Sweet Pain
byドミ
(15)甘い痛み
「蘭・・・わかるか?オレ達が今、1つになっているのが・・・」
「新一・・・うん・・・わかるよ・・・」
全身に広がる、気が遠くなるような痛みも、先生・・・新一とひとつになった為だと思うと、幸せな甘いものでしかない。
新一が少し腰を揺らす。
わたしは、思わず声を漏らした。
自分でも信じられない位に、高く甘い声が口から飛び出していた。
「蘭・・・蘭・・・愛してるよ・・・」
「ああ・・・っ・・・新一・・・わたしも・・・っ」
新一の動きが激しくなり、一旦落ち着いた痛みがまたぶり返す。
わたしは必死に新一にしがみ付いた。
やがて、わたしの体の奥底から、痛みとは違う、得も言われぬ感覚が湧きあがって来た。
「んっ・・・んっ・・・んああっ・・・あっ・・・んはあっ!」
「蘭・・・蘭・・・っ!」
「あああっ・・・んやああああっ!!」
頭の中が白くはじけ、わたしはのけ反り、大きな声をあげて全身を震わせていた。
そして・・・わたしの奥で、新一のものが大きく脈打つのを感じた。
波が収まったあと、新一がゆっくりわたしの中から出て行き、わたしは喪失感に身を震わせた。
「蘭・・・」
新一が、わたしを優しく覗き込み、わたしの額にこつんと額を合わせて来た。
わたしは、何か言いたかったけれど、声が出せなかった。
涙が溢れて落ちる。
「ごめんな。辛かったか?」
わたしは、黙ってかぶりを振った。
体は少し辛かったけど、心は全然辛くない。
でも、それを上手く言葉にできない。
新一が身を起こす。
そして、新一が避妊具を処理するのを、わたしはぼーっと見ていた。
一体、いつの間にあんなものを、準備してたんだろう?
新一が身を起こし、ベッドから出た。
「行かないで・・・!」
わたしは新一の後を追おうとして、足腰立たず、ベッドから落ちそうになった。
「蘭。すぐ戻って来るから待ってろ」
新一が、わたしの額に軽く口付け、部屋を出て行った。
わたし、どうしちゃったんだろう?
何だかすごく、心細い。
新一は程なく戻って来た。
その手には、お絞りが握られていた。
「新一・・・?」
新一が、わたしの秘められた場所と、太腿の間を、お絞りで丁寧に拭ってくれる。
そこからは、想像以上に血が溢れていた。
「ご、ごめんなさい!」
「・・・何で、謝るんだ?」
「だ、だって・・・新一の家のお布団・・・汚しちゃって・・・」
「蘭」
新一がわたしを抱き締め、わたしの唇を塞ぐ。
触れ合った唇から、絡め取られた舌から、新一の愛情を感じられて、嬉しくて・・・また、涙が溢れて来た。
新一が、わたしを抱き込んで、横になる。
「オメーが謝ることなんか、何もねえだろ?蘭のハジメテをオレがもらった、その為に流した血なんだから・・・オレは嬉しいよ。ありがとう」
「新一・・・」
「オレの全部を、オレの生涯を、お前にやる。だから・・・オメーの全てをオレにくれ」
「バカ。わたしは、とっくに全部、丸ごと、新一のものだよ・・・」
「蘭。オレも、初めて会ったあの日から、全部、オメーのもんだ・・・」
新一はわたしの目を覗きこみ、そして唇が重ねられる。
怖い位に幸せだった。
「・・・新一・・・もう絶対、どこにも行かないで・・・」
「蘭・・・」
「アメリカに行っちゃって、ずっとずっと、寂しかったよ・・・」
「ああ。オレもだ。寂しかった」
「新一・・・」
「でも、一度は、離れなきゃいけなかったんだよ」
「えっ!?どうして!?」
わたしは、思わず問い質していた。
新一はそれに答える事なく、わたしの唇を塞いだ。
新一の唇が喉の方にずれて行き、わたしの胸を新一の手がまさぐる。
「あっ・・・!」
「もう離さない。二度と離さない。他の男には絶対渡さない!」
「や・・・は・・・あっ・・・新一・・・っ!」
「愛してる、愛してる、蘭!」
新一の指と唇がわたしの全身を隈なくたどり、わたしの体は再び熱を持つ。
