セクシーランジェリー



文:ドミ
挿絵:琴沢月様



毛利蘭が高校卒業と同時に工藤新一と結婚して工藤蘭になってから、3年が過ぎていた。
大阪に居る服部平次と遠山和葉も、昨年学生結婚している。
鈴木園子はつい先頃京極真と学生結婚したのだが、真の方が姓が変わり、園子は鈴木園子のままである。


   ☆☆☆


「ねえ蘭、見て見てこれ!」

ある日、工藤邸に遊びに来た鈴木園子が、蘭に見せたのは、フリフリスケスケのランジェリーだった。

「そ、園子!どうしたのよ!」
「むふふ〜、通販で買ったんだ〜、たくさん買ったから、蘭にもあげるよ!」
「ええ!?私はいいよ、そんなの!」
「遠慮しなさんなって、新一くん、絶対喜ぶに決まってるんだから!」


園子は最近通販に凝っていて、その時々のマイブームで大量に買い込んだものを、こうして蘭に押し付けに来るのである。
蘭は、こういう時の園子の強引さに勝ったためしがないので、ただ苦笑するしかなかった。

「ホラ、着てみてよ!」

蘭は園子に押し切られるままに、試着してみる。
園子とは一緒に露天風呂に入りお互いの裸を見た事はあるが、こういった下着姿を見せるのはやはり恥ずかしいものがあった。

「うん、似合う似合う!絶対新一くん喜ぶって!」

そう言って園子ははしゃいだ。
蘭は恥ずかしさのあまり、下着を替える事もせずに早々にその上から服を着た。


   ☆☆☆


そしてそういう日に限って新一は早く帰って来た。
事件を追っていて、4日ぶりの帰宅である。
蘭は今自分がやばい下着を着けている事もすっかり忘れ、小走りに玄関に行って新一を出迎えた。

「新一お帰りなさい。今日は早かったのね、すぐ御飯の支度するからね」
「・・・・・・」

新一はいきなり問答無用で蘭を抱き上げ、寝室へと向かった。

「えっ、ちょちょちょっと新一っ!?」

横抱きにされて下から見上げる新一の顔は、何故だか怒っている様に見える。


蘭をベッドに下ろすと、新一は服の上から蘭の胸を掌で覆って揉み解した。

「あん・・・っ!」

蘭の唇から甘い声が漏れた。
新一が低い声で言う。

「オメーまさか、この格好で表に出たんじゃねーだろうな?」
「え?あっ・・・」



蘭は真っ赤になった。
そう、蘭はスケスケランジェリーの上に直接服を着ていたものだから、乳首の形がくっきりと服の上に出ていたのである。

「どこも行ってないよ。今日はずっと家に居たもん」

蘭の答に新一の目の光は和らいだ。

「けど、いきなりセールスマンが押しかけて来たりするかもしんねえから、家ん中でもちゃんとブラは着けとけよ・・・」

独占欲に溢れた新一の言葉は、蘭に取って不快ではない。

「う、うん・・・ああん、はあっ」

新一の愛撫に飲み込まれそうになっていた蘭だったが、突然ハッとして新一を押し退けようとした。
今日の自分の下着を思い出したからだ。

「あ、だ、駄目っ!ちょっと待って!」
「待たねーよ。4日ぶりなんだ、早くオメーが欲しい」
「でででもっ、夕御飯・・・!」
「それより蘭が食べたい」
「あ、ああ、駄目・・・」

新一は蘭を強く抱き締めて口付けた。
新一の舌が蘭の舌に絡まり、吸い上げる。
蘭の力が抜けたところを見計らって再び新一の手が蘭の服にかかった。
そして蘭の抵抗むなしく(蘭も心底「嫌」なわけではないので、抵抗に力が入らない)、新一は蘭のブラウスを脱がせた。
蘭は恥ずかしさにギュッと目を瞑った。

