C-K Generations Alpha to Ωmega Under



特別版 超天空の難破船団(ロストシップス) Under After



byドミ(製作協力:東海帝皇)



「アホ子ぉ!これ、外せ〜!」
「大人しく待ってなさい、バ快斗!今、青子が心を込めて、鳴門の鯛の懐石料理フルコースを作ってあげるんだから!」
「お、おい、青子……本気で俺に食わせる積りなのかよ!?」
「もっちろん、本気よ。」
「うっわあああ!外せ、帰せ〜〜!!」
「帰せって……ここは、快斗の家じゃない。何を血迷ってるのよ。」
「青子ーーーー!!」

ベル・ツリー1世号でのパンドラミッション終了後、青子に連れ去られて自宅に戻って来た怪盗キッドこと快斗は、青子のパンドラホールディングに囚われて、身動き一つ取れないでいるのだった。
これが縄なら、抜けるのは得意だが。
何しろ、青子のパンドラフォースを目いっぱい使ったホールディングなので、とても抜け出す事はかなわない。

「あの……青子……謝るから……。」
「なーにーを―、謝る必要があるのかなあ?快斗は。」
「い、いや、だから……その……蘭ちゃんに……。」
「手を出そうとした事、認めたわね。」
「いや、認めない、認めない!」
「この期に及んで嘘をつく子には、お仕置きよ。」

快斗の目の前に、鯛の目がドドーン!と迫り。
快斗は目を白黒させた。

「あ、いや、だから青子、あれはな、本当に違うんだって!」
「まあまあ、快斗、お腹を空かせているんでしょ?大急ぎで作ってあげるから、待ってなさい。」
「青子ーーー!!んなもん、大阪の菫ちゃんとこに、送ってしまえ〜〜!!」
「まあ、快斗ったら、優しいのねえ。こーんな見事な鯛を、菫ちゃんに譲ってあげようなんて。遠慮なんかしなくて良いのよ。」

にこやかな青子の顔に、その腸が煮えくりかえっている事が伺えて、快斗はさすがにゾッと青ざめた。


鯛の香りが漂って来る地獄のような時間が過ぎて、テーブルの上に、鯛の刺身・焼き物・煮魚・吸い物・鯛飯、などなど、フルコースで並べられた。
元々料理上手な青子だが、今夜は一段と気合が入っている。

ものが魚でなければ、快斗が泣いて喜ぶところだが。
今は泣いて嫌がっていた。

快斗はパンドラホールディングで身動きとれないまま、テーブルの前に座らされる。

「な、なあ、青子……これじゃ手を使えないから、食べる事も出来ねえし。解いてくれよ、な?」
「まあ、快斗ったら、仕方がないわねえ。じゃあ、青子が食べさせてあvげvるv」
「や、や゛め゛ろ゛ーーーー!!頼むから、止めてぐれえ!」
「菫ちゃんなら、喜んで食べるところよ。菫ちゃんに出来て、快斗に出来ない事はないでしょ?」
「俺をあの食欲魔人と一緒にするな……うぐうっ!!」