そして・・・また、新一がわたしの中に入って来た。
「ああっ!」
「ごめん・・・痛いか・・・?」
「だ、大丈夫・・・」
彼が入って来た瞬間、痛みと重量感があったけれど、1回目ほどではなかった。
「わたし・・・幸せだよ・・・新一とひとつになってるんだもん・・・」
「蘭・・・」
新一が腰を動かし始める。
少しだけ痛みを感じたけど、それはすぐに違う感覚に置き換わり始める。
「あ・・・あん・・・ああん・・・」
「蘭・・・蘭・・・すげーイイよ・・・」
「あああっ・・・新一・・・っ」
身も心も満たされて、わたしの誕生日の夜は過ぎて行った。
☆☆☆
気がついた時には、厚いカーテンの隙間から昼の光が部屋に射していた。
すぐ隣には、わたしの探偵さん・・・新一がいて、安心できる温もりに包まれていた。
「おはよう、蘭」
「お、おはよう・・・ございます・・・」
お互いに、何も身につけていないまま。
何だか急に、恥ずかしさがこみ上げてくる。
新一がわたしの唇を塞ぐ。
舌が絡み合う濃厚なキスに、頭がクラクラとなる。
「これでオレは犯罪者だな」
新一がちょっと苦笑して言った。
「えっ?何で!?」
「成人した者が、18歳未満の者とエッチするのは、都の条例違反なんだよ」
「えええっ?そんな規則、あるの!?」
「例外は、親も認めた婚約者である場合」
「そんな・・・」
親は・・・父と母の顔を思い浮かべたけれど、確かに2人とも、簡単に許しそうにはないと思った。
「元々オレは、蘭が18歳になるまで待とうと思っていた訳じゃない。蘭さえ受け入れてくれるのなら、その時は遠慮なく、蘭を抱く積りだった」
「新一・・・」
「法的には違っていても、もう、お前はオレの妻だ」
「・・・・・・」
「ただ、オレとオメーが教師と生徒でいる間は、引き離されない為に、誰にもオレ達の仲を気取らせる訳には行かない」
「うん・・・」
「園子嬢以外の人に知られる訳には行かねえよな」
「園子は、良いの?」
「ああ。彼女は、オレの味方ではねえだろうけど、蘭の絶対的味方だろ?」
「うん!」
新一が、園子の事を「蘭の絶対的味方」と言ってくれたことは、素直に嬉しかった。
「蘭のご両親の信頼を得られねえのは、オレの不徳だ。まあ、頑張るよ。蘭が高校を卒業するのと一緒に、蘭と法的に結婚できるように」
そして、新一はわたしを抱き締めた。
「それにしても、5年の月日の流れってすげえな」
「え・・・?」
「いや・・・想像した以上にずっと・・・蘭が綺麗になってたからよ」
新一が、顔を赤くして言った。
「5年の間に、蘭に対して自制できるようになった積りだったんだけどな。成長した蘭を目の前にしたら、全然ダメだった」
「えっ、どういう事?きゃっ!」
新一がいきなりわたしの胸に吸い付いたので、わたしは思わず声をあげてしまった。
「初めて会った時から・・・蘭と、こうなりたかった・・・」
「え?えっ!?初めて会った時って、だってわたしまだ、11歳の子ども・・・」
「ああ。まだ11歳のお前を、オレは・・・夢や想像の中で犯してた・・・」
さすがに、わたしは息を呑んだ。
嫌だとか気持ち悪いとかは思わなかったけど・・・少し、怖いって思ってしまった。
「新一って、ロリコンだったの?」
「ちげーよ。大人でも、子どもでも、蘭以外の女にこういう事してえって思わねえから、オレは蘭コンであってロリコンではねえって自信はあった」
新一が、熱く溶けそうな眼差しで、わたしを見詰めて来た。
「オレも、やりたい盛りの高校生から、一応は大人になったし。蘭から離れている間に、自分を抑える術を身につけた積りだった。けど、いざ、高校生になった蘭を目の前にしたら、蘭が欲しいって気持ちがスゲー強くなっちまって」
「・・・よく分からないけど。新一がこういう事したい相手は、わたしだけなんだよね?」
「ああ」
「すごく嬉しい」