一瞬息を呑んだ気配がして、新一の動きが止まる。

『あ〜ん、やだやだ、新一に変な風に思われちゃうよ。はしたないって嫌われちゃったらどうしよう』

蘭は恥ずかしくなって顔を両手で覆った。

新一が薄い布越しに蘭の乳首をついとつまむ。

「あ、やあああん!」
「こんな格好もそそるよなあ、それにオメー、今日はいつもより感度がいいじゃん?」
「や、やだそんな、はあああん」

新一が布地越しに蘭の乳首を口に含み、蘭は身悶えしながら高い声を上げた。
薄い生地を通しての愛撫は、妙にいやらしい感じがして蘭の羞恥心を煽り、その分逆に感じ易くなってしまっているようだった。

キャミソールを着けたままに、蘭の上半身を丹念に愛撫した後、新一の手は蘭のスカートを脱がせて行った。
パンティもキャミソールと同じくスケスケの生地で出来たフリフリのものである。
新一の指がついと下着の上から蘭の大切な所をなぞろうとした。

「あ、嫌、駄目ぇ!」
「んん?」

新一の指が直に蘭の大切な所に触れて、水音を立てる。

「何だこれ?」



新一が蘭の足を広げてそこを見た。
蘭が今着けているパンティは、何と、大切な所に沿って穴が開いているのであった。

「ああ、やあああ」
「へえ・・・これ、もしかしてパンティ着けたままでやれるって、そういうやつ?」

新一が意地悪そうな声でそう言って、蘭は恥ずかしさのあまり両手で顔を覆ったまま真っ赤になっていた。
新一が、顔を覆う蘭の手をどける。
そして蘭に口付け、顔の傍で囁く。

「蘭はこれ着けて、俺にしてもらうの、待ってたんだ?」
「ち、違うもん!これは今日園子が・・・新一が絶対喜ぶからって・・・!」
「やっぱり、俺の為にこれ着て待ってたんだ」
「ち、ちが・・・」

違うとも言いきれず、蘭は口ごもる。

「嬉しいよ。これは御期待に応えて、たっぷり蘭を堪能させて貰わなきゃな」

そう意地悪そうに言いながら新一は蘭の体に愛撫を加えて行く。


「そろそろ、いいか?」

新一の言葉に蘭は恥ずかしそうに頷いた。
新一は自分の固くなった分身をパンティの隙間から蘭の中に入れて行く。

「んあああああああっ、はあん、新一ぃ」
「くっ・・・蘭、スゲー。オメーん中、最高!」

新一はいつもより一段と激しく腰を動かす。

「あっはあああっ・・・!いい、いいのお、新一、新一ぃ!」
「蘭、蘭っ!」
「んあああああっ、ああああああああんん!!」

蘭が高く声を上げて果て、新一も蘭の中に熱いものを吐き出した。


蘭は満ち足りた気分で新一の背中に手を回していた。
新一は既に全裸となっているが、蘭はキャミソールとパンティを身に着けたまま・・・何だかかえって裸より恥ずかしい気がしていた。

新一が身じろぎした。
いつも通り、一旦蘭の中から自身を引き抜くかと思っていたが、今日は違った。

「え?新一?」



蘭の中の新一の分身が、再び固く大きくなっているのを蘭は感じた。

「オメーがあんまり可愛いからよ、すぐに元気になっちまったぜ」

そして再び新一の律動が始まる。

「あん!あああん!」
「くっはっ!蘭・・・!」
「あああああんん!!」


   ☆☆☆


新一は蘭と繋がったままに何度も回復し、何時間にも渡ってその行為は続いていた。

「っ・・・しん・・・いち・・・わたし・・・もう・・・」

既に蘭の感覚は麻痺し、快感も苦痛も何も感じないようになっている。
今までに「抜かずの2回戦」は何度かされた事があるが、繋がったままにこれ程長時間というのはなかった。