快斗の嘆願かなわず、青子は容赦なく、快斗の口の中に、鯛の切り身の大きな一切れを突っ込んだ。



そして。


快斗は、口から泡を吐いて、気を失っていた。


「か、快斗!快斗!?」


青子は、その姿を見て、さすがに慌てふためき、快斗を抱き起こして涙を流した。


「ごめんね……快斗、ごめん……こんなひどい事、して……。」


怒りのあまり、快斗を苛めてしまったが。

「こんなんだから、青子、蘭ちゃんに敵わないんだよね……。」

更に、落ち込む結果になってしまった、青子だった。



   ☆☆☆



快斗は、夢……悪夢を見ていた。


「いやあああっ!快斗、快斗、助けて〜!」
「青子、青子おおお!」

青子が、見知らぬ男達に拘束されて、体中を撫で回される。
なのに、それを目の当たりにしながら、驚異の運動神経を誇る筈の快斗が、一歩も動けないでいた。

青子の服に男達の手がかかり、引き裂かれて行く。
青子は泣きわめくが、快斗にはどうする事も出来ない。


「うわああああああああっ!」


叫んで、目が覚めた。

快斗は、汗びっしょりで、大きく息をしていた。

夢だと、気付いても。
動悸はまだ激しく、恐怖感はすぐには拭えない。


「快斗!どうしたの!?」

部屋のドアが開いて、青子が顔を覗かせた。
無事な青子の姿に、快斗は心の底から、ホッとする。
そして、心配そうな青子に笑顔を見せた。

「何でもねえよ。夢を、見ただけ。」
「ごめん!青子の所為だよね!?」

青子が快斗の方へにじり寄って来て、涙ながらに頭を下げる。

「へっ!?」
「すごい悲鳴だったもん。夢の中でも、お魚さん攻めだったんでしょ?」
「あー、いやまあ……。」

どんな夢を見たのか、本当の事を言う訳にも行かず、快斗は曖昧に言葉を濁した。

「ごめんなさい、ごめんなさい!焼き餅焼いちゃって、酷い事して、ごめんなさい!」
「あ、青子……!」
「そ、そりゃ、本当にキスしてしまったんなら、蘭ちゃんに申し訳ないから、許せないけど……快斗が蘭ちゃんの事好きなのは、どうしようもない事だし、青子にどうこう言える資格はないんだもん!」
「って、だから。それは、違うって!」
「ごめんなさい、ごめんなさい!こんな……色気もない上に、酷い事をしてしまうような女……快斗にふさわしくないの、わかってるけど……。」
「青子!」

快斗は、たまらず、青子を抱き寄せ、抱きしめた。
青子の怒りよりも、涙の方が、ずっと心臓に悪い。

そして、夢の中とは言え、青子が他の男達に触れられるのは、心臓が抉られる程の痛みだった。


『名探偵も、こんな気持ちだったんだろうか……。』

今、初めて快斗は、コナンに悪い事をしたと、真剣に考えていた。

「青子……好きだよ……。」
「いいよ、快斗。青子に気を使わなくても。そ、そりゃ、蘭ちゃんには工藤君がいるから、無理にしても……きっと快斗には、もっとふさわしい人が……。」
「そんな事、言わないでくれ!俺を見捨てないでくれ、頼むから!」
「快斗……?」
「俺は……時計台で初めて会った時から、オメーに恋して来たんだぜ?」
「でも。あの頃は、子供の他愛ない気持ちでしょ?今は……。」
「今も、変わらない!いや、今は……昔よりもずっとずっと、オメーが好きで、大切だ……。」
「快斗?」
「信じて……くれねえのか?」
「だって……。」

快斗は、青子の顔を覗き込んだ。
潤んだ眼には、不信感はない。
ただ、哀しみだけがある。
青子の哀しみが、快斗の胸を突いた。

怪盗キッドの正体を、青子が知って。
快斗は、自分の気持ちも含めて、色々な事を告白して。
二人は恋人同士になって。

青子がパンドラマスターとして目覚めた後、体を重ねるようにもなった、二人なのに。

どうしてだろう、青子がまだ怪盗キッドの正体を知らず、二人がただの幼馴染みだった時より、遠くなってしまったように感じるのは?