「・・・まだ幼いお前相手に欲情した事については、引かねえのか?」
「引かないよ。むしろ、嬉しいよ。だって・・・」
新一が微笑み、わたしの唇を塞いだので、わたしは続きの言葉を言えなかった。
わたしの中に、自分でも驚く位の独占欲があったのが、改めて分かった。
欲望を向けた相手が他の女性だったってより、幼いわたしだったって方が、ずっとずっと良い。
それに・・・新一は多分、わたしを「新一の欲望」から守るために、長い間わたしの傍を離れていたんだって事に、わたしはようやく、気付いていた。
新一は、わたしに触れたいという欲望と、わたしを大切にしたいという想いの狭間で悩んで苦しんで、わたしの傍を離れたんだ・・・。
わたし、本当に愛されているんだって思って、とても幸せだった。
5年間離れていたのは、とても寂しかったけど、でも、もう二度と、その事で新一を責めるのは止めようと思った。
これから先、新一がずっとわたしの傍にいてくれるのなら、それで良いって思う。
新一に全てをあげた事、結ばれた事、それを後悔はしない。
でも、周囲に理解が得られる事じゃないから、隠し通さなきゃならない。
「オメーはきっと、綺麗になるだろうって思ってた。だから・・・高校入学には間に合わせようって思ってた」
「新一・・・?」
「他の男がオメーをほっとかないだろうし。オメーだっていつ何時、他の男に気持ちが向くかは、分らねえし。他との接触が少ない帝丹学園に入れたところで、ぜってー大丈夫って事はねえし。中学生でも大丈夫とは言えねえが、高校生になったらいろんな男が言い寄って来てやばいと思ったから・・・」
「・・・それは・・・」
多分、それはないと思う。
探偵さん・・・新一の事がずっと心にあって、他の男の人に心惹かれる事は、きっと、なかっただろうって思う。
ただ。
今ちょっと、新一の言葉で引っかかった部分があったのよね。
「新一。わたしを帝丹学園に入れたって・・・新一が?」
「園子嬢の父上に、帝丹学園を勧めたのはオレだ。園子嬢の安全を守るためにはそれが一番良いって言ってな。ま、それ自体、事実なんだけどよ・・・多分、園子嬢は、1人で帝丹学園に入学するのを心細がって、蘭と一緒じゃなきゃ嫌だって言い出すだろうって見越してたのは、事実だ」
新一が、ちょっとにやっと笑って言った。
結構、策士なんだ、この人。
わたしは、ちょっとだけムカムカしてきた。
「じゃあ、何?わたし今まで、新一の掌で踊らされてたって事?」
「何でそうなる?第一、肝心の部分は、オレにはどうしようもねえだろうが」
「肝心の部分?」
「蘭の、気持ちだよ。どんなに虫除けに励んでも、蘭がオレを好きになってくれなかったら、他の男を好きになっちまったら・・・」
「し、新一・・・」
新一の表情が切なそうなものに変わる。
「人の気持ちだけは、どうしようもない。オレはお前が欲しいと思っていたけど、心のない人形が欲しかった訳じゃない」
新一が上から覗き込みながら、わたしの頬に手を滑らせる。
「お前に会えない日々、お前が高校入学するのと同時に教師として赴任する事を目標にして、かなり頑張って勉強したんだぜ。あっちの大学は日本と違って、入学より卒業の方が大変なんだからな」
「・・・新一・・・」
「色々と、怖かった。帝丹高校に教師として赴任する事は、あちらの大学を無事卒業したらOKって、阿笠博士と約束はできてて、そっちの心配はなかったんだが。いざ、帰ってみて、オメーにもしかしたらもう恋人がいるかもしれない。いや、もしいなくても、オレの事はそういう対象として見てもらえないかもしれない。そんな事を考え始めるとどうしようもなくなるから、考えないようにしてた」
「・・・わたしは・・・初めて会った時から、探偵さんの事、好きだったよ・・・わたしを助けてくれたからじゃなくて、真っ直ぐに事件に向き合う正義感が、素敵だなって思ったの・・・」
「蘭・・・」
