましたが、記憶がリミックスされて思い違えている可能性大です。もしかして「ニントス」は小松政夫が言っていたのかもしれません。他の方にも検証していただきたいところです。
ooui)(20010129追加)

●牧野富太郎
「でっかい恋のメロディー」p35で、トシが買おうとするのは、牧野富太郎�@「日本植物図鑑」全二巻と、�A「日本植物志図編」です。牧野富太郎(1862-1957)とは、日本植物分類学の創始者(?)らしいです。かの西原理恵子を生んだ、土佐の国、高知県の出身です。ユーモアのひとみたいで、「日比谷公園全体を温室にしたい」、「私は植物の愛人としてこの世に生れ来たように感じます、或は草木の精かも知れんと自分で自分を疑います、ハハハハ。」なんてことを、自伝「植物学九十年」に書き付けています。平成の現在でもなお、書名に、彼の名を掲げた植物図鑑は、版を重ねています。(こちらも参照してください。牧野植物園のHPです。http://www.i-kochi.or.jp/hp/makino/0000000j.htm
で、�@「日本植物図鑑」全二巻
これは、おそらく「原色牧野植物大図鑑 正続 全2」北隆館 1982 だろうと思います。他に全二巻の牧野図鑑が見当たらないのです。いちお古書価は、昭和61年もの全二冊で¥35000でした。(991104スーパー源氏調べ)およそ原価の半値くらいじゃないかとおもいます。一冊物の「牧野日本植物図鑑」北隆館 は、昭和15年初版。この本を現代語訳した、同じく一冊物「牧野新日本植物図鑑」北隆館 は、昭和36年初版。どちらも、モノクロで、古書価は一万円以下。(ついでにいえば、<原色>というのが曲者らしく、学生の塗り絵レベルの着色だということで訴訟騒ぎになったそうです。その世界の人間は、モノクロ版をいまでも使用しているとのこと。)
�A「日本植物志図編」
「牧野富太郎自叙伝」によりますと、日本植物志図編第一巻、第1−12集(1887−1891)、とあります。古書価、原価ともに調べがつきませんでした。内容も不明です。すみません。復刻版などがきっとあるでしょうが、それなりのお値段はするでしょうね。第一巻第一集は、図版・製版・石版印刷ともに牧野自身の手により成ったそうです。なにしろ絵心のあったひとのようで、多くの植物図版を描いたそうです。
岡崎さん、植物が(あるいは植物図鑑が?)お好きみたいですね。「図鑑少女」p135、「くちびるから散弾銃」合本版p88でも、「植物の図鑑」がイラスト付きで登場します。それから、「お散歩」の植物学者になりたい「みちこ」さんは、科名までもよく諳んじます。植物図鑑好きの証ですよね。余談ですが、岡崎さんが、<花>を描くことに熱心になったのって、いつごろからでしょうね。「3つ数えろ」くらいから? 上手なのかどうか、わかりませんが、見事だなあって思います。
pooh)(19991106追加)

●香山リカ『おかしくってもダイジョーブ!』
「虹の彼方に」p68一番下のコマの文章“PART5「スピリッツ」なしで寂しい時、あなたは届けにきてくれますか?”精神科医香山リカがスタジオボイスに書いたエッセイで、『「スピリッツ」なしで寂しい時、あなたは届けにきてくれますか?』というまんま同じタイトルのものがあります。香山リカ『おかしくってもダイジョーブ!』(ハヤカワ文庫)所収。(Korosuke)(19991116追加)

●ロシアの山
「ロシアの山」について、こういうのもありました。「1873年のウィーン万国博覧会には,木製の斜面上のレールを2人乗りの車が下降する〈ロシアの山〉が登場した。」これすなわち、「ジェットコースターの祖」だそうです。(平凡社大百科事典、「ジェットコースター」、「遊園地」、各項目より。)岡崎さんの「ロシアの山」p234には、「あたし火事ってだぁいすき!!(略)ディズニーランドより好き!!」発言がありますし、「ロシアの山」って、どんな山なんでしょうね?(pooh)(19991117追加)  