快斗は、新一のように、子供の姿になっている訳ではなかったから。
パンドラパワーで性欲が高まっている時以外でも、機会があれば青子を抱いていたが。

何度抱いても……いや、むしろ、抱けば抱くほど、青子は快斗の気持ちを見失ってしまっているように思う。
それは……。


『俺の欲望が、青子以外の女性にも向いている事を、青子が感じ取ってしまっているからだ……。』

けれど、快斗の愛情は、あくまで青子一人にあり。
普通は、青子を悲しませてまで、他の女性に触れようと思う事はない。


その時、快斗のケータイが鳴った。
着信音は、初音からの電話を示すもので。

「快斗、出たら?」
「け、けどよ……。」
「危急を要する、大事な話なんじゃないの?」

青子の言葉に、快斗は渋々、電話に出た。


「もしもし!?」
『何や。鯛を無理やり食わされて、瀕死の重症かと思うたんに、元気そうやなあ。残念や。』
「……からかうのが目的だったんなら、切るぜ?」
『まあ、待ちいや。アンタ、煩悩チェッカーの事、覚えてるやろ?』
「……はあ?あんなひでえ目に遇わされて、忘れる筈、ねえだろ?」
『特別に、ええ事、教えたる。あん後、ウチは女の子達だけを集めて、煩悩チェッカーが集めたデータをもとに、話をしたんや。』
「……ゲッ!?性懲りもなく……初音さん、アンタ一体、何考えてんだよ!?」
『まあ、ウチもあれで、男いう生きもんが少しは分かったからな。で、言うたんは、男が煩悩を抱えとるんは、仕方あらへん。煩悩を抑えて、行動を慎んどる男達を、わかってやれ、いう事や。』
「行動を慎む……?」

快斗は、ハッとした。
問題は、快斗が他の女性にもスケベ心を持つ事ではなく。
実際にスケベな行動に出てしまった事だと、ようやく悟る。

今回の事だけではなく。
快斗が蘭にちょっかいを出す度に、青子がどんな思いをしていたのだろうかと、快斗は改めて考えていた。


「サンキュー、初音さん。助かったよ。」
『ホンマに大切な相手の事、見過ごさんと、大事にしてやりや。』
「ああ。」

そう言って、快斗は電話を切った。

「快斗?初音さんのお話、何だったの?」
「……今回の事で、初音さんからも怒られたよ。」
「そりゃ、蘭ちゃんにもコナン君にも、悪い事したからね……。仕方がないよ……。」
「違うよ。初音さんは、青子の事を心配してた。ホンマに大切な相手の事大事にしてやりや、って言ってな。」

青子が、目を見開いて、快斗を見た。


今は小さくなっている名探偵とは、お互い、似たような顔立ちで。
幼い頃から良く知る愛しい相手もこれまた、似たような顔立ちで。
そして、愛しい少女とは、似たような関係にあって。

ちょっと後押ししたくなったり、からかいたくなったり、羨ましくなったり、イライラしたり。
どうしても、ちょっかいを出したくなる事は多々あったのだけれど、それはあくまで「我が身と重ねて見てしまう」故であり、蘭の事を、愛しい少女と間違えてしまうなんて事は、一度だってありはしなかった。


快斗が、青子を抱き締め、その目を覗き込む。
青子の目には、快斗への気持ちと同時に、拭えぬ不安と哀しみが、ある。



「青子。好きだよ。」
「うん。青子も、快斗の事、好き。」

青子が微笑んで答えるが、その目にある不安と哀しみは、なくならない。


青子は、快斗の気持ちがよそにあると信じてしまっている。
どうやったら、青子の思い込みを、変える事が出来るのだろう?

何度抱いても、言葉で伝えても、青子の胸には響かない。
こんな事になると分かっていたら、決して、蘭にちょっかいなどかけなかったのにと、今更考えても、もう遅い。



「そう言えば。ここって……?」

快斗は改めて、部屋を見回した。
いつの間にか、黒羽邸の自室ベッドに寝ていたのだった。

青子に連れられてここに着くまでは、すぐ隣にいる鯛に気を取られ、パニックを起こしていた為、状況が分からなかった。


ちなみに、快斗の母・千影は、ラスベガスに行っており留守だった。
実は、工藤有希子と連絡を取り、会っていたりするのだが……それはまた、別の物語で。


「大阪にいた筈じゃなかったのか?」
「パンドラテレポートで、連れて来たの。」
「何でまた?」
「だって……大阪には、蘭ちゃん達がいるし。」

青子が、涙目で快斗を見ながら、言った。

「俺は……蘭ちゃんの事、何とも思ってねえって。だって、彼女は工藤の女だし。」
「うん。だから……工藤君がいるから、諦めたんでしょ?」
「だーっ!だから!青子、オメーはどうして恋人の事を信じようとしてくれねえんだよ!?」