「新一が帰って来なくてもきっと他の男の人は目に入らなかったって思う・・・でも、新一が帰国して、こうやって新一の恋人になれて・・・嬉しい・・・」
「蘭。オレは生涯、お前以外の女を愛する事はない。だから、こうして、お前がオレの腕の中にいるなんて、スゲー幸せだ・・・」
わたしの唇がまた塞がれて、新一の手がわたしの胸を揉みほぐし始めた。
「んんっ!」
「蘭・・・スゲー綺麗だ・・・夢みたいだ、こうやって今、お前を抱いているなんて」
「あ・・・んっ・・・はあっ」
昨夜知ったばかりの快楽の波が、わたしを襲う。
新一が入って来た時の痛みも、大分少なくなってきた。
「蘭・・・オレの蘭・・・」
「ああっ・・・新一・・・新一・・・」
何度も訳が分からなくなって。
何度も頭が真っ白になって。
何度、新一の熱い欲望が注がれたのか。
直接わたしの中に放たれる事は、なかったけれど。
時を忘れて、わたし達は交わっていた。
☆☆☆
さすがに、お腹が空いたので、新一の家の台所にある食料をあさり、レトルト食品を利用して何とか一息ついた。
「すげえ、手際が良いな」
「だって・・・帝丹学園に入る前は、家でご飯を作ってたんだよ」
「そっか」
新一は、一緒に作業をしてくれたけど、お世辞にも手際が良いとは言えなかった。
新一も今は、帝丹学園の職員寮にいて、自炊する事も可能だけど、平日は殆ど職員食堂で食事をしてるって事だった。
「学生寮でご飯が作れるなら、新一にもお弁当作ってあげるんだけどなあ」
「高校までは協同キッチンだからなあ。大学の学生寮になると、部屋ごとにミニキッチンがあるんだが」
「うん・・・」
「けど、オレの希望としては、大学は別のところに行くか、でなけりゃ、大変だけど通学にするかにして欲しい」
「・・・・・・」
帝丹学園は全寮制。
だけど、大学部のみ、必ずしも入寮しなくて良いし、寮に入った場合も高校までと違って門限はない。
「蘭が高校を卒業したら、こそこそじゃなくて、堂々と一緒に住みたい」
「うん・・・」
「オレが帝丹高校の教師をするのは、オメーが高校生でいる3年間だけって決めてるからよ」
「新一・・・」
自惚れでも何でもなく、新一はどうやら、全てわたしとの事に照準を合わせて、帰国のタイミングも、帝丹高校の教師になる事も、決めていたらしい。
わたしは、高校を卒業したら、新一と共に暮らす事を、もう既に決めていた。
お父さんとお母さんは反対するかもしれないけれど。
わたしはもう、新一のお嫁さんになったのだもの。
食事の後は、2人でお風呂に入った。
昨夜はお風呂に入りそびれたし、運動もして汗かいてるから、お風呂には入りたかったんだけど・・・一緒に入るなんて恥ずかしかったのに、何となく新一に押し切られてしまった。
「あ・・・あ・・・だめえ」
「ダメじゃねえだろ。ホラ、全部洗ってやるよ」
「ああん」
わたしの体を洗っているのは、新一の手。
石鹸をたっぷりつけて、わたしの体を這い回っている。
そ、そりゃ、確かに綺麗になっているんだろうけど!
感じ易いところを的確に巧みな指使いでいじられると、おかしくなっちゃう!
新一は、わたしの体にお湯をかけて、石鹸をきれいに洗い流す。
「浴槽のふちに手を掛けて」
「え・・・?うん・・・」
何をされるのかわからないままに、わたしは新一の指示に従う。
すると、新一がわたしの腰に手を当て・・・そして、わたしの中に新一のモノが入って来た。
「はうっ!」
「きつっ・・・ごめん、痛かった?」
「なっ・・・やあああん!」
一瞬息が詰まったけど、痛みはそこまでなかった。
でも、こんな格好で抱かれるなんて思わなかったから、頭が混乱していた。
「あああっ・・・やああああっ!」
「はあ・・・たまんねえ・・・蘭の中、最高に気持ちイイッ」
新一が激しく動き、わたしは必死で浴槽のふちにしがみ付いていた。
やがて、新一のモノがドクンと脈打つ。
まさか、中に出したの!?