●横浜
渋谷や下北沢に次いで結構よく出てくるような気がする。恋人達のデートの定番(「リバーズエッジ」P120、「ROCK」P33)。或いは、幸せな家族は一家そろって中華街に食事に行く(「ハッピィ・ハウス」上巻P125)。ショコラ・エブリデイに至ってはほぼ全編が横浜山手にあると思しき異人館で繰り広げられる。(tach)

●兼田さかえ
金田サカエ@「くちびるから散弾銃」「東京ガールズブラボー」ピチカート・ファイヴの野宮真貴さん著「おしゃれ手帖」(パルコ出版局1999.11)に、以下のような記述がありました。
「いままで私も職業柄いろんなスタイリストさんと仕事をしてきたが、スーパー・スタイリストと思えるのは、ニューヨーク在住の兼田さかえちゃん。何がスーパーかというと、スタイリングはもちろんのこと、彼女のグラマラスないでたち。普通、スタイリストさんの多くは、仕事のときはわりとラフな格好の人が多いのだが、さかえちゃんは違う。仕事のときでも胸が大きく開いたトップスにマイクロ・ミニの革のスカートや、ゴールドの体に張り付くようなセクシーなパンツなんかをはいて現れる。どんなときでもゴージャスな女なのだ。そんな彼女は私が尊敬できる数少ない女のひとりである。」(p.152)
「アルバム『オーバードーズ』のジャケットで使用している赤毛のウィッグは、ニューヨークのパトリシア・フィールドで買った私物。この時のスタイリストはニューヨーク在住の兼田さかえちゃんだった。」(p.178)
カネダの字は違いますが、たぶん元ネタはこれだと思われます。
渋谷)(20000123追加)
兼田サカエさんはもともとモデルやってらしたんですよね。既に処分済みで確認できないんですが、流行通信の80年代総括みたいな特集に、モデルからスタイリストみたく紹介というか、キャプションついてた気がします。池田)(20000129追加)
突然ですが、「かねた さかえ」さんは、もともとは anan の読者モデルだったと思います。確か文化服装学園とかそんな感じの所の学生で一時期のanan にしょっちゅう出ていました。かなりアヴァンギャルドな格好をしていて、インパクトのある子だなぁ〜 と、感心して見ていた記憶があります。初めは読者として出ていて、いつの間にか常連になり、編集部でお手伝い、そしてスタイリストと言うふうになった。と記憶しています(が、昔過ぎて記憶が曖昧)ruru)(20000228追加)

●島崎夏美
「くちびるから散弾銃」「東京ガールズブラボー」夏美ちゃんの方は「OLIVE 」の読者モデルだった島崎夏美(あるいは島野?だったかな?)ちゃんだと思います。初期の「OLIVE 」に都内私立の女子高生モデルとして良く出ていました。その後彼女は、雑貨屋さんの店員になったり、スタイリストになったりで’結局とある有名な雑貨屋に本格的に勤務なさったようです。数年前までは、たまに「LEE」に出ていました。二人とも同じような時期(80年代初期か中期)にしょっちゅう露出していたので、当時のマガジンハウス(になる以前?)の読者なら知っているような気がします。ruru)(20000228追加)
島崎夏美さんは80年代後半に「チロリン」というグループ結成して、ムーンライダースの岡田徹のプロデュースにより、12inchシングルを一枚リリースしてますね(タイトルはわすれてしまった)。ooui)(20000228追加)
'86年に『チロリン』ってのが出てますね。なるほど。池田)(20000228追加)
チロリンについて補足です。…ムーンライダーズのビデオ「ドリームマテリアライザー」(メトロトロン)に出演。
84年に初めて文化屋に行ったら島崎夏美さんがレジに座ってて吃驚しました。(いや、こちらも東京に出てきたばかりだったもので)
まめちゃん)(20000228追加)

