Adventure of the Christmas




byドミ



番外編・恋人たちのクリスマス



「じゃあお休みなさ〜い」

工藤邸のパーティが終わり、昨日の冒険で疲れ果てている一行は、クリスマスイブがまだ終わらぬ内にそれぞれの寝室に引き上げた。

けれど、恋人たちにとってはこれからが眠れぬ幸せな夜の始まりである。



  ☆☆☆



<新一&蘭>



寝室のドアを閉ざすと、新一はすぐに蘭を抱きしめ唇を重ねる。

「ん・・・」

喘いで僅かに開いた蘭の唇の間から舌を滑り込ませ、蘭の舌に自分のそれを絡ませる。

やがて蘭の体から力が抜け、立っていられなくなったのを感じ取ると、新一は蘭の腰を支え、そのまま蘭を抱え上げてそっとベッドに横たえた。



「お願い・・・灯消して・・・」

蘭が頬を染めて言う。

お互いの裸などは既に何度も(結婚してからは毎晩のように)見ており、今更と思うけれども、いまだに羞恥に頬を染める蘭の姿も可愛いと思ってしまう新一である。

部屋の明かりを全て消す。
今夜は月明りと雪明りで、照明を全て落としても、充分に明るい。

青白く幻想的な光の中に浮かび上がる蘭の姿は艶めかしく美しかった。







生まれたままの蘭の姿に、新一は息を呑む。
何度目にしても、その美しさは見飽きる事がない。
蘭は勿論、客観的に見ても素晴らしく美しい体をしているが、新一にしてみれば、惚れた女の体だからこそ、何よりも美しく愛しいのだ。

元々綺麗な蘭であるが、新一と肌を重ねるようになってから、肌の艶が増し、目元・口元に艶やかさが加わり、益々美しくなった。
元から大きく形良かった乳房も、更に大きさと張りを増したようである。
周囲の男共の蘭を見る目の色がより一層好色さを増したことに、新一は気付いていた。
蘭の見かけの美しさに惚れたのではない新一としては、あんまり綺麗になって目立たれると正直困るという思いもある。


蘭は目を閉じているが、新一の視線を感じてか、恥ずかしそうに眉を顰め、無意識の内に手で胸と秘所を隠すような動きをする。
その動作が反って扇情的であることも知らずに・・・。


新一は蘭の肌に手を這わせる。
見た目も白く透き通って美しいが、触れるとすべらかで、その感触の良さに新一の理性は簡単にはじけ飛んでしまう。

「あっ・・・」

新一が触れるたびに蘭は反応して微かに声を上げる。
新一はたまらず、蘭の胸の頂で色付く果実を口に含み、思いっきり吸った。

「はっ、あああああんん」

蘭が体を仰け反らせ、甘やかな声を上げる。

新一の指が蘭の茂みの奥の秘められたところをたどると、そこは既に濡れそぼっていた。
胸の果実を口に含み舌で転がすようにして愛撫しながら、同時に指で突起を刺激する。

「やあっ、ああっ、やああああああっっ!」

蘭は新一の頭と肩に回した手でしがみ付くようにしながら、喉を反らせ、甘い悲鳴をあげた。


新一は自分の屹立したものを蘭の秘所にあてがうと、ぐっと中に押し込む。
新一との行為に慣れた蘭のそこは、充分に潤っておりスムーズに新一のものを受け入れる。

「くっ・・・!」

蘭の内側は熱く、新一のものを締め付けてきて、新一はこの上ない快感を覚える。
「蘭の中に入り1つになっている」という実感で、肉体的にも精神的にも満足感を覚えるのだ。

「蘭、蘭、俺の、俺だけの蘭・・・!」
「ああん、新一、新一っ・・・!」

蘭の瞳にも快楽の色が浮かぶ。
蘭にとっても、ただその行為に伴う体の快感だけでなく、新一と交わるという事への精神的充足感があるのだという事を、新一は疑っていない。

「愛してる・・・!」

新一は腰を動かし、蘭の中にある自分のものを大きくスライドさせる。
蘭が新一の背中に手を回し、腰に足をかけ、甘い悲鳴を上げながら、全身でしがみ付いてくる。

「んああっ、しん・・・いちっ、ああん、んああっ、あんあん・・・」

やがて2人ともに最初のクライマックスを迎える。



新一は蘭の中から自分自身を引き抜く。
そこに嵌めていたものを外して処理する。
蘭の内部に膜越しにしか触れられないというのは、正直何とももどかしい。
もう卒業まで間がないし、もう避妊を止めても良いかと思ったが・・・