わたしの頭は朦朧となりかけていたけど、一瞬、血の気が引きかけた。
新一の子どもがもし宿ったのなら、命を懸けても産む積りだけど。
昨夜から今迄、ずっと避妊具を使っていたのに。
と思って新一の方を見ると、新一は避妊具を外して処理しているところだった。
お風呂場にまでいつの間に持ち込んだんだろう?
わたしは、お風呂場での行為に、すっかりのぼせてしまって、意識を途切れさせていた。
ふと気づくと、ベッドの中で、新一に抱き締められていた。
「ごめん。オレはスゲー気持ち良かったけど、オメーには無理をさせちまったよな」
「ううん・・・」
無理なんか、してない。
だってわたし、幸せなんだもん。
でも、ちょっとだけ引っかかる事があった。
「ねえ」
「ん?」
「新一、わたしの前に、誰かと経験ある?」
「はあっ!?ある訳、ねえだろ!オメー以外の女にその気になれねえんだからよ!」
「でも、じゃあ、何で・・・」
「蘭?」
「そ、その・・・避妊具の用意がしてあったのかなって・・・」
「は?」
「だって・・・変じゃない?昨日は最初から、わたしとエッチする積りだった訳じゃないんでしょ?」
新一がちょっとバツの悪そうな顔をして、明後日の方を向いた。
「あーいやそのう・・・」
「新一?やっぱり・・・他の人と練習したんだ?」
ふとした疑問を口に出しただけなのに、わたしは大きなショックを受けていた。
全然、考えもしていなかったんだけど、新一は大人の男の人だし、わたしの事をずっと想ってくれていたにしても、体だけのお付き合いとかがあっても、不思議じゃないよね?
「いや、そうじゃなくて!その・・・母さんが・・・」
「新一のお母様?」
「オレがイイっつってんのに、『女の子を泣かせちゃダメよん』って、大量の避妊具を押し付けて来たんだよ!・・・ま、まあ、それが結局役だったんだけどよ」
「えっ!?」
「まあ、ちょっと変わっているというか、理解あるというか、奔放というか・・・確かに、気分が盛り上がって急きょ必要になった時に、『今から買ってくる』じゃ、とてもお間抜けだっただろうから、助かったと言えば助かったけど・・・でも、もし、家になかったら、オレは・・・昨夜帰り道にコンビニに寄っていただろうぜ」
赤くなって語る新一の話に、わたしは思わず吹き出していた。
「こら、笑うなよ」
「だって。新一は大人だから、わたしの前にそういう関係の人がいても仕方がないって、思ってたから・・・安心しちゃったんだもの」
「安心したからって、笑うのかよ・・・」
「うん。良いじゃない。新一のお母様って、女優の藤峰有希子さん、だよね。わたし、ファンなんだ。いつか、お会いしたいなあ」
「父さんも母さんも、アメリカにいて滅多に日本には帰らねえけど、いずれ会う機会もあるさ」
新一を育てたご両親だから、きっと良い人達だと思うけど。
わたし、気に入って頂けるだろうか?
年端もいかない内に息子をたぶらかした女って、思われないだろうか?
ちょっとだけ、心配になってしまった。
(16)に続く
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<後書き>
内容はないよう、な、ただただ、イチャイチャラブラブしている2人。
なのに、無駄に長い。
ので、本当は寮に帰るまで書く積りだったのに、ぶった切っちゃいました。
このお話の蘭ちゃんは、何気に鋭いです。
それに、工藤先生、語り過ぎだよね。多分、原作の新一君は、色々妄想してた事を敢えて蘭ちゃんに語る事はないだろうって思う。
でまあ、完全に禁断の扉を開いちゃった二人ですが、深刻に思い悩むとか、かなりやばい状況になるとか、そういう話にはしません、多分。
2人はここまで十分辛い思いをしたと思うので、これ以上苛めたくはないんです。
この後、園子ちゃんがちょっと危ない目に遭うかな?
でも、色黒王子が登場して助ける予定なので、ご容赦を。
2013年5月26日脱稿戻る時はブラウザの「戻る」で。