●甲田美益子
「くちびるから散弾銃」「東京ガールズブラボー」高田美夜子は理知的なキャラクターといい、dip in the poolの甲田美益子さんでしょう。甲田さんも、ananの読者モデル出身です。ooui)(20000228追加)
「タカダ」は「コウダ」の読み替えですね。なるほど。池田)(20000228追加)

●死ぬにはうってつけの日
「恋愛依存症」KARTE.3 p205の「死ぬのにはうってつけの日」知り合いから聞いたのですが、これは宮本輝の小説に出てくる女流詩人の作品らしいです。ところが、ぼくは宮本輝は読んだことがない。だれか知りませんか。「死ぬのにうってつけの日」というのはイコール「生きるのにうってつけの日」なのよ、と小説の中の女性が言った、らしい。ラミ犬)(20000406追加)
下のURLで、ナンシー・ウッドという人の本「今日は死ぬのにもってこいの日」(めるくまーる, 1995)が出てます。http://www.netlaputa.ne.jp/%7Emerkmal/indian2.html さて、これは岡崎と関係あるのかないのか。ラミ犬)(20000406追加)
15年くらい前に『Good Day for Dying』という写真集を買いました。ニューヨークの報道カメラマンが撮った死体(現場)を集めたもので、やさしい視線の写真で気に入っています。他にインデアン(native American)の言い回しにそういうのがあるという話を聞いたことがあります。けっこうポピュラーな言葉らしいです。ほしの)(20000406追加)
前回ぼくがあげたナンシー・ウッドという人はネイティブ・アメリカンのようです。めるくまーるという出版社はそうした本を出しているところみたい。ラミ犬)(20000406追加)
☆ほしのさん  バーキング・ドッグ(本名忘れた、、ブルース何とか?)氏の「死ぬにはいい日だ」(ニューヨーク交通情報)が邦訳ででていますがそれと同じものなのでしょうか?まめちゃん)(20000406追加)
ちなみに「死ぬにはうってつけの日」はアイリッシュの短編にこの表題のものがあります。フラニー)(20000406追加)
『死ぬにはいい日だ』ブルース・ウィリアムズ、新評論、1990 私の持っているのはこれらしいですが、全然関係ない気がします。
『今日は死ぬにはもってこいの日』 1995年9月刊なので、時期的にはぴったり。当時音楽業界でインディアン(native American)ものが流行ってたから、岡崎さんが読んでる可能性はあり。でもこの引用じゃない気がする。
ちなみにこのタイトルは「いい天気ですね」くらいの挨拶だそうです。 宮本輝  多作な人なので原典不明。でも芸風がかなり違うので、岡崎さんが宮本輝を読んでいる可能性は低いと思う。
ほしの)(20000406追加)
写真集「死ぬにはいい日だ(ニューヨーク道路情報)」(ブルース、ウィリアムズ写真 栗山 章 文」(これは邦訳ではありませんでした。日本のジャーナリストが彼と知り合って写真集を出したものです)この写真集のタイトルとしてはアイロニカルに使われていますが、もともとはアパッチインディアンの挨拶だそうです。天気が良くて、風がいい気持ちで吹いて、そう言う時に彼等は「死ぬにはいい日だ」と挨拶をかわす、自然回帰願望、なんだそうです。まめちゃん)(20000406追加)

●ウゴウゴルーガ
岡崎さん、ウゴウゴルーガも多いですよね。「ウゴウゴルーガ見なきゃ」って台詞がいくつかあった気がするし、「東京ガールズブラボー」下巻P64では、喫茶店の壁にシュール君の絵が。「それいゆ」P69では、康子がブルセラに売ったパンツの柄がトマトちゃんとTV君。フセ)(20000616追加)
蛇足です。1987年(前後かな?)に評判になった幼児番組。コンピューターグラフィックを駆使した画面と、ナンセンスな感覚が、当時としてはとても新鮮でした。私も、ビデオに録ったり、早起きして会社に行く前に見たりしていた覚えがあります。今でもあるんだろうか?(tach)(20000616追加)