青子の哀しみの眼差しは、心臓に悪い。
こんな事なら、怒って詰られる方が、まだずっとマシだ。


快斗は、青子を抱き締め、横たえる。
そして、青子のスカートの裾から、手を差し入れた。
太腿を撫で回し、下着に指を差し入れる。

「ん……あっ……!」

青子の顔に朱がさし、その眉根が寄せられた。

「青子……。」
「かい……と……。」

青子が感じている風なので、快斗は気を良くして、青子の体を撫で回す。
首筋に唇を落とし、胸に手を当てると。

「あ、青子っ!?」

青子の目から、一筋、涙が流れ落ちていた。

「ご、ごめん!今夜は疲れたか?それとも……嫌だったか?」
「ううん。そんな事、ないよ。快斗がしたいように、して?」
「青子?」
「でも、ごめんね。青子には、蘭ちゃんのような胸がなくて……。」

快斗は、大きく喘いで、拳を握った。
「快斗が蘭の身代わりとして青子を抱こうとしている」と、青子は思っているのだと、分かったからだ。


違う、違う、違う!

快斗は、心の中で叫ぶ。
青子に勘違いされたのは、自業自得だと分かっているが、快斗はやり切れなかった。



(バカはお前だ、バ快斗!どうして……あの時、青子の様子がおかしい事に、気付かなかったんだよ!?)

快斗がコナンから鎖で縛られてしまった時、本当だったら青子は、コナンに対して抗議する筈なのに。
青子は、快斗が本当は蘭を好きなのだと、いつの頃からか、思い込んでしまっていたのだった。

そこへ、快斗が蘭にちょっかいをかけたものだから、決定的に、青子は快斗の気持ちを誤解してしまった。


(どうする、快斗、どうする?青子を抱いても、抱かなくても。どういう言葉を掛けても、青子の頑なになった心を溶かすのは、無理だぞ?)

青子の、虚ろな目を見ながら、快斗は必死で考えていた。
そして、ふと、閃くものがあった。

「快斗……?」

快斗が、身を起こし、ベッドから離れたので、青子も身を起こす。
快斗は食堂に向かっていた。
そこには、青子が作った鯛料理が置いてある。

目にするのも厭わしいそれを、快斗は、ごくりと唾を呑みこみながら、目を逸らすまいと必死で見ていた。

「か、快斗!?何する気!?」

快斗を追って来た青子が、焦った声を出す。

「よお、青子。俺は、青子が心を込めて作ってくれた料理を、今から平らげる。」
「か、快斗っ!?」
「そうしたら……俺が本当にオメーを大事に思ってるって事、本当にオメーが好きだって事、信じてくれるか?」
「何、バカな事を!?」
「菫ちゃんに出来て、俺に出来ねえ事はねーだろ?」

