家族のカタチ 続・初体験クライシス



By ドミ



(3)



「工藤先生。私はね、眼鏡の坊主が居なくなってから、どうもこう……推理でトランス状態になることがなくなっちまいましてねえ。あいつがいるといつもスムーズに事件解決してたんです……あいつは俺のラッキーボーイだった……今頃どこで何をしているのやら」

 たらふく食べて飲んで、酔っ払った小五郎が、優作相手にくだを巻き始めた。「眼鏡の坊主」の秘密を知る優作と有希子は苦笑いし、新一と蘭は背中に汗を流した。

「コナンちゃん?私もあの子好きだったわ。もうちょっと年が近かったら、新一君のライバルになってたかも。恋の方面でもね」
「そうねー。コナンちゃんがあのままずっと居たら、蘭ちゃん取られちゃってたかもね、新ちゃん?」
「あ、あのなあ、母さん……」

 新一が眉をヒクヒクさせ……蘭が宥めるように新一の頭をなでなでした。

 有希子が手をパンと叩いて言った。

「さ。そろそろお開きにしましょ。英理と小五郎君も、泊まってく?」
「ありがたいお話だけど、何の準備もしてないから、帰るわ」
「そう。じゃ、送ってくわね」
「おば様、飲酒運転はやめた方が……」
「大丈夫、母さん、飲んでねえから」
「えっ?」
「母さん、そのためにノンアルビールだったんだろ?」
「はあ……探偵の息子を持つのも考えものねえ……もうちょっと心配させたかったのに〜」
「あのなあ」
「ってことで、蘭ちゃん、大丈夫よ。お酒は帰ってから飲み直すから。優作、小五郎君を車に乗せるのに手を貸して」
「了解。新一、私達はお二人を送って行くから、よろしく頼んだよ」
「じゃあ、蘭、おやすみなさい」
「こおら新一!蘭を襲うんじゃねえぞ!」
「大丈夫、今夜蘭ちゃんは、私と一緒に寝るんだからぁ」

 そして、工藤夫妻と毛利夫妻は車で出て行った。

 新一と蘭は後片付けをし、お風呂に入った。リビングでくつろぎながら時計を見ると、もうすぐ日付が変わろうとしていた。

「おじ様とおば様、遅いわね……」
「……父さんたちは、今夜、ホテルに泊まるってさ」
「えっ!?」

 蘭が驚いて新一を見ると、新一は頬を赤らめ明後日の方を向いていた。

「蘭。今夜、オレの部屋で寝る?」
「し、新一……」

 蘭は真っ赤になって頷いた。蘭の両親は、有希子がこの家に居るからと思って蘭の宿泊を許可したと思われるし、何となく後ろめたい気持ちはないでもなかったが、蘭もそろそろ、限界が近付いていた。

 新一は蘭を横抱きに抱えあげると、そのまま2階の新一の部屋まで連れて行き、ベッドの上に下ろした。そのまま蘭の上に覆いかぶさって抱き締め、蘭も新一の頭の後ろに手を回して抱き寄せる。激しく口づけを交わし舌を絡め合っていた。
 二人の唇が離れた時、お互いの唾液が絡まったものが糸のようにお互いの唇を繋いでいた。新一が蘭のパジャマをはだけると、白く丸い柔らかな膨らみがこぼれ出て、頂の果実は赤く色づいていた。新一はそこに唇を寄せ、強く吸った。

「あ……あああん!」

 蘭の口から嬌声が響く。まだ衣服に包まれたままの泉から、蜜が溢れ出してお尻の割れ目の方に流れて行く。新一は蘭の体を暴きながら、隈なく手と唇で触れ、吸い上げ……蘭の皮膚のあちこちに赤い花が咲いた。
 新一は、ベッドサイドチェストの引き出しを開けると、そこから避妊具を取り出し、装着する。そして、蘭の中を穿った。

「はっ!あああっ!」

 蘭が背をのけぞらせて高い声を上げた。新一は、体を起こしたまま、蘭と自分が繋がっているところを見ていた。

「蘭……オメーとオレ……ここで繋がって……一つになってる……」
「し、新一……」

 新一は改めて蘭を抱きしめると、蘭の奥を突き上げ始めた。

「あ……んあ……っ……新一……っ!」
「蘭……蘭……っ!」

 蘭は、快楽と共に、幸福な気持ちが湧きあがっているのを感じていた。新一が蘭の奥深くを突き上げるたびに、強い快感と、他ならぬ新一が蘭の奥深くに触れていることの幸せを感じる。新一も、気持ち良いだけじゃなく幸せな気持ちになってくれていたなら嬉しいと、半ば思考力が無くなった中でも、思う。
 やがて新一も蘭も上り詰め、新一は膜越しに熱を放つと、ややあって体を起こし、蘭の中から己を引き抜いた。

 新一はそのまま、蘭の足を大きく開いた状態でじっと蘭の体を見下ろす。蘭のそこからは、蘭の蜜が際限なく溢れ出していた。

「し、新一……恥ずかしいよ……」

 すでに何度もお互いの生まれたままの姿を見せあい、深く繋がり合った仲であるけれども、そうやってじっと局所を見られるのはさすがに恥ずかしい。

「蘭……オメーのここ……ぽっかり口が開いてるぜ。奥の方まで見える」
「えっ!?やっ、そんな!」
「いつもは、キュッと閉まってんだけどな。どうやら、蘭がイッた後はそうなるらしい」
「だからっ!何でそんな恥ずかしいこと言うのよ……っ!?」

 蘭は、あまりの恥ずかしさに顔を覆ってしまう。新一の手が優しく蘭の頬に触れた。

「オメーが、オレに全てを委ねてくれたんだって思って、嬉しくてよ……」
「えっ!?」

 蘭が目を開けて新一を見ると、新一の真剣な眼差しが蘭を見つめていた。

「スゲー綺麗だ……蘭……」

 新一が心底讃える声音で言うものだから、蘭は別の意味で恥ずかしくなる。

「蘭のこの姿を見るのも触れるのも……あの声を聞くのも、オレだけだ……蘭……」
「な、何言ってるのよ!?こ、こんなこと……新一以外の人と出来るわけないじゃない!」
「ごめん。言い方が悪かった。別にオメーが浮気すんじゃねえかって話じゃなくて……この先もずっとって話……」
「えっ!?」

 蘭がその先を問おうとしたが、新一が蘭の体を撫でまわし始め、蘭の体に再び火が付き、蘭の思考力は敢え無く飛んで行ってしまう。そのまま、また新一に続けざまに抱かれ、落ち着いた頃には日付を回って大分経っていた。

「蘭……疲れたか?」
「そりゃ、疲れたわよ……!」
「ごめん……」
「別に、謝って欲しいわけじゃないわ。疲れるけど、き、気持ち良いし、それに……」
「それに?」
「し、幸せ……だもの」

 蘭の声は、羞恥に小さくなった。

「オレも。スゲー幸せ」

 新一がそう返して微笑む。新一の返事に、蘭はキュンとなった。新一も、気持ち良いだけでなく、幸せな気持ちになってくれているのだと知って、すごく嬉しかった。

 新一も蘭も初心者なので、テクニックなどはないが、お互いに深く思い合っているし、蘭は、新一が蘭を気持ちよくさせようとすごく努力していることを感じ取っていた。ただの欲望だけの行為などではなく、愛の行為だと、蘭は信じている。


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