●小学館のマーク
「ハッピィ・ハウス」上下巻の表紙の上の方に(裏表紙も同じく)「うさこを抱くるみ子の横顔マーク」がありますが、これは小学館か何かの子供が読む本についてるマークと同じかんじですよね。その小学館(たぶん)のほうは「机にむかって読書する子供を横から見たマーク」だと思いましたが。(みゆう)(20010215追加)
黄色地に赤のシルエットは確かに似てる。きっと意識してると思います。でも、いいんでしょうか、「主婦と生活社」の本でこんなことやって…?(tach)

●せっかちくん
先日、テレビ東京系の「開運!なんでも鑑定団」という番組を見ていたところ、岡崎「虹の彼方に」(短編集「私は貴兄のオモチャなの」49頁)で一瞬テレビに写ってる「せっかちくん」のキャラクター人形が出品されておりました。「せっかちくん」は「おとぼけくん」とセットで、グリコの懸賞で当たるものらしく、自分の声を録音しすると、「せっかちくん」では高い声で、「おどぼけくん」では低い声で再生されるということでした。みなさん「せっかちくん」ご存じでしたか?私は知らなくて、ずっとなんだろうと思っていました。私、あのシーンむっちゃ好きなんです。女のコが「見てーかわいー」とはしゃぐのにイラついた同棲男が女のコをボコボコにしちゃうという。女のコかわいそうなんだけど、けっこう痛快で。「ぼくせっかちくん」という手書きの吹き出しもナイスですよね。ちなみに出品された人形は、録音機能が壊れているのに、けっこうな値がついていました。minari)(20010427追加)



岡崎京子の4コマ好奇心
- その他編 -

「anan」1989.2.20〜1990.10.15連載

●水玉
「アニエスbの水玉ワンピ。南仏の海岸で着たい!とか思っちゃったわ。水玉大好き。かわいい水玉といえば101匹わんちゃん、ディズニー大好き。
●ゴダールの言葉
「ゴダールも言ってたけど、やっぱり仕事って”愛”よ。愛のある仕事がしたいじゃん・・・ とか、考える最近の私。」
●PSY(サイ)
「ストレスの権化、東京の業界人にひそかにうけているPSYというブレインマインド・ジム」岡崎さんも行った、とのこと。
●とんねるずのみなさんのおかげです
「もう好きで好きで大好きで毎日が木曜日ならいいのに。」
●浅草
「アサクサ大好き。キッチン・ヨシカミで絶品のカツサンドを食べて、花やしきというのもオツですが、私の大のお気に入りのお薦めはマルベル堂でブロマイドをとること。」「それにしても、銀座線って”渋谷、青山、銀座、上野、浅草と東京の観光地を完璧におさえたすごい地下鉄だなあ。」
●ボーダー
「シマシマの服って不思議。つい最近たまたま、小津安次郎の”生まれてはみたけれど”とグリフィスの”イントレレンス”とゆう無声映画を見て気付いたんだけどシマシマの服って”不良”とか”悪いヤツ”を表す記号的役割があるんだよね。悪いけど・・・、私はボーダーがシッカリ似合います。」
●ゲーム
「最近はマチがおもしろくないんでお家の中を面白くしよう!!とペレストロイカを叫ぶ私。おへやで”たんば”を友人とするヨロコビとシアワセ。」
以上岡崎京子の4コマ好奇心10項目(しまん)(20000612追加)