快斗は、意を決して、鯛の目を睨みつけながら、大きな刺身を手に取り、口に放り込んだ。



   ☆☆☆



快斗は、先程よりも大きな泡を吹いて、白目をむいて気絶していた。

「何よ、気絶する位嫌なクセに、こんな事するなんて!もう……ホントに、バ快斗なんだから!」

青子は、快斗の傍に屈み、また、涙を流している。
けれど、その顔には、笑みが浮かんでいた。


「バ快斗!……大好き……。」

冷静に考えるなら、バカな事としか言いようがない。
しかし、青子の為に体を張って「バカな事」を仕出かした快斗の気持ちは、青子にしっかりと伝わったのだった。


青子は、テーブルの上を見て。
カードに走り書きをして、刺身の皿に添えた。

そして、料理に向かって手をかざし、唱えた。

「パンドラテレポート!鯛のお料理、守口の御剣家まで飛んで行け!」


パンドラテレポートは、マジカルテレポートより精度が高く、対象のモノを正確に目指す場所に届ける事が出来る。
ただし、パンドラパワーをかなり消耗する事になる。


鯛の懐石フルコースは、正確に御剣家の居間に届いた。
そちらはそちらで、ひと騒動起こる事になるのだが、それはまた別の話。



青子は、想いを込めて、快斗の唇に自分の唇を重ねた。
青子の流す涙が、快斗の顔にかかった。


「ん……青子……?」
「良かった……快斗、気がついたのね……。」
「青子?泣くなよ……。」
「ごめん。快斗……ごめん、ごめんね……。」
「何で、青子が謝るんだ?今回は俺が自分でやったんだから……たった一口で気絶するなんて、ざまあねえよな……。」

快斗は、体を起こした。
そして、テーブルの上に何もないのに気付く。

「……料理はどうしたんだ?」
「守口の菫ちゃんのとこよ。」
「そっか。あの子も喜ぶだろう。」
「うん……。」
「にしても、腹減ったな。」
「あ!ご、ごめん!今夜、鯛の他には、何もなくて!急いで作るから、待ってて!」
「いや。俺が食いてえのは、青子だよ。」
「え……っ!?」
「青子を、食べたい。ダメ?」
「か……快斗が、そうしたいなら……。」


先程とは違い、青子は赤くなって恥じらっているが、その目に絶望的な哀しみの色は無く。
快斗は、ホッとする。


「じゃ、遠慮なく、いただきま〜す!」

快斗が、青子を横抱きに抱えあげ、自室に連れて行った。
そして、ベッドに横たえる。

快斗が青子の上にのしかかり、服に手を掛けようとした。
すると。


「待って!か、快斗、灯り消して……。」
「やだね。青子の体、見せてよ。」
「だ、だって、青子、胸小さいし……。」
「ま〜たそんな、可愛くない事言うのは、この口か!?塞いでやる!」
「んんっ!」

快斗は、青子の唇を自分のそれで塞ぎながら、器用に青子の服を脱がして行った。
快斗のマジシャンの手は、あっという間に青子を生まれたままの姿にする。

「俺は、好きだよ。青子の体……こんなに、肌が綺麗で、華奢で……。」
「胸が小さくても?」
「……俺が良いって言ってんのに、どうしてそこに拘る?」
「だ、だって……。ひゃんっ!」
「ほら、ひと撫でしただけで、こんなに感度がイイ。」
「いやっ!バ快斗、何て事言うのっ!?」
「オメーの肌、ピンク色してスベスベして、しっとりと俺の手に馴染んで……スゲー綺麗だよ、青子……。」
「ああん!そ、そんな事言って!いっつも、お子様お子様って、バカにしてるくせに……っ!」
「バーロ。ベッドの中の、妖艶な青子は、俺だけが知ってる……他の誰にも、見せたくないし、教えたくない。他のヤツの前では、お子様青子で、良いんだよ……。」
「あ……ああ……はああん!」

快斗のマジシャンの手と唇が、青子の全身を愛撫して、青子は快感にのたうち回っていた。

「オメーのここ、もうびしょびしょじゃん」
「やだあっ!そんな事、言わないでよお!」
「何で?感じるってわりぃ事じゃねえだろ?」
「快斗の事が、大好きだから、こんなになるんだもん!」
「それは、俺だって同じ。ホラ。」

