久遠の一族 U



byドミ



第五章 出生の秘密



青子は、快斗が軽いキスをして、寝床を出て行くのを、夢うつつに認識していた。
身を起こそうとするけれど、全く動けない。
心臓が壊れそうなほどに脈打ち、体中が、燃えるように熱かった。

「うぐっ……ああああっ!」

あまりの熱さと苦痛に、青子が思わず声を上げたのは、快斗が傍を離れて行ってしまってからの事だった。

「痛い……熱い……青子、もしかして、このまま、死んじゃうの?」

骨が融けているのではないかと思う程の苦痛の中で。

「助けて!快斗!」

青子は、愛しい人の名を呼び、意識が暗黒に呑まれて行った。



   ☆☆☆



青子が目覚めたのは、馴染みはないけど見覚えのある寝台だった。

窓から光が射していて、今が昼間だと分かる。
身を起して、ここが、以前一度泊まった事のある、薔薇屋敷の客用寝室だと、思い当たった。

一体、何がどうなっているのか。
青子は混乱した。

喉が渇く。
この薔薇屋敷の薔薇のような、真っ赤な色をした、あの甘い液体が、欲しい!

青子の両手は冷たく。
心臓が脈打つのを感じない。

「青子は……!」

本能で。
自分がもはや、人ではないモノになってしまったのだという事を、青子は感じ取っていた。

二十一世紀の今、伝説やお話の中にしか存在していない筈の、人の生き血を求める化け物、ヴァンパイア。
青子は、そのような存在になってしまったのか?

「嘘よ!嘘だ!青子は、青子は……!」

その時、部屋の扉が開いた。
顔を覗かせたのは、蘭だった。

「青子ちゃん。目が覚めたのね」

蘭の慈愛に満ちた顔には、けれど、何となく悲しげな色もあった。

「ら、蘭ちゃん?」

変化し目覚めた青子には、本能的にわかってしまった。
蘭は……そして、新一も園子も。
青子の同族だった。

蘭が、青子の傍に来て、言った。

「目覚めたばかりで、唇がスッカリ乾いているわ。青子ちゃん。わかるでしょ?わたしの血を……」

蘭の首筋に指先に、淀んでいるエナジーが、今の青子には見える。
温かく甘い、命の糧が……。

「やあっ!嫌あ!」
「……青子ちゃん?」
「青子は……青子は……人間じゃなかったの!?化け物、だったの!?」
「青子ちゃん!」
「青子なんか……この世に生まれて来なければ、良かったっ!」

蘭が、両手で口を覆う。
その目から涙が溢れ落ちる。

そして蘭は、その場から駆け去って行った。
ちょうどドアの所にいた新一の横を、すり抜けるようにして。

新一は、一瞬、蘭の方を見たが。
部屋の中に入って来て、つかつかと青子の傍に寄る。

そして、強引に青子を引き寄せ、その額に、自分の額を当てた。

「青子!受け取れっ!」

青子は目を見開く。
新一の額を通して、青子の中に、いくつもの映像が、流れ込んで来た。


   ☆☆☆


『わたし……新一以外の人に抱かれるなんて、嫌だよ!新一以外の男の人の子供を産むなんて、絶対、無理だよ!子供が望めなくても良いから、連れて行って!』

今と同じ姿だけれど、古風なドレスを着た蘭が、こちらに向かって、涙ながらに訴えていた。

場面が変わる。
少しばかり古いが、先ほどよりはずっと現代風のファッションに身を包んだ蘭が、いた。

『えっ?子供!?わたしに!?』

驚きに目を見開く、蘭。
驚愕の後に、満面の笑顔になる。

『嬉しい!子供は無理だって、諦めてたのに!すごい、嬉しい!』

場面が変わり、大きなお腹を抱えた蘭が、編み物をしていた。
赤ん坊用の着ぐるみを、編んでいるのだろう。

映像として見ている青子の記憶が、刺激される。
確か、中森家の箪笥の奥に仕舞われていた、青子が赤ちゃんの頃着ていたという着ぐるみは、これと同じものではなかったか?