●夜遊び
夜遊びサボッていたら、いつのまにかいいお店がデビュー。さっそくチェック。ひとつめ「M-CARLO」ふたつめ「CLLUB MARUYAMA・59」
●ラジカル・ガジベリビンバ・システム
あんまりお芝居とか見ないんですけどラジカルはこれで5回目。
●ビール
ビールを格好の小道具にしているのは村上春樹さんだけではありません。私のマンガの登場人物だって。
●ブランドのロゴ入り袋
「ギャルソン」「ブルジョワジー」の袋は言わずもがな、コンビニの袋まで大切にとっておく。
●ロンドン
どうにか行ってきました、シンコン・リョコー・IN  ロンドン。
●ラッキイ池田
近頃人気うなぎのぼりの振り付け師ラッキイ池田さんに会った。皆、彼の「生き方」に注目しなさい。
●小泉今日子
やっぱ女の子はいつでも元気でいてほしいな。なんてことを小泉さんのクノールの公告のやんちゃな笑顔を見て感じた。
以上岡崎京子の4コマ好奇心7項目(しまん)(20000706追加)
●シンディー・シャーマン
シンディー・シャーマンが好き。
●水族館
水族館マニアというのがいて私もその一人。葛西臨海公園に出現した水族館に出かけたい。
●ロビンソン・クルーソー
中学生の頃「ロビンソン・クルーソー」を読んでいたく感動したっけ。何もなくても生きていけるんだなあって。アコガレル。だからと言ったってやっぱり私はロビンソンではないので、明日、私は伊勢丹かハンズ、丸井インテリア館とかに行くのだ。(注・岡崎、引っ越し直後の話)東京でロビンソンするのは難しい。「ロビンソンの庭」と「ロビンソナーダ」どっちも「ロビンソンもの」の映画。どっちも好き。
以上岡崎京子の4コマ好奇心3項目(しまん)(20000901追加)

番外編・引用される岡崎京子

「恋する乙女は小さな野獣」
話はちょっと違いますが、私はこの扉の絵がパチンコ屋のノボリに無断使用されてるのを見たことがあります。思わぬ所で“引用”されるオカザキさんの絵。…見たのは93、4年ぐらいだったかな。場所は九州は福岡市の近辺です。わりとあちこちで見かけたような。(中略)パチンコ屋のノボリってマンガのキャラの無断使用が多いんですが、あえてこの絵を使ったデザイナーさんの意図はよくわかりません。ともかくあの笑顔の上に「出玉最高」などとプリントしてあるノボリが、何本もパチンコ屋さんの前に立ってたのでした。(Korosuke)

