entrance with you




By かれん様




オレ達は、玄関へ雪崩れ込むように入り直ぐに、互いに引き寄せられるように抱きしめ合い口付けを交わした。
息を付くのも惜しむかのように、オレは無心で蘭の唇を貪る。
オレの口付けは貪欲で、僅かに開きかけた蘭の唇を、強引に抉じ開けて舌を挿入させ口内を丹念に嘗め上げた。
蘭もオレの舌に合わせてそろそろと絡めてくる仕草にオレは軽い眩暈を覚える。


昨日、初めて知った快感の波がもう一度、オレの身体中に押し寄せて覚醒する。
だんだん激しくなる口付けは、もうどちらとも分からない唾液と混じり合って、互いの顎をつたい始めた。
もう、立って居られなくなって崩れ落ちる蘭の腰を抱き寄せて、それでも尚オレはその行為を止めなかった。
オレ自身、もう止まれないところまで理性の榧は外れてしまっていた。

「ふっ・・・はぁん」

蘭の唇をやっとの思いで解放してやる。
呼吸すらままならない様子で、必死で肩で大きく呼吸を繰り返している。
薄ら頬を桜色に染めて、その表情が艶っぽく益々オレを煽っているように見えた。

「もう、止まんねぇよ・・・」

誰に言うわけでもなく、零れ落ちた言葉は静かに玄関に木霊した。
別に蘭を怖がらせるつもりはない。
嫌なことも強要しない、絶対に。
だけど、もうどうにもならないところまで来てしまった。
こうなってしまっては、オレの持て余す躰の熱を救えるのは、蘭しか居ない。

「しんいち・・・・」

戸惑った蘭の声色に少し良心が痛んだがもうどうでもいい。
蘭を抱え上げて、二階に続く階段を上って行く。
蘭の表情を覗き込んで見た。

「蘭・・・」

どこか儚げで不安なその表情は今からする行為に対してのものなのか。
それは、オレに対してなのか。
堪らなくて、オレは優しく慈しむようなキスを落とした。
オレには、もうそれすら余裕がなかった。

部屋にはいると、直ぐ蘭を下ろしてやりもう一度口付けを交わす。
今度は、それを愉しむかのように
ところどころ啄むキスを繰り返した。
額や、頬や、鼻筋、瞼、耳朶にやがて唇は下りて、首筋に辿る。
蘭の肌から香る淡い香りがオレの鼻腔を擽って気持ちを高ぶらせた。
蘭の服の裾をめくり、腕を上げさせてニットを脱がせる。
露わになった下着を片腕で何とか隠そうとするが。

「隠すなよ」

「だって、恥ずかしいよ・・・」

次にスカートのホックを外しかかったオレに、恥ずかしながらも手伝ってくれる蘭の仕草が愛おしさをます。
スカートを床に落として、キスをしながら背後にあるベッド脇まで導く。
蘭をベッドの端に座らせて、オレは背を向けて羽織っていたシャツを素早く脱ぎ捨ててズボンのベルトを緩めた。
振り返ると、上目遣いで見上げる蘭の視線とぶつかった。

「オレが怖い?」
なんとなく口に付いて出た言葉がやけに虚しく感じたが、オレひとりが突っ走ってるんじゃないか、と急に不安に駆られた。
そんなオレを、受け止めるように蘭は、オレの首にそのホッソリとした白い腕を絡めオレの頭を強く抱き抱えてきた。
それが、蘭にとって精一杯の答え。

「蘭・・・・」

オレは蘭を抱き抱えたまま、ベッドへゆっくり躰を沈めていく。
蘭の背に腕を廻してブラのホックを外す。
すでに零れ落ちそうだった両胸を慌てて隠そうとする蘭の腕をキツク掴んで封じ込めた。
「だから、隠さなくっていいんだって」
窓から差し込む僅かな明かりで、蘭の浮かび上がった白磁の肌を堪能する。
「キレイだよ・・・蘭・・・」

「新一・・・あまり見ないで・・・」
蘭は少し小さく抗って躰を捩りオレの視線から逃れようとするが、オレの瞳はもう捉えて離さない。
「好きだよ・・らん・・・」
唇を這わせながら、一つずつ丁寧に確かな紅い刻印を残しながら、昨日知ったばかりの蘭の気持ちがいいところを探り当てて愛撫する。
「あはぁ・・ん・・・」
片手には覆いきれない程豊かな胸を揉みしだき、その柔らかな感覚に溺れる。
オレの与える愛撫に胸の蕾は立ち上がりオレを誘い込む。
猫のように舌でその蕾を舐り噛んでみるとそれに反応して蘭の背が仰け反った。
「あはぁあん・・・あっああっ・・」
右手で胸を揉みながら、反対の手と唇は蘭の敏感な部分へと焦らしながら進ませる。
臍と、内股と口付けながら核心の部分へと近づけていった。
「あっ・ん・・だめ・・しんいち・・そこは!・・・」
オレが今まさに仕様とすることに、焦った蘭は慌ててオレの頭をひっ掴んだが、その力は弱々しく何の抵抗にもならない。
オレは僅かに目だけを上げて蘭を見た。
そこから眺める蘭の躰は、艶やかに桃色に染まって頬はほんのりと紅潮していて、オレを煽っている。