「入試の頃悪阻っつーのも困るだろうしな・・・」

後もう少しは我慢しなければならないだろうと新一は思い直す。


夏、まだ結婚前、溢れる感情に任せて避妊せず蘭を抱いた事がある。
その時は、「子供が出来れば蘭は自分から逃げようとしないだろう」という何とも後ろ向きでダークな動機が働いていた事は否めない。
冷静になった後は、罪悪感に苛まれ冷や冷やしていたものだった。
勿論、「責任を取る」気は十二分にあったけれど、もしあの時子供が出来ていたら、蘭がかなり辛い立場になっただろう事は容易に想像が付く。

蘭に月のものが訪れたときは、心底ホッとした。
やはり世間に後ろ指を指されるような事はなるべく避けなければならない。


蘭はウトウトとまどろみ始めており、「今夜はこれで終わりかな?」と新一は苦笑する。
結婚以来、ほぼ毎晩のように蘭を抱き、それも1度や2度では終わらないのが常であるが、さすがに昨夜は大変な目に遭ったばかりの蘭に無理させたくなくて、ただ抱きしめて眠るだけに止めた。
その分今夜は、と思ったが・・・。

「やっぱ疲れてんだな・・・お休み、奥さん」

蘭の頬にそっと口付けると、蘭を抱きしめ、布団を被せて横になる。

「新一?」

いつもだったら、一回寝入ったら目覚めない筈の蘭がパチッと目を開ける。

「蘭・・・疲れてんだろ?今夜はもう眠れよ」
「ううん・・・新一、今夜は眠らなくたって構わないの」

蘭の言葉に新一は目を丸くする。
間近で上目遣いに新一を見つめる瞳に、新一はぞくぞくする。

「蘭・・・そんな事言うと、本当に寝かせねーからな」
「うん、新一・・・今夜はね、私、ずっとあなたと・・・ひとつになっていたい」

そういう風に言われれば、もはや新一は止まらない。



月の光でほの明るい室内に響くのは、喘ぎ声と甘い悲鳴と息遣い・・・。
やがて2人は再びひとつになる。




  ☆☆☆




<平次&和葉>



「平次、灯消してえな」

和葉が恥ずかしそうに言う。
部屋に入るなり和葉をベッドに押し倒した平次は、和葉の言葉を無視してそのまま服を脱がせにかかる。

「平次、明るいのん嫌や!灯・・・」
「何でや。俺まだまともに和葉の体見た事あらへんのやで。見せてくれてもええやんか」
「そんなん・・・!平次が変なとこでばっかりするからやん!」


夏の旅行で晴れて恋人同士となり、初めて結ばれた2人。
その時はまともにホテルのベッドでの行為だったのだが・・・その後2人が体を重ねたのは、改方学園の教師陣が知ったら泡を吹いて卒倒しそうな場所ばかりである。

すなわち学園の中――

定番(?)の体育館用具室のマットの上とか、資料室とか、薄暗く埃っぽい場所で愛の行為をする。
人気がない所で鍵を掛け、薄暗い中で慌しく抱き合うのが常だったため、平次にとってはじっくり和葉の体を鑑賞する余裕などなかった。

まともにベッドで抱き合ったのは、初めての時と、新一・蘭の結婚式に参列した際ヨーロッパのホテルに泊まった時位であったが、その時は恥ずかしがる和葉のために灯を点けずに我慢した。


「せやかて・・・変なとこばかり言うてもな、親父たちの配下がうろついとる大阪府下で、目の届かん唯一の場所は治外法権の学園内やで?だからっちゅうて和葉抱くの我慢するんは俺には無理やし」
「我慢でけへんって、平次、あんたな・・・」
「たまには和葉の体すみからすみまでちゃんと見たい思うとったんや。今日はじっくり拝ませてもらうで」


早くも和葉の胸ははだけられている。

「ごっつ綺麗やあ。ここはピンク色しとんのやな」

平次の指が和葉の胸の果実をつまむ。

「あああん、平次っ・・・!」
「朝まではたっぷり時間があるよってに、たっぷり可愛がってやるで。何回でも行かせてやるよって、期待しててな」
「あ、ああん、平次の・・・アホッ・・・誰も・・・期待なんか・・・あっ・・・してへん・・・」

