Ako Gesneriad
赤穂ジェスネリアードは自宅の庭の小さな温室です。ストレプトカーパスをはじめとするジェスネリアード(イワタバコ科植物)の導入、育種、販売。ジェスネリアードの普及を通して多くの方との関わりを広げたい。これが赤穂ジェスネリアードの願いです。 | |
来園の際は事前にご連絡ください。 所在地・連絡先 |
売店の入り口 The Door to the Shop |
赤穂ジェスネリアードの試み |
プリムリナの葉模様 | ||
プリムリナの原種には、葉脈や葉脈の周りが白や灰色の模様になるものが結構多い。これらを親に持つ交配種にも同じような模様が現れることが多く、この葉模様もプリムリナの魅力の一つ。 |
Primulina cordifolia |
Primulina brassicoides |
Primulina dryas |
Primulina yungfuensis |
Primulina guizhongensis |
Primulina minutimaculata |
Primulina sclerophylla |
Primulina verecunda 'AG11-16' |
Primulina tribracteata |
ストレプトカーパスの交配種 (My hybrids of Streptocarpus) |
種間雑種 Interspecific hybrids 原種同士の交配種(F1)はシンプルですが、市販の品種とは異なる魅力があります。 |
S. meyeri x S. roseoalbus |
S. johhanis x S. meyeri |
S. fasciatus x S. baudertii |
S. fasciatus x S. johannis |
1葉種との交配種 Hybrids with unifoliate species 1稔性(結実後枯死)である1葉種と、多年生のロゼット種や園芸品種との交配種は、一般には多年生になりますが、葉の発生が少なく長期間株を維持することが困難なこともあります。1葉種の影響で第1葉が非常に大きくなります。 第2葉以下は、1葉種と同様にほとんど発生しないものから、葉が比較的均等に発生しロゼット種に近いのものまであります。大型、多花性で見栄えのするもの、匂いのあるものもあります。 |
S. cooksonii x S. 'Monarch hybrid' |
S. dunnii x S. roseoalbus |
S. eylesii x S. baudertii |
‘ナツノウミ’ S. 'Natsu no Umi' S. 'Crystal Ice' x S. dunnii |
S. eylesii x S. 'Velveteen' |
‘カホリ’ S. 'Kahori' (S. vandeleurii x S. 'Big Yolk') 有香 |
‘ダイアモンドダスト’ S. 'Diamond Dust' S. #100 x S. denticulatus) |
‘ナツノヒカリ’ S. 'Natsu no Hikari' S. 'Baby Blood' x S. dunnii |
香りのストレプトカーパスScented species S. eylesii と S. vandeleurii ストレプトカーパスの花の多くは香りを持ちません。その中で S. candidus, S. eylesii, S. vandeleurii は香りを持つ数少ない種類です。S. candidus は甘い芳香を持つと言われていますが、残念ながら私の栽培した個体には匂いを認められませんでした。 S. vandeleurii とS.eylesii は強い匂いを放ちますが、いわゆる甘い花の香りではなく、やや重いスパイス系の香りです。 S. eylesii や S. vandeleurii と交配をしてみると、第1世代には匂いが残ることが多いですが、この第1世代を親にしてさらに交配した場合、次の世代では香りが消えてしまいます。そのため、ロゼットタイプの園芸品種に香りを移すことはなかなか困難です (右写真 上:S. vandeleurii 下:S. eylesii) |
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S. kentaniensis との交配種 Hybrids with S. kentaniensis S. kentaniensis の葉は多肉質で細く、花は遅咲き(冬咲き)で小さいが多花性で、非常に個性的な種類です。同種との交配種は一般に、葉が細く、小、中輪多花性で、一般の品種とは一味違います。また、遅咲きの性質を受け継いで、他の品種の花が少なくなる冬(短日期)にもよく咲きます。 |
‘ホタルビ’ 'Hotarubi' |
'Samidare' |
‘ハルノヒカリ’ 'Haru no Hikari' |
S. kentaniensis | |
'Haru no Mizu' |
‘ハルハヤテ’ 'Haruhayate' |
‘ナツゴロモ’ 'Natsugoromo' |
黄色い花をめざして Yellow Flowers 多様な花色を持つストレプトカーパスでも、黄色い花だけは実現していませんでした。いくつかの原種や交配種には花筒の底に黄色が入るものがありますが、黄色い花を作る上で大きな壁は、この黄色の入る場所が下唇(花の下半分)に限定され上唇(上半分)にまで広がらないことでした。筆者の育成した ‘ビッグヨーク’は従来なかった鮮明で大きな黄色の目立つ品種ですが、それでも黄色は下唇に限定されています。ところが、‘ビッグヨーク’と‘サコ・イエローアイ’の交配の中から、上唇にも黄色が入る‘キミ’ができました。淡いレモン色ですが、黄色が初めて上唇にまで広がった点で画期的です。'05年には兵庫県フラワーセンターの廣瀬氏が‘ビッグヨーク’と交配した品種の中から花冠全体がさらに鮮明な黄色の品種が出現し、レモンカード’と命名されました。筆者が'08年に発表した‘ブレデンダル’も‘ビッグヨーク’との交配種で、ピンクの覆輪に花冠全体の黄色が目立つ品種です。 その後イギリスのDibleys 社から発表された‘アリッサ’等、黄色を基調とした品種が欧米の育種家や趣味家からも発表されています。黄色品種の欠点は高温期に色あせることですが、純黄色がストレプトカーパスのカラーコレクションに加わる日が遠くはないかもしれません。 |
‘レモンカード’ 'Lemon Curd' (2005、広瀬) |
‘ブレデンダル’ 'Vredendal'(2008、奥藤) |
‘アリッサ’ 'Allissa' (Dibleys) |
‛エニスバーグ’ 'Anysberg'(2017、奥藤) |
小型化 Miniatur hybrids 小型品種としてよく知られている'Mighty Mouse'や'Cape Beauty' はそれぞれ小型の原種S. pumilus とS. cyanandrusとの交配種と言われています。S. pumilus とS. cyanandrus は近縁の種類ですが、夏の暑さに弱く、短命であるなど、日本での栽培には不向きな性質があります。私は両種ほど小さくはないが、比較的コンパクトな草姿を持ち栽培も容易な、S. meyeri、S. johannisやS. kentaniensisなどを使って丈夫な小型品種の育成を試みています。2号鉢(6 cm 径)程度の鉢で観賞できるものが目標です。下に紹介する私の品種は一応この基準に合うものです。最近発見された小型種S. liliputana との交配もいくつか発表されていますが、今のところ、期待したほどの小型品種は出現していないようです。 |
プリムリナ(旧キリタ)の交配種 (My hybrids of Primulina) |
プリムリナ(属)は中国を中心にアジアが原産の多年草です。プリムリナの原種同士の交配はそれほど難しくありません。しかし、交配種同士や交配種と原種との交配の成功例は少なく、ストレプトカーパスに比べると交配の自由度は限られています。 |