蘭の抵抗も構わず、オレを待ちわびて愛液を溢れんばかりに零す、ピンクに染まったソコにオレはそっと舌を捩じ込んだ。
「いやぁ・・ん、んん・・あはぁ・・ああ!」
逃げ打つ腰を掴んで引き寄せ、更に奥を求めてオレは吸ったり、軽く噛んでみたりした。
オレの髪の毛に指を絡ませ、引っ張り快楽に悶える蘭の姿がとても綺麗だ。
「らん・・・いけよ・・・」
もっと感じろよ。
オレだけを感じろよ。
蘭の快楽の波に合わせて、オレは舌と指し込んだ指で、ソコを深く蠢かした。
「あっ、はんっああああああ!」
快楽の海にダイブした蘭は、緩んだ躯をベッドの上に、だらんと惜しげもなく投げ出した。
こんなに愛おしい存在がこの世に在るのだろうか。

オレは待ちきれなく張り裂けんばかりに反り立った自身を、蘭の牽く付いているソコに宛いゆっくりと挿入していった。
「いっ!・・あああん、やぁぁああ!!」
片手だけで数えるほどの、慣れない行為でまだ蘭のソコはきつく、痛みも酷いだろう。

ごめんな・・・・蘭・・・

蘭のソコは緊張と痛みできつくオレを締め付けて押し出そうとする。
なんとか楽にしてやりたいが、オレにはまだその術も知らない。
シーツにしがみついて、なんとか痛みから逃れようとする蘭の手を剥がしてオレの背中に廻してやる。
「勿体ないから、オレを抱いとけよ・・・・」
爪を立てたって構やしないから・・・オレを抱けよ?
蘭の口内を貪るように舐ると、一瞬力の抜けた蘭の中にするっと一気に押し込むことが出来た。
「ああん、あああああ・・・・」
オレの怒張をすべて蘭の中に収まり暫くただ互いの温もりを感じるためだけ抱き合っていた。
「今・・・新一と・・・繋がってるのね?・・・」
オレの耳の奥で荒く息を吐く蘭の、小さくてか細い声が届いた。
「ああ・・・繋がってる・・・・」
今確かにオレが蘭の中にある。
一つになっている。
「このまま・・・溶けちゃえたらいいのに・・・」
蘭の言葉に驚いて、オレは少し身体を離して蘭の顔を覗き込んだ。
もう辛そうにしていない。いつもの穏やかな表情で微笑んでいた。
「ひとつになっちまったら、もうこんな事出来なくなるじゃねぇか」
痛みが和らいだのか、蘭の中の収縮が今までと違うものに変わっていくのをオレは見逃さなかった。
同時に止めていた抽挿を始めた。
最初はゆっくりと動かしそのうち蘭の口からは悲鳴とは違う甘い女の声を漏らし始めた。
オレは欲望のまま激しく腰を突き動かした。
「あんっ・・!!っああ・・・もう、だめっ!!いっちゃう・・っっ!!!」
もっと、もっと深く繋がっていたい。
駆り立てていく思いに全てをぶつけるかのようにオレは腰を動かし続ける。
「らんっ・・!!!」
一度自身を引き抜いておもいっきり奥に貫くと、蘭の背中がしなやかに仰け反り、オレは蘭をキツク抱きしめ同時に登り詰めた
オレ達は互いに欲望の全てを吐き出した。





まだ互いに繋がったままベッドに横たわっていた。
火照った身体は汗ばんで、オレ達は隙間なくきつく抱きしめ合った。
「蘭・・・だいじょうぶか?」
「ん・・・」
少し身体を離して自身を引き抜くと蘭の中から、オレのモノと蘭のモノが混じり合って流れ出た。
オレは蘭の頬に掛かった髪の毛を
払いのけてそっとキスをした。
擽ったそうに目を細めた蘭も同じようにオレの鼻先にキスをしてくれた。
「何か飲むか?」
淹れてこようか?と腕を放そうとしたとき、蘭の白くて細い腕にぐっと引き寄せられた。
「蘭?」
オレの首元に顔を埋め屈もった声が聞こえてきた。


「もうすこしだけ、このままでいて?」


一時の逢瀬。
もうすぐ夜が明ける。
もうすこしだけ、このままでいよう。
蘭を抱き直して襲ってきた睡魔に身を委ねかけたとき遠くの方で、微かに蘭の声が聞こえた気がした。







愛してるよ・・・新一・・・・










Fin…….









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