『新一ぃ!この子、もう、動くんだよ!』

こちらを見る蘭は、母親の顔だった。

そして更に場面が変わる。
生まれたての赤ん坊を手渡された蘭が、目に涙を浮かべて、赤ん坊に頬ずりした。

『こんにちは、初めまして。ママよ』

『この子の名前は、青子よ。九月生まれで、誕生石がサファイアだから……』
『この、サファイアのピアスが、青子を守ってくれますように……』

次の場面では。

『いや!この子を手放すなんて、絶対、嫌!今は人工乳もあるし、離乳食も作る練習してるのよ!ちゃんと育てて見せるから、お願い!』

激昂して泣き崩れる、蘭がいた。

次の場面でも、蘭が泣いている。
けれど、先程の激情は、なりを潜めていた。

『青子ちゃんは、わたし達の娘なのに、完全に人間として生まれたのよね。人間として生きる為には、やっぱり、普通の、人の親に育ててもらわなくちゃ、いけないのよね……』

蘭は、ようやく首が据わるようになった赤ん坊を抱いて、滂沱の涙を流しながら、頬擦りした。

『青子ちゃん……元気で……幸せになってね……さよなら……』



   ☆☆☆



流れ込んで来た数々のイメージは、新一がかつて見て来て目に焼き付けた光景なのだと、理解して。
青子は、涙を流して、新一に抱きついていた。

「新一お父さん!青子の、お父さん!」

新一が、青子をしっかり抱きしめる。
そして、青子の顔を覗き込んで、言った。

「青子。お前に、生きる苦しみを与えてしまって、本当にすまない。けれどもし、お前が、オレ達を許してくれるなら。蘭の所に、行ってくれないか?蘭は……オレ達は、本当に本当に、心から、お前の事を愛しているんだ」

青子の「生まれなければ良かった」という言葉に、蘭はどれ程、傷付いた事だろう。
青子は、慌てて部屋を飛び出し、新一と蘭の寝室で泣き伏している蘭を見つけて、その胸に飛び込んで行った。

「蘭お母さん!ごめんなさい!ごめんなさい!生まれなければ良かったなんて、嘘よ!青子は……青子は……!」
「青子ちゃん……!」

見た目は同じ年頃の母子は、しっかりと抱き合って、泣いた。

自分自身を人間と信じて育ってきた青子にとって、人の生き血を糧とするヴァンパイアであった事実は、とても受け入れ難いものであったけれど。
本来、子供が望めぬらしいヴァンパイア同士の新一と蘭が、思いがけずに授かった子供の事をどんなに喜んだのか、そしてどれだけ愛を注いでくれたのか、それが分かってしまうと。
とても、自分が生まれた事を責める気にはなれなかった。



   ☆☆☆



話は、数日、さかのぼる。

死者としか思えぬ青子に向かい合った快斗は、絶望に打ちひしがれていたが。
新一の声に、正気を取り戻した。

「青子は、死んだ訳ではない」
「な、何!?仮死状態だって事か?」

青子はどう見ても、死体としか思えないけれど。
青子の死を信じたくない快斗は、新一の言葉に縋りついた。

「……そのようなものだ。ただ……そうだな。死んだというのも、ある意味、当たっている」
「おい!何を、訳のわかんねえ事、言ってんだよ!?」
「人の少女としての、中森青子の存在は、消滅した。次に青子が目覚める時は……我々の一族としての、新たな命を生きる事になる」
「……一族……って……?」

