サンライズエクスプレス




byドミ



新年明けてすぐの1月1日0時37分。

上りのサンライズ瀬戸・出雲号は大阪駅を定刻どおりに出発した。



サンライズ瀬戸号。高松・東京間を走る寝台特急。
サンライズ出雲号。出雲・東京間を走る寝台特急。
その2つが岡山で連結してサンライズ瀬戸・出雲号となる。全車両個室の寝台車である。



遠山和葉は、初日の出を熱海の海岸で東京の友人たちと一緒に見るために、大阪駅からサンライズ号に乗り込んでいた。
水平線から昇る日の出を見た事のない和葉は、今からわくわくしていた。

天気予報によれば、ばっちり初日の出が拝めそうである。



一緒に熱海まで行く幼馴染兼恋人の服部平次が、個室寝台の鍵を掛けると、和葉に近付いてくる。
和葉はまだこの時点までは、熱海までの約5時間、ゆっくり出来ると思っていた。









「ちょ、ちょお平次、こないなとこで何すんねん!」
「何って、個室に男女2人きりでおんのやで、やる事は1つに決まっとるやないかい」
「でででも、ここは列車の中や!周りに聞こえてまうで!」
「大丈夫、心配あらへん。ここは両側が機械室で、隣の個室とは離れとるんや」
「せ、せやかて、廊下を人が通ったら・・・」
「おまけにここは台車の真上になっとってな、レールの音しか聞こえへん、和葉がどないによがり声出しても大丈夫やで」

確かに走り始めた列車は、ガタゴトと大きな音が響き始め、平次と和葉のお互いの声さえ聞こえにくいくらいである。

「ま、まさか平次・・・」
「ん?予約取るとき、ちゃあんとこの場所狙うとったで。せっかくの高い寝台車や、有効利用させてもらわな」
「有効利用って・・・平次、寝台って本来寝るとこや〜〜〜っ!!」
「せやから『寝よ』言うてんねや」
「『寝る』の意味が違うわ、アホ〜〜〜〜っ!!!」

平次の言うとおり、ここは周囲に声が聞こえにくい部屋らしい。
和葉が絶叫しても、誰も飛んで来る気配はなかった。





「ちょ、ちょお待て平次、灯!カーテン!」
「列車は猛スピードで進むんや、心配せんでも外からは見えへんて」
「嫌や!・・・んあっ、はあっ、あああん」
「何のかの言うても和葉も好きやな〜」
「ア、アホッ」
「乳首もこないに硬く勃って俺を待っとるで」
「嘘や!あああああんん!な、何すんねん!」
「何って・・・ナニに決まっとるやないか。アホな事言いなんなや。おほっ、和葉のここ、もう湿っとるで」
「へ、へ、平次、列車が揺れてるで!大丈夫なん!?」
「ああ、サンライズ号はスピードが速いよって、揺れも大きいんや。心配いらんで・・・おおっと」
「平次のアホ!どこ突っついとんねん!」
「すまんすまん、揺れるさかい狙いがずれたわ。今度こそ行くでえ」
「んああっ、ああああんん」
「和葉、揺れで抜けんように俺の腰を足でしっかり抑えてブロックしてや」
「あんあん、んんあああっ」
「せやその調子や、そうれ行くでえ、ほれほれほれ〜」







「へ、平次、はあっ、まだ・・・するんか?もう・・・これで・・・何度目や・・・思うてるん?」
「学校が冬休みでクリスマス以来やからな、溜まってるんや。それに新学期までまた我慢せなあかんし、今日はたっぷり充電さしてもらうで〜。心配せんでも熱海に着くまではまだまだ時間はあるよってな」
「あたし・・・もう・・・擦り切れそうや・・・」



大阪から熱海までおよそ5時間。
遠山和葉は、一睡も出来なかったばかりか、幼馴染兼恋人の服部平次によってずっと激しい運動を強いられ続けたのであった。







サンライズエクスプレス。

TR東海とTR西日本が誇る全車両個室の寝台特急。

その列車が新年早々このような事に使われていたという事実は、誰も知らない。







Fin.



(注)このお話は別に特定の会社の特定の列車PRのために書かれたものではありません。(むしろ、東○旅客鉄道会社や西○本旅客鉄道会社に知られたら、慰謝料を請求されそう・・・)


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