和葉が喘ぎながら切り返す。
平次はスカートの裾から手を入れ、下着の上から和葉の秘所をなぞる。

「体は正直やで。もうこないになって俺を待っとる」
「ああっ・・・う、嘘や!・・・はあっ、待ってへん・・・!絶対・・・待ってへんて!」
「強情やな。ほな、これでどないや」

平次の指が下着の中に入り込み、突起を刺激する。

「アホ!何すんねん!」

和葉が身を捩り、逃れようと足掻くが、その手足から力が抜け、喘ぎ声がその口から漏れ始める。

やがて和葉は身に着けているものを全て剥ぎ取られる。


平次が嘗め回すように和葉の全身を眺め回す。
その視線を感じて和葉は恥ずかしさに身を捩る。



和葉は別に、平次にたとえば新一のような気障な台詞を吐いて欲しいなどとさらさら思っているわけではない。(第一そんなのは平次ではない)
けれど・・・ちょっとだけで良いからデリカシーというものを持って欲しいと思う事は多々ある。

和葉が平次に抱かれる悦びと快楽を覚えるようになったのは事実でも、そんな事を平次の方から指摘して欲しくない。


平次のものがぐいぐいと和葉の中に入ってくる。

「あはっ、あう、うあああああんん」

今まで幾度となく平次のものを迎え入れた和葉のそこは、今回もそれをスムーズに受け入れる。
平次が動くたびに、隠微な水音が響き、和葉は何も考えられなくなっていく。

「ええで、和葉の中、最高や!」

・・・そういう風に褒められても微妙に嬉しくないが、このストレートなところが平次らしいと言えば平次らしい。



2人は最初のクライマックスまで上り詰めていく。

「はう、ああん、平次っ、・・・あああああああっっ」
「あ、くっ、和葉っ・・・!」



2人荒い息を吐きながら汗だくになってベッドに横たわる。
平次が和葉の胸の果実をつまみながら言った。

「やっぱええなあ、ベッドの上でこないしてじっくり和葉の体見ながらやるんは」
「あ、アホッ!」

真っ赤になった和葉に平次は口付ける。

「和葉。恥ずかしがって怒る顔も可愛いで」

和葉は、そういう事はこういった場面以外で言って欲しいとちょっと思った。



「さて、2回戦行くでえ」
「へ、平次、2回戦て・・・」
「今夜は寝かせへん言うたやろ?ホンマは昨夜も和葉抱きたかったんやで」

疲れ果てている一行がゆっくり寝られるようにという配慮のもと、平次は昨夜もこの部屋だったが、和葉は今少年探偵団と一緒に和室で寝たのだった。

「せ、せやかて平次、昨夜は疲れてそれどころや無かったんちゃうの?」
「アホ、こっちの方になると話は別や!今夜は昨夜の分までたっぷり可愛がってやるさかいな」



その夜、平次と和葉の泊まった部屋の灯は一晩中点いたままだった。
そして2つのベッドの内1つは、全く使われることは無かった。




  ☆☆☆




<真&園子>



真は部屋に入るなり、園子を抱え上げてベッドに下ろした。
園子の上に覆いかぶさり、息も吐かせぬ程に激しい口付けを繰り返す。

真の手が園子の服にかかり、ぎごちない動作ながら服を脱がそうとする。

夏に2人が初めて結ばれたときの浴衣と違い、ヨーロッパで夜を過ごしたときの軽装とも違うため、なかなか脱がせ辛い様子だった。

園子もさすがに自分から脱ぐわけにも行かず、じっと待つ。



2人が初めて結ばれたのは、夏の旅行のときで、平次たちと同じ日だった。
しかし、真が普段は海外留学しており滅多に会えないため、その後2人が肌を重ねる機会は殆どなかった。
新一と蘭の結婚式出席のためヨーロッパに行った時以来、久し振りに2人で過ごす夜である。



ようやく園子の服が全て取り払われ、下着姿になった時、園子が恥ずかしそうに声を出す。

「お、お願い、真さん・・・灯を消して・・・」
「園子さん」

真としては、愛する園子の体を鑑賞したいのは山々だったが、嫌がる園子に無理強いする事など絶対に出来なかった。
言われるままに灯を消す。
しかし、月の光と雪明りで室内は予想外に明るく、園子の裸身は全て真の目に晒され、真は息を呑む。