快斗の心臓が、激しくバクバク動き始めた。
何だか、とんでもない話を聞かされそうな、嫌な予感がする。

けれど、他ならぬ青子についての事だから。
聞かない訳には、行かなかった。

「我々は……久遠の一族。人の生き血を糧とする、不老不死の存在」
「な……!!ヴァンパイア!?お前達は、ヴァンパイアだと言うのか!?」
「そうだ」

新一が頷き。快斗は絶句する。
とても信じられない話の筈だが、快斗は何故だか、すんなり納得していた。

「って事は、青子もヴァンパイアになるのか!?何で!?オレが傍を離れた後に、誰かが青子の血を吸ったのか!?」
「おいおい……そういう事じゃない。青子は……オレと蘭の間に生まれた、ヴァンパイアの純血種なんだ」

快斗は息を呑んだ。純真無垢で、清らかな存在である青子が、人の生き血をすするヴァンパイアだったなんて。信じられない。
信じたく、ない。

けれど、それ以上に。
青子がこのまま失われてしまう事の方が、絶対信じたくない話だった。
ヴァンパイアだろうが何だろうが、青子が生き返るなら、どんな存在であろうとも、受け入れられる。


その後、快斗は、新一から様々な説明を受けたが。
その話の内容は、快斗を更に大きく打ちのめすものだった。



   ☆☆☆



そして、今。
中森警部と黒羽快斗が、薔薇屋敷に呼ばれていた。
青子も同席して、新一からの長い話が、行われたのだ。
 

新一と蘭は、昔々は人間だったけれど、今はヴァンパイアの一族である。
新一は四〇〇歳位、蘭ももう、二五〇歳ほどになる。

新一は、人間だった蘭を愛し、仲間に入れ、連れ合いとした。
そして……生殖能力がないと思われていた一族だったのだが、一七年前、新一と蘭の「夫婦」に子供が出来るという、前代未聞の事が起こった。

生まれた子供は女の子で、青子と名づけられたが。
青子には、ヴァンパイアとしての要素は全くない、まるっきり人間の赤ん坊だった。

ヴァンパイアの両親から育てられたのでは、人として生きて行くには差し障りがあるだろう。
二人は泣く泣く、青子を手放す事にした。

ヴァンパイアの一族といえど、自分達の事がキチンとわかっている訳ではなくて。
最近になってようやく、科学研究のメスが、入れられた。
その結果、一族は、ヴァンパイアウィルスのキャリアである事が、分かったのだった。

ヴァンパイアウィルスは、既に遺伝子と深く結びついており、取り除く事は不可能。
それに、正直、取り除く事を望む一族もいない。

そして……。

「今年の健康診断での青子の血液を手に入れて分析した結果、ヴァンパイアの因子を全く持たないと思われていた青子が、実はキャリアだったと分かったのです。だから、オレ達は、青子を見守る為に、やって来た。生まれながらのヴァンパイアは、初めてのケースであり、目覚める時が来るか否か、もし目覚めるとしたらそれはどういう状況なのか、何も分かっていなかった。今になって、分かったのは。どうやら、大量の出血が、ウィルスを活性化させ、目覚めを促すらしい、という事です」

中森警部は、頭を抱えて、溜息をついていた。
なさぬ仲とは言え、赤ん坊の頃から我が子同然に可愛がって育てて来た娘が、そのような存在であったとは。

「青子を貰い受ける時、一度だけ、実の母親と電話で話した事がある。その女は、工藤蘭と名乗った……まさか、青子の同級生が、そいつと同一人物だったとは……」

中森警部が、蘭の方を見て言った。
蘭は、目を伏せた。
中森警部が苦笑する。

「ワシは別に、アンタらを咎めている訳じゃない。青子の所為じゃないし、アンタらのやむを得なかった事情も、わかるからな。それに、それこそ、ワシ達夫婦は子供に恵まれなかったから、青子が我が家に来てくれて、どれだけ幸せだった事か。ワシの亡くなった連れ合いも、青子のお陰で、幸せに生涯を閉じる事が出来たのだから」