快斗が、青子の手を取って、自分のモノに触れさせた。
それは、既に固く怒張していた。

「キャアアアッ!バ快斗のスケベっ!」
「そりゃ、スケベだよ。俺だって青子の事、大好きだから、こんなになるんだぜ♪」
「……パンドラの所為じゃないの?」
「は?」
「か、快斗は、男の子だから、スケベなのは、仕方がないと思ってる。紅子ちゃんみたく美人とか可愛い子とかが、快斗の事、好きだったのも、知ってる。青子なんかより、ずっと素敵な女の子が、きっとお似合いだって……思ってるよ……。なのに、快斗が青子を抱いてくれたのは……パンドラマスターとパートナーに強制的に選ばれて……パンドラパワーでその気になったから……でしょ?」

快斗は、驚いて体を起こした。
まさか青子が、そのような事を考えているなんて、思いもしなかった。


「ちょっと待て。青子。まさかオメー、パンドラパワーでその気になったから俺を受け入れたけど。そうじゃなかったら、俺とエッチは嫌だったとか、そんな事言う気じゃねえだろうな?」
「えっ!?ち、違うよ!そりゃ、確かに、あの時スケベな気分になってしまったのは確かだけど!青子は前から、快斗の事が大好きだったから!」
「俺も同じだって、何で分かんねえんだ、オメーはよ?」
「えっ!?」
「初めて会った時から、オメーの事が1番だったっての!俺が夢で青子を初めて抱いたのは、12歳の時だったかな?それから、数えきれない位、夢や想像で青子を犯して来た。」
「えっ……ええっ!?」
「ったく。ずっと抑えてたってのによ。パンドラの所為で我慢が利かなくなっちまっただけで。ずっと、オメーとこうなりたかったのは、本当の事なんだぜ?」
「か、快斗……。」

青子が、涙を溢れさせた。
快斗が、優しく唇でそれを拭う。

「好きだ。好きだよ、青子……。」
「青子も。快斗の事、大好き……。」

快斗は、青子の唇に優しく自分のそれを重ね。
舌を青子の口の中に入れ、青子の舌に絡ませる。
そして、手を青子の胸に這わせ、胸の飾りを指の腹でこすった。

「ん……ん……っ!」

快斗のもう片方の手は、青子の滑らかな腹部から這いおり、密やかな茂みの奥へと至り、そこを優しく探る。

「んんっ!」

快斗が、青子の唇を解放すると、青子が大きく息をした。

「はあっはあっ……!」
「青子。挿れるぜ……。」
「あ……待っ……ああんん!」

快斗が青子の膝裏に手を入れ足を大きく広げ、怒張したモノを青子の秘められた花にあて、一気に貫く。
何度も体を重ねた事がある2人、隠微な水音を立てながら、快斗のモノはスムーズに青子の中に入って行った。

「すげ……青子の中、めちゃくちゃ、気持ち良過ぎ……。」
「ああはあっ……快斗……っ!」
「我慢出来ねえ!行くぜ!」
「あ……きゃあああん!」

快斗は、激しく腰を打ちつけ始めた。

「くう……くはあ……青子……青子……すげ……イイっ!」
「あはあん!……きゃはあん……んああんあんあん……んはああああっ!」

青子は恍惚とした表情を浮かべ、身悶えしながら嬌声をあげる。
快斗は激しく腰を揺らしながら、やはり恍惚とした表情を浮かべていた。


「ああっ!快斗……っ!青子、もうダメ……行っちゃううう!」
「青子……俺も限界……っ!一緒に……っ!」
「ぁああん……あはああああん!……快斗……かいと……っ!あっ……ああああああああああーーーーっ!!」
「くおおっ!青……子……っ!くはああああっ!!!」


青子が痙攣し背中を反らすと、青子の中が、快斗のモノをきゅうっと締めつけた。
同時に、快斗のモノは青子の奥で脈打ち、熱いものを大量に放った。





2人は、余韻の中で、お互いを抱き締めていた。
何度も体を重ねた事はあるが、心も満たされたのは、本当に久しぶりの事である。
少なくとも、青子にとっては。


「あのさ、青子。」
「なあに?」
「ひとつだけ、言い訳させてくれ。」
「何よ!?」

青子の声が、再び尖る。
快斗が何を言っているのか、分かったからだ。


「俺は、本当に、蘭ちゃんにキスする気なんか、なかったんだって。」
「……それは、正直、信じられない。」
「信じてくれよ!だって、本気でそんな事やろうと思うんなら、寝込みを襲うとか、不意打ちをするとか……。」
「やっぱり、バ快斗って、サイテー!」