ご協力頂いた方々(順不同)
■【渋谷義人さん】文章を読んでいると感受性に富んだ方だなと思いました。所謂「業界」関係のお仕事をなさっているようです。音楽と映画とファッション関係について色々と教えていただきました。感謝。
■【晄晏隆幸さん】岡崎京子とグレン・グールドへの嗜好と、それから「市場経済社会」への疑念を共有しています、多分。その岡崎読解は鋭く深い。ダ・ヴィンチ別冊の「コミック・リンク」で、岡崎京子のページを執筆。e-mail:teruyasu.takayuki@nifty.ne.jp
■【中山"ラミ"貴弘さん(またの名を「ラミ犬」さん)】岡崎京子と大島弓子への嗜好を共有するメルフレ。大島弓子と高野文子と音楽関係について教えてもらいました。感謝。e-mail:lami@bakkers.gr.jp、HP:「海賊版電子魂花時報」
■【星野仁さん】岡崎京子ページの総本山主宰者。このページに限らず基礎情報はいつも星野さんのページから頂いてます。私の岡崎ページは星野さんのところに寄生しているようなもんですね。感謝してます。HP:http://www.asahi-net.or.jp/~aq4j-hsn/okazaki_kyoko.html
■【枡野浩一さん】朝日新聞でコミック評論もこなす歌人。1999年7月19日発売の文芸投稿誌「TILL」(新風社)は枡野さんの特集号です。e-mail:mass-no@jd5.so-net.ne.jp、HP:http://talk.to/mass-no
■【南G太さん】(私にとっては)謎のパートタイムライター。このページの出来るきっかけを作っていただきました。上記の「TILL」枡野浩一特集号にも何か書かれているそうです。
■【Korosukeさん】ひょっとして映像に関し「写真的記憶力」を持ってる方なのかなっと思います。山のように事例を満載したメールを突然頂いて感動。嬉しかったです。おかげで特に映画・コミック・小説関係が充実しました。ご自身の趣味に走ったHP(岡崎京子や大島弓子についてのエッセイもある)が面白いです。e-mail:dsk@hf.rim.or.jp、HP:「忍法ハトムギ」
■【quizさん】世界で一番センスのいい岡崎京子ページ作者の一人。このページもquizさんのページに多くのものを負っています。感謝。1998年12月発行の『マンガ夜話』vol.2岡崎京子特集のキーワードを星野さんと一緒に書いているそうです。HP:http://www.bekkoame.or.jp/~quiz/home.html
■【ちかりんさん】「大山田健三」のルーツに関する新説、星野氏の岡崎掲示板で見つけて本人ご了承の上転載させていただきました。感謝。
■【tanotanoさん】坂口安吾について教えていただきました。e-mail:tanotano@typhoon.co.jp
■【イノウエさん】「蓮実重臣」に関する驚くべき事実を教えていただきました。e-mail:osamu@inouye.com
■【コーネリ君】【カガさん】【yuzoさん】【この犬さん】【さん】以上大山田健三論争参加者。諸説紛々、面白いですね。星野氏の岡崎掲示板より転載。
■【しのぶさん】R.D.レインと「気狂いピエロ」について追加のご指摘をいただきました。e-mail:bambino@yhb.att.ne.jp
■【渡邊洋之さん】熱があるときの桃の缶詰の起源について教えていただきました。星野氏の岡崎掲示板より転載。
■【KAZUさん】安吾関係並びに村上龍関係について教えていただきました。岡崎と映画の関係について論じたHPも圧倒されます。e-mai:kazu@ango.net、HP:http://www.ne.jp/asahi/web/kazu/
■【ミチルさん】高橋源一郎「朝、起きて、君には言うことが何もないなら」について教えていただきました。e-mail:michirub@lily.yyy.or.jp 尚、これも星野氏の岡崎掲示板より転載です。
■【minariさん】Sonic Youth 他色々と教えていただきました。
■【poohさん】たくさんの事例を掲示板やメールで知らせていただいて嬉しかったです。感謝。e-mail:pooh@micras.ne.jp
■【とみたさん】ある日ふらりと掲示板に現れたとみたさんは、勉強と称して中国語版の萩尾望都や岡崎を読むかたわら、英文の少女マンガメイリングリストに参加して海外布教活動(岡崎京子大島弓子)を実践する偉くて凄い人です。 e-mail:tomita@to-in.co.jp
■【mariさん】ローザルクセンブルクについてご指摘頂きました。ご自分でもちょっと変わった岡崎リスペクトページ「うそっこ日記」を運営されています。e-mail:rinrin@fsinet.or.jp、HP:http://www.fsinet.or.jp/~mariko/
■【池田さん】PiLや「少女椿」についてご指摘頂きました。ご自分のHPで、岡崎作品のイメージの映像化や、過去の貴重なインタビューの発掘など、意欲的な試みをされてます。e-mail:sitebbiw@anet.ne.jp、HP:http://www.ne.jp/asahi/site/bbiw/
■【nikoさん】戸川純「好き好き大好き」の事例を寄せていただきました。