警部は、そこで一息入れた。

「青子が、鬼だろうが蛇だろうが、ヴァンパイアだろうが、ワシの娘である事には、変わりない。ただ。あの子がこれから大人になって、結婚して……孫をこの手に抱くという未来が、望めそうにないのが、ちと残念なだけだ。もしかして、いつか孫も出来るかもしらんが、その頃果たして、ワシが生きてるかどうか」

そう言って、中森警部は苦笑した。

「お父さん……」

青子が、育ての父の言葉に、涙を流す。
青子がこの世に生まれて来た事も、中森警部夫妻に育てられた事も、全て幸せだと、思えた。


「で。オレが青子に手を出した事が、青子をヴァンパイアとして目覚めさせたって事なんだよな?」

快斗が、やや憮然とした表情で、言った。

「ああ。破瓜の血を流した事が、引き金となったらしい」
「……とすると。青子はどの道、人としての幸せな結婚なんか、不可能だったって事じゃねえかよ!それこそ、神に純潔を捧げる尼さんにでもならなけりゃ、絶対、目覚めてたって事だろ!?」
「そうなるな。オレ達も、そうだと分かっていれば、人間に預けたりせず、手元で育てたんだが。男の子だったら、そんな心配はなかったのかもしれない。とは言え、大怪我なんかしたら、やっぱり目覚めてたんだろう。全ては、結果論だ」

快斗は、忌々しそうにソファにへたり込んだ。

「快斗……」

青子が声をかけると、快斗は青子をちらりと見たが、すぐに目を逸らす。
青子は、胸が潰れるような想いだった。

『快斗。こんな、人間ではない女を抱いた事、後悔してる?きっと、そうだよね。青子も知らなかったとはいえ、ごめんね……』

目を逸らして青子を見ようとしない快斗の態度を、人間ではなかった幼馴染への「拒絶」なのだと……青子は思った。


「……青子は、これから先、歳を取らなくなる。だから、いつまでも、中森警部の元にいる事は、出来ない。ただ……今は、みんな、若作りで年齢不詳だし、数年間なら誤魔化せると思う。いずれ、一緒にいられなくなる時は来ると思うけど……それまで、思い出づくりをして、傍にいる事は出来る。生涯を共に過ごす事は出来なくても、今は、黒羽と共に過ごすという事だって、出来るだろう」
「青子は……新一パパと蘭ママと一緒に、行く」

青子の言葉に、快斗が顔を上げ、中森警部も、新一と蘭も、皆、ハッとしたように青子を見詰めた。

「……これから、何年か、みんなの傍にいたら……余計に別れが辛くなると思うもん」
「青子!」
「お父さん……ごめんなさい……大切に育ててもらいながら、親不幸な娘で、ごめんなさい!でも、時々、遊びに来ても、良い?」
「バカ野郎!いつでも、来て良いに決まってるだろう!お前は、ワシの娘なんだから!」

中森警部と青子は、お互いに涙を流しながら、しっかりと抱き合った。

「母さんの命日には、出来れば毎年、墓参りに付き合ってくれ」
「うん……うん!」
「いつ……発つ積りだ?」
「夏休みに入ったら……」
「そうか……」

もう、六月の末で。
夏休みまで、いくらもなかった。

九月になったら高校の最終学年に進級して、青子の一七歳の誕生日を迎えて……少し前まで、当たり前に思い描いていた未来が、指の間から砂が零れ落ちるように、形を崩して無くなって行く。
ただの、人間の少女であれば、叶えられたであろういくつもの夢が、儚く消えて行く。

『でも。青子がこの世に生まれなかったら。そもそも、夢見る事も出来なかったもの。大好きな快斗に、ハジメテをあげるって、幸せな体験も、出来なかったもの』

色々と、残念ではあるけれど。
今の青子は、自分自身の運命を、静かに受け入れる事が出来ていた。



   ☆☆☆



そして。
二学年最後の日が来た。


「何かさあ。あの人達、夏休みが来る前に、またバタバタと、転校して行っちゃったよねえ」

恵子が、空を見上げて、溜息をつきながら言った。
新一と蘭と園子は、「転校」と称して、既に江古田高校に来なくなっている。

「そうだね。寂しいね。でも、またきっと、会えるよ」
「青子は、連絡先、聞いてるんでしょ?」
「うん」
「蘭ちゃんって、ホント、青子ベッタリだったもんねえ。妹か何かみたいな感じで、親近感が湧いたのかな」