「蘭、蘭!」

新一の律動は続いている。


大体セックスにおいては女性より男性の方が体力消耗する筈なのに、新一のこのタフさは何事であろうか、と蘭は朦朧としかかった頭で思う。

「やあっ、はああああああん!」

今夜幾度目になるかわからない高みの中で、蘭はとうとう意識を手放してしまった。


   ☆☆☆


朝の光の中。
蘭は目が覚めたものの、完全に足腰が立たなくなっており、まだベッドの中に居た。
例の下着は身に付いたまま・・・しかし汗と体液まみれで、洗濯しないといけない状態だった。
洗った後、干し場所はどこにしようかと蘭はボンヤリした頭で考える。
他所の人は勿論、新一にさえも、「この下着を干した所」を見られたくなかったのだ。

普段から新一は家に居る日は毎晩、1度と言わず蘭を求めるのが常であった。
昨日のように何日か不在にした後は、尚更執拗に何度も蘭を抱く。
しかしそれでも・・・昨夜の激しさは尋常ではなかった。


新一は昨夜散々「運動」したにも関わらず、妙に元気な上に上機嫌で、今は朝ご飯を作りにキッチンに行っている。

ふいに枕元にあった蘭の携帯が鳴った。
ディスプレイに表示されている名前は、蘭の今の状態の元凶となった親友の名前だった。

「もしもし園子?」

蘭が掠れた声で電話に出る。すると向こうからも掠れた声が聞こえた。

「あ、蘭?その様子だと、昨夜新一くん帰って来たみたいね」
「うん。今新一が御飯作ってる」
「そう。うちもなのよ、真さん上機嫌で、メイドさん居るのに自分で御飯作ってんの」

園子の言葉に、昨夜鈴木家でも工藤家と同じ状況だったに違いないと蘭は確信した。

「ねえ園子・・・あれ効き目があり過ぎ。私、昨夜全然寝せてもらえなくて、今日足が立たない」
「実はうちもなのよ。しかもうちは、蘭たちのとこと違ってそういった関係になってからまだ日が浅いでしょ?あそこがヒリヒリしちゃってさあ、もう大変」
「あれ、当分使えないね」
「そだね」

しかし2人は甘かった。
これから先しばしば、それぞれの夫からあの下着を付けるよう頼まれ(拒むと泣き落としに近いような頼まれ方をされ、結局折れざるを得ない)、その度に一晩中寝せてもらえず次の朝足腰が立たない羽目になるのである。



後日、その顛末を2人から聞いた服部和葉は呆れた顔をして言った。

「アンタら、アホちゃう?そないなもんは倦怠期を迎えた夫婦が現状打破する時に使うもんやで。毎晩睡眠不足になる位激しく何度も求めてくるような相手に、それ使うて余計元気にさせてどないすんねん?」

そう言った和葉自身が実は既に、夫である平次相手に同じ失敗をしてしまっていて。
時々その下着を着けさせられ、一晩中攻められて足腰立たないようにされる事は、2人には決して言えない内緒の話なのであった。




Fin.



+++++++++++++++++++


<後書き>

このお話は、2003年12月に書いて、琴沢月様のホームページ「Power Moon」の裏サイト「Power Down」に掲載して頂いてました。
既に読んだ事がある方には、新作でなくてどうも申し訳ないです(汗)。

暫くそちらのトップを飾っていた、スケスケランジェリーを着て恥ずかしそうな蘭ちゃんの絵が、あまりにも可愛かったので。
突発的に書き上げて、送りつけたものです。

そしたら、受け取っていただけただけでなく、何と挿絵まで描いて下さいました。しかも、お忙しい中、3枚も。

今回、真に残念な事に、そちらが閉鎖されましたので、ラブ天にアップする事にしました。
挿絵も、月様のご好意でこちらへの掲載許可を頂きましたので、使わせていただいています。私が話を書くきっかけになったスケスケ下着の蘭ちゃんのイラストも、おねだりしたら頂けました。本当に嬉しいです。


このお話、いつも以上にぶっ飛んだお話になった自覚は、ありありです。
書いててもう、すっごく楽しかったです。

えっと、作中で蘭ちゃんが着けている下着は、某レディースコミックで描かれていたもので、私も実物を見た事はありません。
・・・ホントですってば(汗)。

戻る時はブラウザの「戻る」で。