「お、お願い・・・あんまり見ないで・・・」

園子が胸と秘所に手を当て、身を捩って横を向き、真の視線から逃れようとする。

「園子さん、凄く綺麗だ・・・」
「う、嘘よ。だって私、蘭や和葉ちゃんに比べたら、スタイルも良くないし、色も白くないし・・・」
「何を馬鹿な事を言っているのですか、私にとってあなた以上に美しい人などこの世には存在しません」

真の手が優しく園子を仰向かせ、口付ける。

園子の体から徐々に力が抜け、やがてその両手は真の逞しい背中へと回される。



真は不慣れな手つきながら、愛する園子に快感を与えようと、今までの数少ない交わりで知った園子の感じやすい部分を一生懸命に愛撫する。

「あっ・・・真さん・・・」

いまだこの行為に慣れていない園子の体が震えているのを感じ取って、真は申し訳ないような気持ちでいっぱいになった。
同時に愛しさがこみ上げてくる。

「園子さん、愛してます・・・」
「真さん・・・」

真の愛撫に応え、園子の口から喘ぎ声が漏れ、肌が熱くなっていく。

園子の秘所からは蜜が滴り始める。



そろそろ良いかと真は自身を園子の秘所にあてがい、一気に貫いた。

「あううううっ!痛っっ!!」

園子の悲鳴に驚いて真は動きを止める。
園子のそこはきつく締まり、そして血が流れ出していた。

「そ、園子さん!!大丈夫ですか!」

慌てて自身を引き抜こうとするが、その動きにすら園子が痛がるため、また慌てて動きを止める。

そのままじっと園子を抱きしめる。

苦痛に目を瞑っていた園子がやがてうっすらと目を開け微笑んだので、真はホッとする。

「ごめんね・・・久し振りだったから、体が処女返りしちゃったみたい・・・」
「・・・そんな事があるんですか」
「うん、私も話に聞いた事はあったけど・・・ゴメンね、ビックリさせて」
「そんな事・・・私こそ痛い思いを何度もさせてしまって・・・」

真以外誰にも体を許さず待っていた園子。
そのために再び痛い思いをさせる事になるとは・・・。

真は溢れる愛しさのままに園子を抱きしめる。

「空手の修行で外国にいても、毎日あなたを思っていました。あなたが欲しくなって眠れない夜は、あなたと過ごした夜を思い出しながら、我とわが身を慰めていたのですが・・・」
「真さん?」
「長い事会えないでいる事で、園子さん、あなたにも辛い思いをさせているのかも知れない、そう思う事はありました。でもこんな形であなたに苦痛を与える事になるなんて・・・」
「真さん・・・私嬉しいのよ。痛みをくれる相手が真さんだから・・・嬉しいの」
「園子さん、私は・・・もう日本に帰ろうかと・・・空手の修行は日本に居ても出来ますし」
「真さん、それは駄目。中途半端な事しないで。そんなだとね・・・きっとパパとママは私たちの事認めてくれない」
「園子さん!ですが・・・!」
「私、待ってるから・・・真さんの事、待ってるから・・・」



園子の痛みが落ち着いたのをみて、真はそろそろと慎重に腰を動かし始める。
園子の顔に苦痛の色が浮かぶが、やがて声に甘い響きが混じり始める。

「んああっ、まこと・・・さん・・・ああっ」
「園子さん!」

やがて園子の口から歓喜に溢れた声が響く。
園子が始めて絶頂に達したのだ。
その様子を見て、真も心の底から幸福感と喜びを感じる。
そして園子と同時に、真も上り詰め、果てた。






  ☆☆☆






明けて12月25日。



少年探偵団とジョディと志保は、リビングで遅い朝食を取っていた。

「誰も起きて来ませんね、どうしたんでしょう」

2階を見上げて光彦が心配そうに言う。

「もしかしたら何かあったのかしら?」

歩美も2階を見上げて心配そうに言って、それを面白くなさそうに元太が見て言った。

「大人の癖に揃いも揃って寝坊だな」


志保とジョディは肩をすくめて顔を見合わせた。
彼らが当分起きて来ないだろう事が、2人にはよく分かっていた。







Fin.



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