姉妹どころか、母子だなんて、誰にも言えないし、信じても貰えないだろう。
青子は、笑って誤魔化していた。

恵子はそれこそ、休み明けには、普通に青子と会う積りでいるが。
青子が恵子と会うのも、もう、これが最後である。

『恵子……今迄ありがとう。そして、ごめんね……ずっと……大切な友達だよ……』

恵子の家への別れ道。
青子は、溢れそうになる涙をこらえて、精いっぱいの笑顔で、恵子を見送った。

そして、我が家へと足を向ける。
中森警部は、今日も仕事だ。
父親である警部には、きちんと最後の挨拶をして、旅立つ積りだ。

家の前に、人影がいるのを見つけ、青子はドキリとした。
いや……正確には、青子の心臓がドキリとする事は、もうないのだが。
そういった感覚だけは、残っている。

「か、快斗!?」
「……行くのか?」
「う、うん……ありがとう、快斗。青子の事なんて、疎ましいだろうに、わざわざ、別れを言いに来てくれたんだ」
「疎ましい?」
「だ、だって……青子は、人間じゃない、化け物だし。そんなのを抱いて、快斗もきっと気持ち悪かった……」
「化け物だなんて、言うな!青子は青子だ!オレの、大事な……誰よりも大切な、女の子だ!」

快斗が激したように言って、青子を抱き締める。
青子は、目を見開いた。

「だ、だって……最近、青子の事避けてたの、青子が気持ち悪かったからじゃ、ないの?」
「違う!オレは……知らなかったとは言え、オレが引き金引いちまったのが、苦しくて、悔しくて……!」
「か、快斗……」
「行くな!どこにも、行くな!約束したじゃねえか、オレの嫁さんになるって!」
「……!」

青子は、涙を流して、快斗の背中を抱き締め返す。
快斗が、青子の出生の秘密を知っても、変わらず青子を愛してくれている事を知って、幸せだった。
もう何も思い残す事はないと、思えた。

「でも。青子は、どう頑張っても、あと数年位しか、ここにいられないよ……」
「見た目だけなら、オレの変装術で、毎年、少しずつ老けさせてやっから!だから、オレの傍にいろ!」
「だ、だって……」
「もし、どうしても、ダメだってんなら!オレが、お前と一緒に行く!」

青子は、息を呑んだ。
快斗がここまで、青子の事を想ってくれているなんて、想像もしていなかった。

「快斗。ダメだよ。快斗には、快斗の大切な人がいるでしょ?青子みたく生まれつきとか、蘭ママのように瀕死の重傷を負ってとかなら、仕方がないけど。快斗には、人としての未来があるんだから。それに……快斗には、果たさなければならない役目があるでしょ?」
「青子……?」
「お父さんの、敵を討たなきゃ、いけないんでしょ?」

ヴァンパイアとして目覚めると共に。
青子には様々な能力が発現して。
怪盗キッドの正体も、その目的も、分かってしまっていたのだった。

以前、新一に言われたように、キッドの正体と目的を知ってしまった青子は、もうキッドを嫌う事も、その犯罪を阻止しようと思う事も、なくなってしまったのである。

「あ、青子!オレは……!」
「快斗。快斗は、人としての命を、生きて。幸せになって。青子の事は……時々、思い出してくれるだけで、充分だから……」
「青子!」
「大好き、快斗!」

青子が伸びあがって、快斗に口付けた。
それと同時に……快斗は、意識を失って、倒れこんでいた。



第6章に続く




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