青子が、目に涙を溜めて、快斗の胸を叩こうとする。
快斗は、青子の手を掴んだ。

「俺は!蘭ちゃんが必ず拒むって分かってたから!」
「……。」
「彼女は、工藤以外の男に、決して、触れさせる事はない。俺は、それが分かっていたから、まあ何というか……ああいう行動取った訳で……だから、その……絶対、しねえ積りだったんだ!」
「蘭ちゃんの事、よく理解してるじゃないの。」
「だからっ!」
「うん。そうだね。蘭ちゃんは、雰囲気にのまれて、他の男の人に身を許すような人じゃない。……信じるよ、快斗。でも、たとえ振りでも、二度と嫌だよ。」
「青子。二度と、ああいう事はしねえから……。誓うよ。」
「うん……。快斗。信じる。」
「良かった……ごめんな、青子。」
「本当に、二度目は無いんだからね。」


青子の笑顔の中に、少しだけ、本気の殺気を感じ取って、快斗はひくついた笑顔を見せた。
首の皮一枚で繋がった。
そんな気分だった。

快斗は、青子をグッと抱きしめて、言った。

「青子」
「なあに、快斗?」
「結婚しよう」
「えっ?」

青子が快斗を見ると、真剣な眼差しの快斗と目が合った。

「結婚って……。」
「嫌か?」
「ううん!嫌なんかじゃ、ないよ。青子だって、快斗のお嫁さんになりたいって……!でも、どうして急に?」
「別に、急にって事じゃねえけどよ。ずっと、漠然と考えていたっつーか。その……なるべく、早くに……。」
「快斗?」
「俺も、18歳になった事だし。その……実は……パンドラパワーを使った後って、生で中出ししても妊娠しねえらしいんだが。俺、今、思いっきり、中出ししちまったから……。」
「……責任、取るって事?」
「いや。って言うか、今更、ゴムつけて、やりたくねえ。」
「ええっ?」
「だから、大手を振って、避妊せずやりまくる為に、結婚する方が手っ取り早いかと……。」
「バ快斗!サイテー!」
「……てててっ!な、何で怒るんだよっ!?」
「知らない!」


プンすか怒っている青子だが。
先程の怒りとは違い、本気の怒りでは、なかった。
ただ単に、「デリカシーがない!」と思っているだけである。


「青子ー。機嫌直してくれよー。」
「もう!バ快斗はやっぱり、バ快斗ねっ!って……あん!どこ触ってんの!?」
「青子のお尻。」
「ちょっ!何考えてんのよっ!?」
「良いじゃん。このお尻も、俺のもんだろ?」
「あ……バカ……っ!アンっ……!ああ……。」


快斗の「お触り」に、最初は少しばかり抵抗していたものの、敢え無く陥落した青子。
部屋の中には、再び、甘い声が響き始めるのであった。


色々あったが、無事仲直り出来た2人の甘い夜は、更けて行く……。



Fin.



+++++++++++++++++


<後書き>


Cジェネ版「超天空の難破船団」の、後日(いや、当夜)談。
元々、映画とはだいぶかけ離れたお話になっていましたが、こちらのお話になると、映画とは全く無関係です。

快斗君の為にではなく、我が愛するブループリンセス青子ちゃんの為に、アフターフォローを。
とにかく、青子ちゃんに幸せでいて欲しいと。

考えたら、どういう訳か、こういうお話になってしまいました。


裏と言っても、大した事は無いです、たぶん。

お粗末さまでした。
戻る時はブラウザの「戻る」で。