■【genuineさん】植島啓司の補足情報をいただきました。e-mail:genuine@dike.dricas.com
■【内野洋一さん】ムーンライダーズの情報をいただきました。e-mail:yo1@mvg.biglobe.ne.jp
■【フセさん】手塚治虫とスチャダラパーの情報をいただきました。e-mail:confuse@hkg.odn.ne.jp
■【ruruさん】「かねたさかえ」並びに「島崎夏美」情報をいただきました。e-mail:e0a102u@cc.miyazaki-u.ac.jp
■【oouiさん】「島崎夏美」並びに「甲田美益子 」情報他をいただきました。e-mail:cbh96360@pop02.odn.ne.jp
■【まめちゃんさん】「島崎夏美」情報他をいただきました。e-mail:caramel@angel.ne.jp、HP:http://hello.to/caramel
■【内山俊哉さん】「ムーンライダーズ」情報をメールしていただきました。e-mail:chunk@nyc.odn.ne.jp、HP:http://www.hello.co.jp/~u-tosh/8600.html
■【ユキさん】村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」情報をメールしていただきました。e-mail:yuki@kotobuki.freeserve.co.uk
■【フラニーさん】「ピクニックアットハンギングロック」情報他をいただきました。
■【河野さん】「ローマン・ホリデイズ」関連情報をいただきました。e-mail:kawa@oec-net.or.jp
■【茶の葉さん】「ローマン・ホリデイズ」関連情報をいただきました。e-mail:yumyum@po1.dti2.ne.jp
■【itさん】「千のプラトー」関連情報をいただきました。
■【バンビさん】「石川啄木」関連情報をいただきました。e-mail:bambi@pd5.so-net.ne.jp
■【しまんさん】「4コマ好奇心」関連情報をいただきました。
■【ゆきぽんさん】「ピチカート・ファイヴ」関連情報をいただきました。e-mail:Idubfish@lycos.ne.jp
■【リョーコさん】「ピチカート・ファイヴ」関連情報をいただきました。
■【みくさん】「大槻ケンヂ」関連情報等をいただきました。e-mail:mik1@geocities.co.jp
■【おかもとさん】「ピチカート・ファイヴ」関連情報をいただきました。e-mail:pee@24h.co.jp
■【ひなたさん】「フリッパーズギター」関連情報をいただきました。
■【ikuさん】「丸尾末広」関連情報他をいただきました。e-mail:iii@mx3.mesh.ne.jp
■【robertさん】「岸野雄一」関連情報他をいただきました。e-mail:hirobert@bd5.so-net.ne.jp
■【ゆきなさん】「カステラ」関連情報他をいただきました。e-mail:yukina@msh.biglobe.ne.jp
■【Kathuhito Akehi さん】「ひなぎく」関連情報他をいただきました。e-mail:fwip2513@mb.infoweb.ne.jp
■【もっちろりんさん】「愛の矢車草」関連情報他をいただきました。e-mail:fiefi@jp-d.ne.jp
■【なべおさん】「まんゆうき」関連情報をいただきました。
■【やぎさん】「まんゆうき」関連情報をいただきました。
■【高橋さん】「金髪の草原」関連情報をいただきました。
■【kokoさん】「赤すいか黄すいか」関連情報をいただきました。
■【ロータスさん】「バーバラセクサロイド」関連情報をいただきました。
■【うたかさん】「ニントスハッカッカ」情報をいただきました。e-mail:petitmorning@mac.com、HP:http://www16.freeweb.ne.jp/art/boeeman/
■【陽水さん】「ボヴァリー夫人」「ゴダール」「ケン一」関連情報等をいただきました。e-mail:tnsaito@wk9.so-net.ne.jp
■【みゆうさん】「小学館のマーク」についてご指摘いただきました。e-mail:zar79989@bird.zero.ad.jp
■【波平さん】ディーライト関連情報をいただきました。
■【すたこらさん】鈴木清順関連情報をいただきました。
■【アキさん】鈴木清順関連情報をいただきました。
■【ケラさん】サリーマン関連情報をいただきました。
■【ハイロさん】向田邦子関連情報をいただきました。
■【あきさん】高野文子関連情報をいただきました。
■【ゆうこさん】ピチカート・ファイブ並びにレベッカ関連情報をいただきました。
■【dbp w.さん】ギブスン関連情報をいただきました。e-mail:deepbreath@livedoor.com
■【Esauさん】ゴダール「軽蔑」関連情報をいただきました。
■【ぼんやりさん】ウディ・アレン「アニーホール」関連情報をいただきました。
■【虎さん】糸井重里「家族解散」関連情報をいただきました。
■【miyamoto tomomiさん】夢野久作関連情報をいただきました。



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